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絵葉書FAQ
タイムトラベル − 資料編(1)
最終更新日 01.07.06
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-はじめに歴史種類集め方値段整理方法著作権リンク Updated!01.07.06文献

はじめに

古書店等を訪ねて古いの旅行関係資料(絵葉書、旅行パンフ、地図、ガイドブック、土産写真集、等々)を集めています。その中で、絵葉書()が最も多く、数千枚のコレクションができました。集める楽しさ、歴史、種類等についても、少しづつわかってきました。そんなわけで、古い絵葉書について理解を深めてもらうために、また、これから収集を始める方のために、このページを作成しました。

日本であれば、初期の手彩色絵葉書、富士山なら「なんでも」。外国のものはスイスを中心に、主に第一次世界大戦前のものを狙っています。必ずしも結果はそうならないのですが。

歴史

世界で最初に私製葉書の使用が認められたのは1870のドイツで、官製葉書の誕生とほぼ同時期、その後、英国が1894年、米国1899年、日本が1900年(10月1日)になります。

日本で絵葉書が一般化するようになったのは、1904年(明治37年)から2年間に、逓信省が発行した日露戦争をテーマにした絵葉書(8回シリーズ、47種類)で、人気が人気を呼び、発売日前には徹夜の行列ができ、死者もでたという話があります。これ以来、民間で、記念行事などに絵葉書を発行することがさかんに行われ、例えば、日露戦争関係では4500種類もの絵葉書が発行されたそうです。


日露戦争絵葉書

当時の街や自然を写した絵葉書は、今の絵葉書からは考えられない、普通の人たちが写し込まれていることがあります。これは、外国人に好まれるように日本的なものを写したということが考えられますが、日本人の間にも、絵葉書は写真メディアの役割も果たしていため、現実感あるいは臨場感を出すために写されたのかも知れません。いずれにせよ、今のように、ただただ美しく撮影しているのではなく、当時の生活が偲ばれる、親しみのあるものになっています。それが古い絵葉書の魅力と言えるでしょう。


震災実況絵葉書

絵葉書の発行が下火になったのは1930年頃からのようですが、おそらく写真が一般に普及していく時代で、印刷技術の工業化を背景に、新聞や雑誌が大衆化していく過程と一致すると思われます。

種類

(1)テーマ

「絵葉書のテーマになっていないテーマはない」と言われるほど、初期の絵葉書は、あらゆるテーマを扱っています。現在のテレホンカードが扱うテーマと、同じ状況が絵葉書にもあったということでしょう。今、古い絵葉書を売っている店では、大体次ぎのように分類されていると思います。

名所、美人、戦争、人物(軍人、政治家等)、皇室、スポーツ、乗物、災害、建物、記念、動物、植物、芸術作品・・・

ここで特に不思議なのは、戦前には皇室関係の絵葉書が、民間からも多数発行されているのに、戦後になると全く姿を消してしまったことです。英国などでは、今でも王室関係者の絵葉書が色々売られていますが、日本だとなぜか難しいようです。日本と関係の深いタイでも、王室関係者の絵葉書は見たことはありませんが、国民に親しまれている国王夫妻や王女の写真や絵が、グリーティングカードなどに使われて、たくさん売られているのを見たことがあります。…。


東宮殿下(皇太子時代の昭和天皇)訪欧記念絵葉書

(2)彩色絵葉書

カラーフィルムの登場(1935年)以前に "カラー写真" があるのですが、 それはカラーフィルムを使ったのではなく、人工的に着色されたものです。古い絵葉書写真は、ガラス乾板写真をコロタイプという方式で印刷したもので、日本の場合、植物染料を使って人手で着色を施しています。コロタイプのカードは、印刷に網版を使わないため写真を精緻に刷ることができる反面、大量生産には向かないため、大正期に次第にオフセット印刷に代わ り、手間のかかる彩色も省略され、1923年の関東大震災で終息したと いわれています。


初期の手彩色絵葉書:手のぬくもりが感じられて味わい深いものがあります。

オフセット型のカードは、モノクロから多色刷りに発展しますが、初期の多色刷りは、今のように色分解して製版するのではなく、印刷過程でモノクロ写真を着色したため、色のバランスに不自然なものが見られます。しかし、大正期は不景気だったため、モノクロが多く、色刷りのカードが増えたのは昭和期になってからだそうです。

海外のもの(特に私の集めているスイスもの)には、驚くほど精緻に着色されたものがあります。相当に、着色・印刷技術が発達していたと考えられますが、どのようにしていたのでしょうか? 色々調べているのですが、なかなかわかりません。わかる方がいたら教えてください。


スイス・ベルン 正義の泉(着色絵葉書、1906年)
古い絵葉書は当時の生活が見えるので楽しい。

集め方

(1)なぜ集めるか?

