shoukoさん

初めまして。nene さんの大学時代からの悪友 shouko です。浜田省吾ファン歴20年、筋腫歴14年ほど、手術歴1回です。 いつの日か省吾の花嫁になるのが夢です!?(ちなみに彼は妻帯者、私も夫がおります〜)

・筋腫発見のきっかけ
最初に筋腫が発見されたのは確か26歳くらいの頃だったと思います。たまたま受診した他科のエコーで偶然見つかりました。 その時はまだ未婚だったし、周りに筋腫の人がいなくて本当にビックリして、大ショックでした。あわてて医学書なんか読みあさりました。 婦人科にも行きましたが、これは勇気がいることでした。当時の私にとって「産婦人科=産科」というイメージで 妊娠したときに行く科だと思っていましたから。
婦人科での検診の結果、子宮の上に乗っかるように筋腫があると言われました。ただ未婚だったことや、自覚症状がない、などの理由で経過観察するということで ず〜〜〜っと(10年くらい)過ごしてきたのでした。

・経過観察中の症状
半年から1年に1回、検診に行っていましたけど、少しずつ筋腫が大きくなっていったようです。 その他には生理の時にレバーのようなものが多く出てました。けれど、貧血もなく、見た目にもわからず (これは私が曙のような体型のせいだと思います!そう、私はお相撲さん体型!
自分の中でも筋腫に対して深く考えなくなってきていました。

・妊娠
状況が一転したのは95年の秋の妊娠でした。妊娠したのではないか、と思った頃から急にお腹がせり出してきて、 「ひょっとしたら普通の妊娠ではないのではないだろうか?」と思いました。とりあえず、近所の産婦人科(個人病院)に行ったところ、 妊娠もしていたのですが、筋腫がかなり大きくなっていて、ここでは手に負えない、市民病院を紹介するから・・・と紹介状をいただきました。 まさに「ちびまるこちゃん」の「顔に斜線」状態ですよ!
すぐにその医院から市民病院にタクシーで直行。そこでも「妊娠おめでとうございます、と言えない状況です」と言われ、 涙も出ない、って感じで帰ってきました。「顔に斜線」どころか「全身に斜線」ってとこでしょうかねえ。

・流産まで
病院の先生に言われたのは、このまま妊娠が継続した場合にどうするか、と言うことです。
よく行われている方法が、妊娠5ヶ月を過ぎた頃(このころから麻酔の影響が胎児に出にくいらしい)に手術して筋腫だけを取る、という方法。 ただし、手術をするとその後に流産などの確率は上がるとの事でした。
もう1つは筋腫を持ったまま出産し、出産時に筋腫を取る。よく考えて家族と相談してくるように言われました。整形外科医の叔父がいるので相談したりしたのですが、叔父も、主人も、家族は妊娠中の手術には大反対でした。 たとえ胎児に影響が少ないとはいえ、何がおこるかわからない、もしみんなで手術を勧めて、子供が生まれてみて何かあったら みんなで後悔することになる・・・という意見でした。

でも誤解なさらないでください!妊娠中に手術をしてちゃんと出産して、お子さんも元気な方はたっくさんいらっしゃいます。  あくまでも「我が家の考え方がそうだった」ということに過ぎません。呉々も誤解しないでくださいね。

妊娠がわかったのがかなり早い段階(5週目)だったので少し様子をみることになっていて、7週目の検診の時に、「現在は育っていますが、もう時間の問題です」と言われて 8週目に流産の処置をとりました。

主人には泣いて謝りました。「二人の子供のことは二人の責任だから」と言ってくれました。この言葉は今の私をずっと支えてくれています。

数日後には入院して手術となりましたが、筋腫があるために、子宮は妊娠6ヶ月もの大きさになっていたそうです。 (どうりでジーンズがはけなくなったりスカートがはけなくなったりしたわけですよね。)
普通は次の日には退院できるのですが、もちろん私もそのつもりでしたが、お腹が痛くて痛くてご飯も食べられなくなってしまいました。 (同じ病室の人は「あれだけ食いしん坊なのに食べられないのは、よほど痛いに違いない」と話していたそうです・・・トホホ・・・) 術後に子宮を収縮させる薬を投薬されていたのですが、筋腫があるために収縮せず、そのために腹痛がおきた、と説明されました。 ようやく痛みから解放されたら、今度は白血球の値が上がっていてこのままでは退院させてあげられない・・・と。
結局9日間、病院にお世話になりました。当然、パンツもパジャマも足りない・・・ 主人は女性物の下着を買いに行く初めての経験をするハメになりました。しっかり結婚指輪して行った、と言っておりました。

この長引いた入院期間に、さまざまな入院に関する知識を得ました。すでにこの時に、1ヶ月後に再入院して筋腫を取ることが決まっていたので 実際に同室に入院している方の体験談が相当役に立ったのでした。パンツの大きさなんて病院の「入院のしおり」には書いてないですもんね。

