The Teddy Bears
To Know Him Is To Love Him
(Door 503)

1. To Know Him Is To Love Him
2. Don't You Worry My Little Pet
3. Wonderful Lovable You
4. Till You're Mine

5. Oh Why

6. I Don't Need You Anymore
7. If Only You New (the Love I Have for You)
8. You Said Goodbye
9. Don't Go Away

10. Seven Lonely Days
11. If I Give My Heart to You
12. My Foolish Heart
13. Little Things Mean A Lot
14. Long Ago and Far Away

15. Tammy
16. Unchaind Melody
17. True Love
18. To Know Him Is To Love Him (Live Recording)

January 10, 2001

大橋巨泉も一目ぼれ?

 新世紀早々、テディー・ベアーズであります。なんともはや、のどかでございます。しかも、いかがわしいCDなのでございます。裏側はともかく、表の写真の悪さを見れば、ブートであろうということに、たいていの方は気づくはずです。それに、レーベルがDoorときてます。テディー・ベアーズのデビューしたレーベルはDore(正確にいうと「e」の上に横棒がついている)でした。一般的には「ドア」と発音するようですので、韻を踏んでおります。レーベル番号の「503」は、To Know Him Is To Love Himのオリジナル・シングルのレコード番号と同じです。こういうくだらない駄洒落も海賊

見づらいかもしれませんが「e」
の上に横棒があります。本当は
「ドレ」と発音するらしい。
レーベルにありがちですね。もちろん、会社に関するクレジットはいっさいありません。幸いなことに、音質は悪くありません。よくもありませんが。おそらく、盤起しのノーノイズ処理だと思います。あるいは、奇跡的にも裏ルートからマスター・テープのコピーを入手、なんてこともあるかもしれません。ないない。ま、それくらいノイズはないということです。
 1から4曲目までがDoreレーベルから出たシングル曲。To Know Him Is To Love Him(会ったとたんに一目ぼれ)は、1958年の全米ナンバー1であることは、いうまでもありません。5曲目から17曲目までがインペリアル・レーベルの音源です。7曲目の If Only You Newを除く12曲はステレオで、テディー・ベアーズ唯一のアルバム「The Teddy Bears Sing」に収められていたものです。蛇足ですが、ロック・レコードのおける最初のステレオ盤が、このアルバムだ、という説があります。
 なぜ、7曲目がステレオではないかといえば、この曲だけがシングルのみの音源だからでしょう。
 というわけで、テディー・ベアーズ名義で発表された、すべての音源が収められています。しかも、ボーナスとしてライヴ音源が1曲あります。ただし、なんとか聴けるという程度の音質なので期待しないように。それにしても、文字どおり前世紀の遺物のようなテディー・ベアーズ全曲集なんていうCDを欲しがる人は、いったいどれくらい、いるのでしょうかねぇ。かつて、ミュージック・ライフで大橋巨泉が「編曲の巧さ」と「素人っぽく聞こえる、未成熟なところが魅力」と褒めておりました。ノスタルジックに浸るには、いい小道具にはなるかもしれませんけど。



画像は大きくできるのも
ありますます



The Best of
PLANET Records

(RPM 215)

Christine, Bells -
DAVE HELLING

World's Champion - TONY LORD
Its Not True - UNTAMED
I'll Never Fall In Love Again,
Over You Baby -
JOHN LEE'S GROUNDHOGS
Please Go - TREKKAS
Guess I'm Dumb -
DANI SHERIDAN
Gamma Goochie, I'm Leaving - TRIBE
We Wanna Stay Home, So Sad - PERPETUAL LANGLEY
Make Your Mark Little Man - NATIONAL PINION POLE
Daddy Long Legs -
THE UNTAMED

Surrender, Two By Two -PERPETUAL LANGLEY
Making Time, Try And Stop Me - CREATION
Spinning Top - ORLONS
All Night Stand, Memory Of your Love - THOUGHTS
Painter Man, Biff Bang Pow - CREATION
Man With Money, Broken Truth -
A
WILD UNCERTAINTY
Please Mr Sun - GNOMES OF ZURICH
Too Much Of A Woman - CORDUROYS





MP3

Johnny Madara
Paul Anka

Twin VQ

Johnny Madara
Paul Anka

Twin VQは、MPEG4に採用されたオーディオ規格で、MP3に比べて音質と圧縮率が勝っています。ジョニー・マダラの例でいいますと、今回はできるかぎりサイズを小さくして、MP3は299K、Twin VQは182Kになりました。MP3に比べてTwin VQは3分の2のファイル・サイズですが、音質はTwin VQの方が若干良く感じます。MP3ではこれ以上サイズを小さくしようとすると聴くに耐えられない音質になってしまいました。
Twin VQの欠点は、エンコードに時間がかかるということでしょうか。