他の方の場合だと、郷土史や写真史の本で絵葉書を資料として使っている例がありますので、歴史資料として収集されることは多いと思います。また、アート的な面白さから集めておられる方もいるはずです。有名人の例だと、97年正月のNHKのある番組で、イラストレーターの横尾忠則さんが、滝に関する新旧のポストカードを1万3千枚集めており、創作に役立てているという紹介がありました。ひとつのテーマで1万3千枚は驚きですね。どうやって集めたのでしょうか。

私の場合は、うまく説明できないのですが、元々モノを集める性癖であったことと、誰もやってなさそうだったということがあります。(後で、スゴイ人たちがたくさんいることがわかったけれど…)。しかし、どんな形でもいいから「いつも、山」でいたいし、旅行をしていたい、現実にはできない違った旅をしてみたい、ということが心のどこかにあるからかも知れません。(<−これは後でつけた理由と思えないこともない)。

(2)どこで集めるか?

・古書店:私の場合、神田の古書店街がメインです。特に収集家の間で有名なA店には月に1、2度定期的に通っています。他の地域でも見つかることがあって、何かのついでに遠征することがありますが、やはり神田が効率がいいですね。何も見つからないで虚しく帰るということは、まずありませんから。
 しかしA店は、一時期に比べると流通量は激減しました。今考えてみれば、私が集め始めた80年代の中頃は、日本中がバブルで、地価高騰のため、地上げや立ち退きで、古い家が壊されていき、不要品となった古書や紙資料が大量に古書市場に流れた時代だったと思います。あの頃のA店は、通路にまで絵葉書の詰まった段ボール箱が山積みにされていて、箱に腰掛けたり、店員のスペースに入れてもらって絵葉書を選んだことがあります。あのとき、山関係ばかり集めないで、もっと都市ものなどを(安かったので)無理してでも買っておけばよかったと思いますが、もう、あんなバブルな時代は二度と来てほしくないですね。

・蚤の市、骨董市:こちらは最近になって始めたので、あまり書くことはありません。今年は、東京ビッグサイトの骨董ジャンボリーで、大阪と長野の店から、東京ものを200円−500円で、何枚か購入したくらいです。

・その他(インターネットなど):米国にはポストカード商のホームページがあり、オークションをしています。(最近だとタイタニック号の絵葉書がUS$300になっていた)。高いし、実物を見ることができないので、購入する気はありませんが、このページにあるいくつかの日本のカードは、インターネットで知り合った米国の収集家から購入しました。いい時代になったものです。またシンガポールのカードは、シンガポールの収集家と、香港のカードと交換しました。

価格

(1)買う

・昭和40年前後はダンボールのみかん箱にいっぱいつめて500円から1000円程度だったそうです。80年代の中頃から集め始めた私には、そんな幸運に出会ったことは一度もありませんが、私が始めた頃は、日本のものは1枚100円、手彩で500円、富士山頂上郵便局などの珍しい消印が押されていれば1000円でした。もっと高いものもあったはずですが、私のテーマからは全く無縁でした。外国ものだと、ほとんどが60円で、高くても300円だった思います。A店では、この値段体系は今も変わっていませんが、60円、100円コースからは、いいものはめったに出ない(出ることは出るが、時間をかけて見るほどのことはない)ので、90年代になってからは、300円コース(最も量が多くなっている)を見ることが多くなりました。

・一般に、収集家の多いテーマ(手彩色の美人、街並み、など)は珍重されますが、例えば日光東照宮など、今もある建物だけが写っているものは、手彩色であっても人気がありません。また、自然風景など、昔と変わらないと考えられているもの、または富士登山風俗のように面白いと思われないものは安くなります。

・日本では高値のカードでも、海外では数百円で購入できることがあります。一般に、どこの国でも自国のものは高価で、外国のものは安いようです。(しかし、そうではない場合もあるので、値段というものはわからない)。

・80年代の初めでも、1枚5千円、1万円した絵葉書があったことを回顧する話を読んだことがあるので、結局のところ値段については、さっぱりわかりません。言えることは、絵葉書も骨董であって、骨董の世界はアブナイということくらいでしょうか。

(2)売る

売ったことはなく、売るつもりもありませんが、横浜の大きな古書店で、手彩の横浜ものなら1枚2000円で買いたいと言われたことがあります。1枚6000円くらいで売れるのだそうです。(正直な店主ですね)。97年の神田古書まつりの目録に、手彩横浜が1枚2500円で出ているのを見て、そういうものかも知れないと思ったばかりでしたので、東京と横浜で、そんなに値段が変わるものかと奇妙に思ったことでした。

整理

・集め始めの頃は、種々のポケット型写真アルバム(古いカードは小型なのでピッタリ収まる)を使っていましたが、分類のための入れ替えが面倒なので、たまたま文房具店で見つけた、ナカバヤシ社製の「かたづけBOX文庫本」「厚み15mmの文庫本なら18冊収納OK」という製品(半透明のポリプロピレン製で800円位)を使っています。今私のところには8箱あり、1箱に400枚は入っているでしょうか。セパレータ兼インデクスには、適当な厚紙を見つけて使っています。

