獣医泣かせのマナヅル(1996年4月)
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ある日、下のくちばしが曲がっているとの連絡を受け、
駆けつけてみると下のくちばしのちょうど真ん中くらいで、
折れて出血していました。先端の方ならまだしも、ちょう
ど真ん中くらいでは餌が食べられずに死んでしまいます。
幸いほんの少しだけ接合部があるため、下に落ちることは
ありませんでした。それでもこのままだと餌を食べた際、
全部が折れてしまうので思い切って添え木を当てる事にし
ました。それでもなんせ場所がくちばしなので、テープを
ぐるぐる巻くと餌を食べることができません。そこで24時
間飲水も採食もあきらめて、静脈注射による点滴で栄養を
補給することにしました。点滴は動物の治療でもよくやり
ますが、絶食で長期間行うのは初めての経験でした。
20日間が経過しマナヅルの元気はすこぶる良好で、とり
あえずホッとしました。でも肝心のくちばしがしっかり付
いていなくては始まりません。静かにテープをはずして、
マナヅル舎に戻してみました。すぐに餌を食べ出し、どう
も具合がいいみたいで、大成功となりました。
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