「シムのメッシュってどーやって作るの?」てな感じのメールを何人かの人から頂きました。
個別に返答しようかと思ったのですが、文章だけってのは表現力の無いわしにはチョイと難しいので、htmlにしてみました。
メールへの回答というコトでよろしくお願いします。

で、イキナリ関節を含んだボディ本体の改造・製作ってのもナンなので、以前作ったネコミミを例に、ミルクシェープを使った簡単な部品の製作について書いてみたいと思いますです。
但し、完全に「わし流」です。世間様の方法なんて知りません(笑)

必要なツール(各自で調達して下さい)

・MilkShape 3D
・BodyWarp
・skn2obj
・SimShow
・紙とエンピツ(笑)
__
必要な知識(各自で調べて下さい)

・各ツールの使用法
・cmx 及び skn の構造・書式


無の状態から3Dのポリゴンモデルを作る場合、まずは資料集めから始めます。
資料を見ながら頭の中で完成品を立体的にイメージしてみましょう。
イメージの中でモデルをグルグル回転させる事が出来るようになれば、これから先の作業に必要なのは根気だけです。


て、これだけじゃ余りに不親切ですね(^^;)

とゆーコトで、形を掴む為に紙にラフ画を描いてみましょう。
このように、フツー、人が描いた絵は曲線で構成されています。が、ポリゴンは全て直線で構成されていますので、今描いたラフ画の線を直線だけでなぞってみましょう。

カクカクした多角形の絵になりましたか?
このカクカクの頂点がポリゴンの頂点となります。
ミルクシェープで扱えるのは3角ポリゴンのみ、シムも3角ポリゴンしか使えません。
とゆーコトで、全ての面が3角形になるように、頂点と頂点を直線で繋いでみましょう。

ポリゴンっぽくなりましたね。
後はミルクシェープでこの形を立体的に再現するだけです。ここから先は根気の勝負です。


ポリゴンのモデリングツールで造形する場合、イロイロな方法があります。

箱か筒か球の面を刻んで変形させるとゆー方法がポピュラーですね。
ミルクシェープで面を刻む場合、3種類の方法が選択できます。

faceメニューの中から1面→3面、1面→4面の2種類が選択できます。
但し、この方法で複雑な形状のモノを造形しようとすると、不要な面を大量生産してしまう事になります。
面が増えるとゆーコトは、ファイルサイズが大きくなるとゆーコトです。ゲームで使う事を考えた場合、外観を損ねない程度で可能な限り面数を減らした方がヨイでしょう。

もう一つはvertexメニューの中のdivide edgeです。
選択した2つのvertexの中間から面を刻みます。
面を刻んで造形していく場合、コレが一番使えるコマンドですが、画像下の場合のように隣り合う面が存在する場合、1面のみを刻むという事が出来ません。

なんて書きましたが、今回は3D入門編とゆーコトで、上記の方法は使いません。
最も古典的な「バーテックス打ち」という、一旦平面なモデルを作成し、それを立体にするとゆー、気が遠くなるよーな方法で作業していきます。
作業の大半で使うのは正面図のウインドウだけですので、平面である3面図と立体の3D図を重ね合わせてイメージするコトが苦手な人に向いていると思います。

※ 3Dモデルの場合、正面から見て左右方向がx軸、上下方向がy軸、前後方向がz軸と呼ばれます。以後、それで話を進めますので、覚えておいて下さい。


じゃ、作業を始めましょう。

まず、正面図の視点が「front」になっているコトを確認して下さい。ポリゴンの面には表裏があり、ミルクシェープでは裏面は黒で表示されます。作業中のウインドウの視点側がつねに表面となるようにしましょう。

※ 間違えて裏面で作成してしまうとゲームでは向こう側が透けて見えるようになってしまいます。このコトを利用して表裏の面を組み合わせたレースのフリルなんかも作れるのですが、それはまた別の話っちゅーコトで。


先程のラフ画を見ながら、正面図にvertexを配置していきます。右耳分だけです。後で反転複製しますので、両耳作る必要はありません。

後で奥行きを付ける為、地図で言うトコロの「等高線」にあたる部分も入れておきます。
何段階で奥行きを付けるかは各人の自由ですが、先に書いた通り無意味な面を作らないように注意して下さい。ここではフチの部分を入れて2段階です。

vertexが打ち終わったら、それをfaceで繋いでいきます。
必ず「反時計回り」でvertexを選択して下さい。時計回りで選択すると裏面になります。

全部のvertexを繋ぎ終わりました。

次に、各vertexを選択し、moveで形を整えます。

大凡の形になりましたが、vertexの位置がガタガタですね。揃えるコトにしましょう。
高さを揃えたいvertexを選択し、VertexメニューからFlattenのYを指定します
実行すると、選択していたvertexが一列に並びます。