・絵葉書のうち、透明の袋に入れて売られていたものは、そのままですが、そうでないものは、文房具店で売られている透明ポケットに入れています。

・要するに、私の整理法は業者スタイルで、鑑賞には向かないが、整理には便利というわけです。

著作権

・絵葉書の著作権は撮影者または発行元にありますが、50年を経る とオリジナルの所有権を残して著作権は消滅します。オリジナルを使用したい場合は、所有者から 使用許諾を得なければなりませんが、複製して発行されたカードそのものには、 50年後には、複製物の所有者(例えば私)に使用権と使用許諾権があるため、私のホームページ にある絵葉書画像を私以外の人が無断で複製・転用・改変することはできません。

・新しい絵葉書が雑誌記事等で使われていることがありますが、無許可であれば厳密な意味で違反です。個人がHPなどで使う場合も同じでしょうが、友人から届いた単なる観光地の絵葉書を紹介する程度なら、いいんじゃないか思ったりします。(<−使うことを推奨しているわけではありませんので、念のため)。

・著作権について何か意見がありましたらぜひお聞かせください。

リンク


アルバムを見る

世界の絵葉書収集サイトへのリンクです。日本ではマイナーで、海外ではメジャー(とは言いませんが)、愛好家は多くいます。

日本
■ PostcardGuide Japan The Postcard and Paper Collectible Club of Japan (PPCCJ) のホームページです。会員で写真家の斧フィルバートさんが運営する PhotoGuide Japan のページ内にあります。(私も会員)。 ■ Yahoo Japan!: 趣味とスポーツ: 趣味と工芸: コレクション: カード: ポストカード ■ 絵葉書兄弟 新しい絵葉書を集めている嘉象堂さんという方のページ ■ サライのさらい 小学館の雑誌「サライ」の記事索引データベースを作成している森島巌さんのページ(同誌には古い時代の旅行や絵葉書関係の記事が出ます) ■ 博物館の博物館(KOJI Matsushita_WWW Museum) "館長"の松下さんが運営する『ぼくの・私の「知りたいな」をたすけてくれる』サイトです。
■ レトロポリタン博物館 New! 01.07.06 「伊豫の國」の流れ星さんのレトロなグッズのコレクションです。ネーミングがいいですね。
■ NIKKEI"X"--ART&VISUAL--'97.11|■ FREE POSTCARD SYSTEM ARRIVES (ELLE Online 98.07)

古写真関係他
(古写真は絵葉書の時代考証に役立てております)

■ 長崎大学 幕末・明治期の古写真仮想展示会 ■ 東京都写真美術館 ■ 東京大学総合研究博物館 デジタルミュージアム ■ 株式会社 ながと(宮崎・延岡)ニコニコネット 「印刷豆知識」が役立つ。「印刷あれこれ」には絵ハガキの記事もある。 ■ 京都新聞97年4月の記事 「時代」を映す絵はがき発見

その他

■ 全国ペンション連絡協議会ホームページ 「あなたの旅をきっと面白くする」リンク集で紹介いただいています。
■ ポートタウン! 横浜、横須賀のイベントを案内するページです。横浜のページを紹介していただいています。

海外

■ Yahoo! - Recreation:Hobbies and Crafts:Collecting:Cards:Postcards
■ Yahoo! - Business and Economy: Companies: Hobbies: Collectibles: Cards:Postcards
■ The Postcard Page > The Postcard FAQ by Marcel Marchon, Switzerland
■ PTA - Postcard Information Pages
■ news:bit.listserv.postcard
■ A History of Photography

文献


読書

■ 小森孝之編著「絵葉書 明治・大正・昭和」国書刊行会(1978年) ■ 六角 弘著「絵はがきが語る明治・大正・昭和史 上巻(東日本編)」ビッグ社(1981年)(注:西日本編は未確認) ■ 伊藤俊治「ジオラマ論 博物館から南島へ」(ピクトレス・ファンタジア 絵葉書世界からの信号)リブロポート(1986年) ■ 半澤正時編「Yokohama Grafica 横浜絵葉書」 有隣堂編(1988年) ■ 朝日新聞社編「カメラ面白物語 エピソードでつづる日本の写真150年」(1988年)より、小林孝之 懐旧の絵葉書写真・無名カメラマンが伝えた時代と世相 ■ 中川浩一「絵はがきの旅 歴史の旅」原書房(1990年) ■ 郵政省郵務局郵便事業編纂室編「郵便創業120年の歴史」ぎょうせい出版(1991年)
参考用に葉書に関する記事を抜粋したページ(日本のポストカード年表)をつくりました。 ■ 石黒敬章編「総天然色写真版 なつかしき東京」 講談社カルチャーブックス(1992年) ■ 近藤信行編「ビジュアルプック江戸東京 震災復興大東京絵葉書」 岩波書店(1993年)

もっともっとあるのですが、興味のある方には次の本がお薦めです。ほとんどすべての単行本、雑誌記事を参照して書かれています。(当然、出典も明記されている)。

■ 佐藤健二「風景の生産・風景の解放」(第1章 絵はがき覚書 メディアのアルケオロジー)講談社(1994年)

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