・手術前
当初の予定通り、1ヶ月後に手術となりました。流産の時には身体への影響が多くて一緒には手術できないそうです。 MRI も確かこの間に受けたと思います。説明の時に、レントゲン写真(?)を見せられて、「これが筋腫だ!」って指させるほどに大きく、ど〜〜〜んと写っていて 思わず笑っちゃうほどでした。
もうこの時は、気持ちも全然楽になっていて、「筋腫の手術なんてへっちゃらさ〜」という気持ちになってました。 流産に比べたら全然辛くなんかないさ、って感じに。むしろ「大好きな浜田省吾のコンサートと重ならなくて良かった」とか 「かわいいパジャマが欲しい」とか・・・そういうことが気になってました。

筋腫があまりにも大きくて横に切ることは出来ないと言われて、もしかしたらおへそをまわる(意味わかりますか?おへそは切ることが出来ないから おへそのまわりをぐるっとまわって上まで切るという意味です)かも、と言われて「え〜〜、将来フラダンサーになりたくなったら困りますう!」とか言って 先生からあきれられてました。(結局おへその下からバッサリ一直線に切られてました)

この先生は市民病院で最初に診てもらった先生で、最初の診察の時に「もしよければ自分がずっと受け持たせてもらいたい」と言っていただいて 信頼もしていたし、このころは冗談も言えるようになっていました。現在は転勤で別の病院に行かれてしまって残念です。

・子宮筋腫核摘出手術
手術は3時間くらいかかったと思います。子宮の上の筋腫を引きはがすような感じだったそうで、 その分時間がかかったそうです。小さな筋腫が子宮内に2個ほど見つかっていたのですが、 子宮を開けてまでとる必要がない、とのことでした。取った筋腫は14、5センチはあるご立派なもので、 「結構固いんですよ、ツンツン」と触っている先生を見てうちの主人は「触れなかったあ!」と言っていました。 私も見せて欲しいとお願いしたのですが、なぜかダメで退院の時に写真を見せられました。 (2枚あったので、1枚くれるのかなあ、もしくれたら年賀状の写真にしようかなあ、とか思っていたのですがもらえませんでした。) 診断書には「巨大子宮筋腫」と書かれていました!

・様々な笑えるお話
手術当日、順番が2番目だったのですが最初の手術が長引いて随分待たされました。 もう点滴もしていて、手術着も着て、ストレッチャーにも乗せられて、病室中がお見送り体制に入っているにもかかわらず、 またベッドに戻されて待たされました。ちょっと拍子抜け・・・おまけにトイレに行きたくなってしまって、点滴ぶら下げて、手術着のままトイレに。 鏡で見ると、かなり手術着が似合う!!「手術着が似合うって喜んでいる患者さんなんて初めてよ」と看護婦さんやお部屋の人、み〜〜んなに笑われました。

手術室に入り、麻酔され、まばたきして、「これから手術だ!」と思っていたら「shouko さん、わかりますか、手術終わりましたよ」と!! え〜〜〜、まばたきしただけだよ〜〜〜!!手術はまさに「まばたきしている間」に終わっちゃいます。心配しているヒマもなく終わっちゃいました。

もう6年近く前のことなので、当時とかなり状況は変わっていると思いますが、当時は術後翌日は絶食で、ベッドからも下ろしてもらえなかったんです。 手術した日の夜に、はやくもガスが出て、次の日に看護婦さんに話すと「そんなにはやく出るはずがない」と信じてもらえなかった・・・ でも本当に出たんです!と今でも言いたい!

肌がかぶれやすいみたいで、傷跡に貼っているテープがかゆくてしかたない!消灯になると腹帯をはずして、キズの周りをガリガリ掻いていたら、 はっと気が付くと、本来の手術跡を真ん中に「川」の字のようにキズが3本に!はずかしい思いをしました・・・掻くときは気を付けましょう!

筋腫の手術は全摘の方が出血が少ないそうです。私は1リットルも出血しましたが、全摘の方で「ヤクルト1本分」という人もいました。 輸血はせずにすみましたが、術後一時的に貧血になり、増血剤(?)を点滴で入れました、たしか3,4日間くらいだったと。 アッというまに改善されましたが。貧血の間に鏡を見ると、シミも目立たずに真っ白なものすごい透き通るようなお肌になっていたのでした。 ついうっとり見とれていると、たまたまそこに主治医が。「素顔に赤い口紅がいい、とか思ってるでしょう??」と。 見透かされた・・・と思っていると、すかさず「でも貧血治ると顔色も戻るよ」と。なんとかこのまま貧血だけ治してください〜〜〜と言ったのですが、 見事に元通り・・・これが本当に残念!!