この作業を各軸単位で必要回数繰り返して下さい。


ネコミミ前側の2Dモデルが出来上がりました。
groupsを選択し、Trianglesとなっているグループ名をテキトーな名前にリネームします。ココでは nekomimi_F とでもしましょう。
次にmaterialsを選択し、newで新規マテリアルを作成します。これもリネームしましょう。nekomimi としておきます。
リネームが終わったら、groupsの中のselectボタンを押します。全部赤色に変わったら、materialsの中にあるassignボタンを押して下さい。
これで、グループnekomimi_Fにnekomimiというマテリアルが割り当てられました。

ここで一旦保存しておきましょう。

個人的な見解ですが、ミルクシェープのms3d形式でセーブしない方が無難のような気がします。
これからフォトショップのレイヤーのように、グループを重ね合わせて作業していくのですが、セーブしたファイルを開いたら、vertexがグループを跨って混ざり合っていたってのが過去何回かありました。
バグなのかワシの使い方が悪いのかはワカリマセンが、わしはobj形式にexportするようにしています。
とゆーコトで、nekomimi_F.objとしてexportします。


3Dになってからだと展開図の修正でヒジョーに苦労する為、この時点でマッピングしてしまいましょう。

まず、128×128ピクセルで、白と赤以外の色で塗り潰した8bit,256色bmpファイルを用意します。マッピングし易いようにグリッドなんかを引いておいてもヨイかもしれません。

materialsの中のテクスチャ選択ボタンを押し、先のbmpファイルを指定します。
3Dウインドウ内にカーソルを置き、右クリックで出たメニューの中のtexturedを選択すると、先のbmpがネコミミに貼り付けられます。
次にgroupsの中のselectボタンを押してグループ「nekomimi_F」を選択状態にして下さい。


windowメニューからtextured coordinate editorウインドウを開き、下の方にあるscaleボタンを使って、作業し易い大きさに拡大しておきます。
グループ名「nekomimi_F」の下にfrontと表示されているコトを確認したら、remapボタンを押して下さい。
画面一杯にネコミミの2Dモデルが表示されます。

remapはテクスチャ一杯を使ってマッピングする為、縦横比が狂います。scaleを使って調整、縮小して下さい。
テクスチャ上で1/4程の大きさにして、右上に配置してみました。

展開図のウインドウを閉じ、nekomimi_F.objへexportしましょう。



しゃて、続いてネコミミ後ろ側の2Dモデルを作りましょう。

groupsの中の「nekomimi_F」を「nekomimi_B」にリネームして下さい。
nekomimi_Bを選択状態にし、正面図のウインドウを「back」に切り替えます。
ツールバーのfaceメニューの中にあるreverse vertex orderを選択すると、面がひっくり返ります。これで後ろ向きになりました。

ネコミミの後ろ側は膨らませたいので、等高線を変更するコトにします。




まず、modelの中にあるselectボタンを押します。オプションにはfaceを指定して下さい。shiftキーを押しながら不要な面を選択し、delキーで削除します。
先程前側を作った時と同じ要領でvertexを打ち、面を作成して形を整えて下さい。

※ 一番外周のvertexはネコミミ前側との接点になりますので、移動やスケール変更をしてはいけません!



形が出来たら再度テクスチャマッピングです。

全てを選択し、展開図のウインドウを開いて下さい。
グループnekomimi_Bと表示されている下の部分を「back」に変更し、remapボタンを押します。前側の時と同じ要領で縮小し、今度は左側へ配置します。
前後のスケール合わせは後でしますので、この場では大きさに拘る必要はありません。

出来上がったらnekomimi_B.objとしてexportしておきましょう。


前後の2Dモデルが出来上がりましたので、ドッキングして立体化しましょう。

fileメニューの中のnewを選択し、ウインドウ内を空にします。
先程exportしたnekomimi_F.objをinportし、続いてnekomimi_Bをinportします。
materialesも同じモノが2つになっているので、グループnekomimi_Fとnekomimi_Bの両方を選択状態にして、どちらか一つのマテリアルを選び、assignボタンを押します。不要な方のマテリアルは削除して下さい。

これで前後のドッキングが完了です。

もし、この時に一番外周のvertexが前後でズレている場合、ズレている前後両方のvertexをselectで選択し、vertexメニューからSnap Togetherを実行して下さい。





前側の立体化を始めましょう。

後ろ側は邪魔なので、groupsからnekomimi_Bを選択し、hideボタンを押します。

邪魔な後ろ側が隠れたら、前側の等高線のvertexを選択し、側面図を使ってmoveで奥行きを出していきます。

正面図の等高線の間隔を変化させる事で、x軸方向の膨らみ具合を調整します。
この時、くれぐれも一番外周のvertexはイジらないように。

今度はnekomimi_Fをhideし、nekomimi_Bを表示します。同じ要領で立体化して下さい。

立体化が終了しました。



前後のグループの表示を切り替えながら最終調整をします。
外周を変更する場合は、両方のグループを表示した状態でselect optionsのlgnore backfacesのチェックを外してvertexを選択して下さい。