February 27, 2001

倒錯の「盗作の悦楽」。

 ジョージ・ハリスンのオール・シングス・マスト・パスのニュー・センチュリー・エディションがリリースされ、レコード・コレクターズ3月号でも大々的に取り上げられております。何かひとことを、なんて依頼されなくて良かったと正直思っているくらい勉強になりました。
 しかしながら、63ページに掲載されている「フィレス以降(69年〜)のフィル・スペクター・プロデュース作品」において、データに二三の誤りを発見しましたのでご報告いたします。作成はフィレスやハル・ブレインの研究家と知られている土橋一夫氏によるものであることから、多くの読者はそのまま鵜呑みにしてしまう危険があると思い、重箱の隅を突くようで申し訳ないのですが、ここに取り上げさせていただきます。どれくらいお役に立てるのか判りませんが、日本で随一のスペクター・ファン・サイトを自負してますからね、きちんとフォローしておかなければいかんかと(^^;。
 まず、A&M、Warner-Spectorおよび英国Phil Spector Internationalからリリースされた、いくつかのシングルはフィレス時代の再発音源があり、スペクター・ファンなら判っていることと思いますが注意は必要でしょう。というのも、再発音源は割愛しているという断り書きがあるからです。Ike & Tina Turner、Bonnie & The Treasures、The Righteous Brothersが、それにあたります。さらに、Bonnie & The TreasuresのHome Of The Braveはスペクターのプロデュースではありません。ひょっとしたら、スペクターによる未発表ヴァージョンだろうか、と期待した方もいるかもしれませんが、違います。プロデュースは、後にパレードを結成したジェリー・リオペルで、Phi-Danからリリースされたものと同じです。
 また、Barny Kessel Trioのジャズ・アルバムSlow Burnもスペクターのプロデュースではなく、ゲイリー・パクストンとバーニー・ケッセルがプロデュースしたものです。しかも、このアルバムは1965年にエメラルド・レコードからOn Fireのタイトルでリリースされたアルバムの再発です。
 Jeri Bo KenoのWarner-Spector盤は、実際にリリースされたかは確認できませんでした。少々古い資料によればWarner-Spector 0406は未発売とされています。ヨーロッパでは「Phil Spector International 2010 001」としてリリースされました。スペクターがディスコ・サウンドに挑戦した、という趣のレコードで、オールドファッションドのキュートな歌声もナイスです。

 ところで、Mark SteinのThe Long And Winding Roadが目に留まった方もいるはずです。ビートルズのアルバムLet It Beのス

1976年に英国でリリースされた
Mark Steinのシングル「Long and
Winding Road」。ギター、ドラムス、シンセサイザーによる、少々アバンギャルドなカヴァー。
ペクターのリミックス/オーヴァー・ダブでポールが激怒したという話は有名ですが、またまた懲りずにスペクターがポールを刺激するため、こんなシングルをプロデュースしたのかなぁ、なんて想像したりして。じつは、このシングルはスペクターのプロデュースではありません。スペクターと同じ高校に通う友達であったシェル・タルミーの作品です。シェル・タルミーといえば英国のクリスタルズとばかりにオーキッズをスペクター・サウンド仕様で売り出したプロデューサーでもあります。そうなんですね、彼は英国に渡りDeccaのプロデューサーとして成功した人物なのでした。その彼が英国で設立したPlanet Recordsの作品集が英国RPMからリリースされています。Planet Recordsは1965-1966のわずかな期間だけ活動したポップ・レーベルで、ぼく自身は初めて知るものでした。資料的には価値はあるでしょうけど、DANI SHERIDANのGuess I'm Dumb以外、特にこれはという曲はないですね、個人的には。

 話はジョージ・ハリスンにもどりますが、My Sweet Lordの盗作問題ですけどね、スペクターとあろう御方がシフォンズのHe's So Fineを知らなかったわけがありません。ぼくは、ある種の確信犯だと思いますね、確信はないけど。理由はですね、He's So Fineの作者ロナルド・マックは、この曲が63年の全米ナンバー・ワンに輝くとすぐに他界していたからです。まさか天国から「おい、チョット似てるぞ!」なんて訴えることはないよと、高をくくっていたのではないのでしょうか。結果は銭、銭、銭のことしか考えないレコード業界の本性をさらした醜い争いの場に引き込まれてしまいました。
 盗作はけっして褒められるものではありませんが、似ているとか影響を受けているというだけで、「オレたちゃ作者じゃねーけど、権利は持ってんからね。裁判でもして金を分捕ろう」というのは文化人のなさることではございません。ヨハン・シュトラウス二世なんて、「芸術家のカドリール」に対して訴訟を起されたら破産してしまうでしょう。メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢から結婚行進曲」、モーツァルトの「交響曲第40番第1楽章」、ウェーバーの歌劇「オベロン」序曲、ショパンの「ピアノソナタ第2番作品35の第3楽章」、パガニーニの「ラ・カンパネラ」、マイアベーアの歌劇「悪魔のロベール」、エルンストの「ベニスの謝肉祭」、ウェーバーの「魔弾の射手」、シェルホ
アンカの「君はわが運命」は1958年の曲ですが、マダラのこのシングルはいつのリリースでしょうか?ご存知の方いらしたら、お教え願いませんか。クレジットのMadara-Allisonが気になります。なぜなら、57年以降はMadara-Whiteコンビの作品がほとんどだからです。
ちなみに、裁判になったという話も聞いていません。
フの「羊飼いの歌」、シューベルトの「合唱曲作品105の1反抗」、モーツァルトの歌劇「魔笛よりパパゲーノの歌」、ベートーベンの「トルコ行進曲」と「ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47クロイツェル」、以上10人の作曲家による13曲のサワリを繋げただけで、彼はひとつも作曲していないのですから。元祖「スターズ・オン」であります。