その当時の私の入院していた病院は、術後7日目に抜糸、翌日入浴。それで何もなければ退院してもいい、というパターンでした。 でもなぜかみんな(6人部屋でしたが)のご主人様は嫌がるのです、退院を。みなさん会社員だったこともあると思うのですが、 自分がいない間に家で何かあったら大変!と考えるようですね。うちの主人もそうでした、もっとよくなるまで病院にいてくれ!と。 結局、みなさん土日に退院されていきました、もちろん私も。

・入院生活
これはとても楽しいものでした。 たまたま全員筋腫の手術の方々だということもあったかもしれません。 自分がどういうふうに回復していくのかが「お手本」として何人もいるんですよね。 同じ病気ということなどもあり、笑いの絶えない病室でした。 みなさん、私よりもひとまわりは年上の「お姉さま」でしたが、 本当に仲良くしていただきました。
24時間ほとんど一緒にいるということもあり、 気の合わない方々といると本当に入院生活は辛い! この点では本当にラッキーでした。 今でも当時のお仲間とプールに行ったり、お食事したりとおつき合いしています。 「子宮筋腫友の会・・・だと長いから”きんちゃんの会”と 名付けましょう」と言うことになって、ちゃんと名前まであります!

・退院後
退院する日に大出血しました。 たまたまナプキンを当てていたのですが、びっくり! 看護婦さんに話すと、捨ててしまったナプキンを探しに行くのです。 え^^^、と思ったのですけど、 どれくらい出血したのか、重さを量ったりするためだとか。 みなさん、このような時にはとりあえず捨てるのはちょっと待ちましょう! この出血はよくあることだそうで、 体内に残っていた手術の時の血液などが、体外に出てくるようで問題ないと。
家に戻ってきて、どれだけ病院が楽なのか実感しました。 特に我が家はベッドではないので、横になるのもキズが痛くて一苦労。
術後1ヶ月くらいで生理が始まりましたが、 しばらくは出血がひどくて、ちょっと驚きました。 レバー状のものが出なくなった分、出血がひどくなったような感じ。 体調もなんとなく、どこが悪いわけではないんだけど、なんか違う・・・という 不調とまではいかないけど、でもね・・・という状態が1年位あったと思います。 もちろんいつもそうだった、というわけではありません。 1年経った頃にはもうそういうふうに感じることはなくなりました。 やはり流産と手術が身体には負担だったのだと思います。 筋腫があることによって、貧血や不快感があった人とは違って 何の症状もなかったわけですから、仕方ないのかもしれないですね。
当時、色々な人達から「術後1年は身体を大切に!」と言われました。 どんなに体調が良くても、普段は空気にさらしてない内臓を表にさらすことに なるわけだし、今の無理が10年後にひびく!と。
ですから、はやく色々なことに復帰したいとみなさん思われると思いますが、 神様からいただいた貴重なお休み、と思って どうぞくれぐれも無理をなさらないで下さいね。

・現在
やはり筋腫体質のようで、3〜4個くらい子宮内にあります。 うまくおつき合いしていくしかありませんね。 自覚症状も相変わらずありません。 レバー状のものもめったに出なくなりました。 でもやはり妊娠は怖くて、現在も子供はいません。 やはり妊娠したことによって筋腫があれだけ大きくなったと思われ、 また同じことがおこってしまったら・・・と思うと勇気が出ません。 ただ、先生からは筋腫の手術が次の妊娠の妨げにはならない、と言われています。 普通分娩も可能かもしれないが、子宮の外側に目には見えない 細かいキズが付いている可能性もあるから、 念のため出産するなら帝王切開の方がいいとも言われました。
ぺったんこになったお腹も、なぜか今はますます曙状態! たんに益々太っただけなのかもしれないけど、これは悲しい・・・ おまけに傷跡があまり綺麗でないのです。 これは私の体質によるものだと思います。 同じ先生に手術してもらった「きんちゃんの会」のみなさんは それはそれはきれいな線のような跡で、 サウナとかに行くと笑われてしまいます。 友達の看護婦さんに見せたら、 どうしても気になるなら形成外科できれいにしてもらえるよ、と。 う〜〜ん、主人は気にならないよ、って言うのですが もう6年も経つのでちょっと考えちゃうこともあります。 ひょっとしたら省吾に見せることもあるかもしれないし!??
でも温泉やサウナに行くと、お腹に傷跡のある方って 本当にたくさんいらっしゃいます。 もちろん色々な病気があると思いますが、 みんな堂々としていて、もちろん私も堂々としちゃってるのですが(体型も!) 自分だけじゃないんだな、って思います。

・最後に
長くなりました、読んでいただいてありがとうございます。 同じ病気でも人それぞれ、症状は違います。 ですからあくまでもこれは私の体験談として読んで下さいね。 もしこんな体験でも、ほんの少しでもお役に立てればうれしいです。 まだまだギモンがありましたらどうぞ、私にわかることでしたら 何でもお話いたします。


neneより:shoukoさんへのご質問がありましたら掲示板にお書き込みくださいね。

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