完成したらnekomimi_FB.objとしてexportして下さい。


3度目のテクスチャマッピングです。

両方のグループを選択し、先程と同要領で展開図のウインドウを開きます。
グループを切り替えながら配置位置とスケールを合わせていくのですが、両方のグループを同時に見るコトは出来ません。

そこで、groupsの中のregroupボタンを押します。
nekomimi_Fとnekomimi_Bが統合され、1つのグループになりますので、テクスチャウインドウ上に同時に表示されるようになります。
但し、一度統合してしまったら、もう分割するコトは出来ません。
統合してしまうとヒジョーに作業が困難になりますので、regroupは両グループの位置確認だけに使った方が無難です。
editメニューからundoを選んで元に戻しましょう。

位置とスケールを変更してregroupして確認し、undoで元に戻してまた調整。と、前後のスケールが同じになり、位置がカブらなくなるまで、地道に作業して下さい。

※ この時、remapボタンは絶対に押さないで下さい。立体化した状態で再配置されてしまいます。もし、間違えてremapしてしまったら、慌てずundoするように。

作業が終了したら、exportして下さい。


右耳が完成したので、ヘッドへの位置合わせとスケール合わせをしましょう。
skn2objを使って、好みのヘッドメッシュをobj形式に変換し、inportします。


グループnekomimi_Fとnekomimi_Bのみを選択状態にし、scale optionのx,y,z軸全てに0.5等の同じ数値を入力して、ヘッドとスケールが合うようになるまで拡大・縮小します。

もうチョット厚みを出したい等、ヘッドに合わせてネコミミの形を修正したくなる場合もあります。もう全体の形は決まっているので、scale optionの変化させたい軸に適当な数値を入力し、他は1.0を指定します。
例えば厚みを出したい場合、x,y軸に1.0を指定し、z軸に1.2等を指定します。

ヘッドとスケールが合ったらmoveを使用して、ネコミミを好みの位置に移動し、rotateでヘッドと角度を合わせます。



この時、rotateはoptionに数値入力した方がヨイでしょう。マウスでグリグリ回転させると、気に入らなかった時に元に戻すのに苦労します。
rotateした後にネコミミのサイズが気に入らなかったりした場合、必ず元の角度に戻してからscaleを実行します。
rotateしたままでscaleを実行すると形が歪みます。

位置が決まったら、groupsの中からinportしたヘッドを選択し、deleteボタンを押して下さい。同様にmaterialsの中のヘッド用マテリアルも削除します。

ここで必ずexportしておいて下さい!


さて、次は左耳を作りましょう。と、言っても右耳を反転させるだけです。

全てを選択状態にし、vertexメニューの中にあるmirrorで左右を反転させます。これで左耳になりました。

先程、右耳のままexportしたモノをinportすれば、両耳の完成です。

ヘッドのグループとマテリアルを削除し、完成したネコミミをexportして下さい。


実際に貼り込むテクスチャを作りましょう。

skn2objで両耳揃えてexportしたobj形式のファイルをsknファイルに変換し、保存します。
bodywarpを起動し、ネコミミメッシュをロードします。
editメニューの中にあるcopy uvmapを実行し、新規のbmpにペーストすればネコミミ用のテクスチャ下敷きの出来上がりです。
それに合わせてテクスチャを着色していきましょう。



※ bodywarpで取得したUV-mapは1ピクセル程向かって左にズレています。完璧を期するなら下敷きを修正しましょう。


メッシュもテクスチャも出来たら、いよいよシムショーで確認です。

シムショーで表示させるにはcmxが必要になりますが、ココでcmxの書式は説明しません。諸先輩方のHPを回れば簡単に知る事ができるからです。
ココではちょっとしたヒントだけ。

ネコミミはヘッドのパーツですから、ヘッドのcmxから呼び出しとゆーのが普通ですが、それだとずーっとネコミミのままです。
とゆーコトで、ボディのcmxからネコミミを呼び出しちゃいましょう。ボディのcmxから呼び出せば、ネコミミもウサミミも服に合わせて思いのままです。
ボディ用のcmxの中でheadを指定しても、ちゃんと反映されます。


とまぁ、こんなトコロです。
ネコミミは形状が単純なので前後の2分割ですが、モノが複雑な場合、4分割、6分割、8分割とグループ分けしないと作業が辛くなってきます。特にテクスチャのマッピングが辛くなりますね。

わしの場合、このバーテックス打ちや箱の面刻み、その他の方法をイロイロ併用してパーツを作っています。
方法はイロイロですから、自分が作業し易い方法を考えてみて下さい。

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