 で、ご紹介したい曲があります。ジョニー・マダラが歌うYou're So Dear To Meです。ジョニー・マダラといえば、ダニー&ザ・ジュニアーズの58年のナンバー・ワン・ヒットAt The Hopの共作者であり、その後リーダーのダニー・ホワイトとソングライター/プロデューサー・チームを組み、60年代のガール・グループの仕掛け人として活躍した人物です。で、何に似ているかといえば、ポール・アンカのYou Are My Destiny(君はわが運命)でございます。で、どれくらい似ているかと説明するよりも聴いてもらいましょ、というわけでMP3とTwin VQファイルをご用意いたしました。左のアーティスト名をクリックしてください。
 Twin VQプレーヤーは無料で入手できます。左のアイコンをクリックすると、YAMAHAのホームページにアクセスできます。




Dion
Born To Be With You /
Streetheart
(ACE CDCHD 793)

いわゆる"2LP's on 1CD"という
ものです。スペクター・ファンからしたら"Streetheart"はボーナス・トラックのようなものです。ケースに張ってあるステッカーにも"plus bounus album"と記してありました。納得。

March 01, 2001

さすがは英国、復刻の切り札は尽きない!
Dion / Born To Be With Youの待望のCD化。

 「Born To Be With You」は、米国に愛想をつかしたスペクターが、1975年に英国のみでリリースしたため、正当な評価も与えられないまま、半ば忘れ去られていた一枚といえるものでした。しかし、熱心なスペクター・ファンは届かぬと思いながらもCD化へのラヴ・コールを送っていたはずです。当然のように、CD化の噂すらないまま、時だけが過ぎたわけでございますと、思いきや。いやぁ、届くもんですねぇ、英国の復刻レーベル四番打者、ACEが放ってくれました。
 このアルバムは、黄金期の如く、ハル・ブレイン、スティーヴ・ダグラス、バーニー・ケッセルをはじめとする西海岸を代表するミュージシャンたちがA&Mおよびゴールド・スター・スタジオにウォール・オブ・サウンド・オーケストラとして一同に集められ、MOR路線の新しいウォール・オブ・サウンドを創り上げております。アレンジにはニノ・テンポ、エンジニアにはスペクターのデビュー曲となった「会ったとたんに一目ぼれ」のレコーディングにも立ち会ったスタン・ロスが担当しています。当時は退屈なアルバムだという声もあったようですが、シェールが歌っ

やはりというか、当然というべきか、1976年のリリースというのにモノラル盤。CDも当然というか、残念というべきか、モノラルです。
たバリー・マン=シンシア・ウェイルの隠れた名曲「Make The Man Love Me」のカヴァー曲「Make The Woman Love Me」や、フィル・スペクター=ジェリー・ゴフィンの「Only You Know」を聴くだけでも価値はあると思います。
 レコードに針を下ろすなんてことは、無精になったわたくしにとっては一大決心を要することで、今回のCD化は大きな喜びでございます。
 もちろん、シングルのみとしてリリースされたスペクター=ジェフ・バリー作のロック・ナンバー「Baby Let's Stick Together」もボーナストラックとして入っております。これは買うしかないでしょ!ないでしょ!ないでしょ!ないでしょ!

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

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THE WALL OF HOUND
このサイト名の由来は、もちろんフィル・スペクターが創造したWALL OF SOUNDの語呂合わせです。 HOUNDには、マニアという意味もあるようですが、特に深い意図はありません。また、ぼくは吠えたりもしません。このサイトでは、そのフィル・スペクターの再認識と知名度の向上を第2の目的としたものです。(文責: 大嶽好徳)
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で、第1の目的はといいますと、ぼくの本業であるイラストを紹介することです。
プロフィール代わりに、どうぞご覧になってください。
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Links2/27/2001 更新
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