この作品は、できれば劇場版と私めの「エヴァンゲリオン〜哀しみをランバダに のせて〜」 (http:// www.bekkoame.or.jp/~worker/eva.html) 9、10話を見てから読むことをお勧めしますが、まあ、あらすじです。 一部の期待を裏切り、平和のうちに向かえた21世紀。 国連上層部と政財界のSFマニアが道楽でつくった特務機関ネルフ、 その総司令は妻ユイに逃げられた情けない男、名を碇ゲンドウといった。 未練たらしく、いまだに妻の姓を名乗っているのだ。 そして、2015年。地球には宇宙帝王ヤハウエの侵略艦隊が近付いていた のでした。ピーンチ! いかーん、人類の危機だあ。 宇宙戦艦ジオフロントはっしーーん! 雑魚は簡単にやっつけたけど、ヤハウエは無茶苦茶つえー。 これはいかん、とゲンドウは最終人型生物兵器アダムで出撃するのでした。
人のかたちをしたものがヤハウエに急接近していく。 皮膚が透明で内臓が透けて見える。背中には12枚の光の翼。 乗っているのは、ネルフ司令、碇ゲンドウ。 手にしているのは、ロンギヌスの槍。 ゲンドウ「シンジ、下がれ!」 シンジ「と、とうさん!?」 ヤハウエ「ふぉっふぉっふぉ、助けを呼んだとて無駄じゃよ。 消えい。神の眼光」 ヤハウエの両目からアダムに向けて光線が発射される。 が、アダムは強力なATフィールドを発生させ、はねかえした。 ヤハウエ「なぬ!?馬鹿な、朕の眼光を防げるわけがない」 ゲンドウ「どうりゃあ!ロンギヌスの槍をくらえ!」 槍は投擲されるとヤハウエの脳天を軽々と貫いた。 ヤハウエ「うぎゃああああああ!!!!」 自称神はあまりにあっけなく倒れたのでした。 あまりにあっけなかったのでシンジは 「ああ、来週は週番だったなあ。面倒だなあ。 そういえば、お昼に食べたタラコスパゲティおいしかったなあ。 アスカもおいしそうに食べてたなあ」 と関係ないこと考えはじめてしまうのでした。 ゲンドウ「総司令自ら目標を撃破か。フッ、問題ない。 さあ、地球へ帰ろう、大宴会だ。」 加持「もう、会場の予約はしておきましたよ、司令」 ゲンドウ「そうか、気が効くな君は」 そして明くる日、箱根ネルフ付属ホテルアダムの間。 地球を守ったぞ記念立食パーティーが開かれたのでした。 みなさんタキシードなんかを着てパーティールックできめています。 ゲンドウ「人類と我々ネルフの勝利を祝って、乾杯!」 「かんぱーい」 この時、行われたネルフ名物ウイスキー大ジョッキ一気飲みで、出席した 職員約200人の大半がべろんべろんになってしまうのでした。 その後はもう、飲んで、喰って、唄って、踊って、叫んで、吐いて、 しまいにはフルチンで走り回る者が現れるという修羅場と化すのでした。 「さあさあ、あんたも飲みなさいよお」 ミサトさんは日本酒の一升瓶を日向の口につっこみ無理矢理飲ませています。 「はめでふらさい(やめてください)グボボボボ」 「キャハハハハ、それえ、それえ、キャハハハハハ」 レイちゃんはそこら辺にある料理の皿をかたっぱしから放り投げては けらけらと喜んでいます。 そんな様子を酒を飲まないでいた見ていたシンジは、恐ろしくなって、 アルコールがまわって床につっぷして眠りこけているアスカにすがり つきました。 「助けて、助けてよ、アスカ。ミサトさんも、綾波も怖いんだ」 でも、アスカちゃんは起きません。爆睡ぶっこいています。 シンジはアスカの寝姿が可愛く、色っぽかったので一瞬ピーーようと思い ましたがやめました。周りには大勢の人達がいたからです。 酔っていたらどうなったかはわかりませんね。 その後シンジくんは一言 「最低だ、俺って」 とつぶやくと、できるだけ目立たぬよう会場の隅に行くと 周りのすさまじいばかりの馬鹿騒ぎの中、一人うずくまっているのでした。 同じころ、同ホテル内18使徒の間では自衛隊の演習打ち上げパーティー が開かれていました。 こちらの出席者はざっと1000人、ネルフの5倍です。 こちらの方々も、もうかなり酔っている御様子です。 その中で18使徒の間の入口近くにいた一人がある事に気付きました。 「おい、向かいの部屋でネルフが宴会やってるぜ」 「何い、ネールーフー!?」 「あいつらのおかげで、俺達の予算、ずいぶん削られたよなあ」 「俺っちの部隊なんか、3年前から給料すえおきや」 「それでいて、いったい何やってんだか、さっぱりわかりゃあしねえ」 「なにかと理由をつけて、税金つかって馬鹿騒ぎしてる ってのは本当だったようだな」 「おーっし!俺ちょっといって文句つけてくるわ」 「いったれ、いったれ」 「一発ぶん殴ったれ、ギャハハハ」 そうこうして、ネルフが宴会やってるアダムの間にぞろぞろと入りこんで きました。 「おのれらーネルフかあー!?」 「そうじゃあ、文句あっかあ!?」 そう応えるのは上機嫌でロックを歌っていた青葉君です。 「あるわあ!兵隊パーンチ!」 ボカッ 青葉君はいきなり殴られてしまいました。 「なにしやがる!俺にもっとセリフをキーック!」 ドカッ 青葉君も負けてはいません。 「そりゃ、行けー突撃ー!自衛隊をなめんなあ!」 「やる気か貴様ら、俺は空手3段!ネルフ総務部いちの強者じゃあ!」 こうして、大乱闘が始まりました。双方、どちらもほとんどの人が 酔っぱらっているせいか、次々と乱闘に加わってきます。 ほとんど集団ヒステリーです。 ボカボカ ドカッバキッ ガシャーン パリーン 「うぎゃああ」 「いってええ」 「ひでぶ!」 「あべし!」 ネルフのみなさんも健闘してはいますが、相手の方が数が多いし、 身体も鍛えているため分が悪いようです。 次々と倒れ、累々と横たわるネルフ職員 床に散らばる 酒と(牛や鶏の)肉片 割れたビール瓶と嘔吐物 響く罵声と悲鳴 死人がでるのも時間の問題のようです。 「怖いよ、助けて・・・アスカ・・・」 シンジは乱闘騒ぎが始まっても一人、隅の方でうずくまっていました。 まるで、木が大地に根を下ろしているように。 「だありゃあ!死ねやこらあ」 ある自衛隊員はテーブルの上にあった豚の丸焼きの頭をどこへともなく ぶん投げました。 (豚の丸焼きの)切り口はきれいではなく、無理矢理引きちぎったように 「さあ行こう、レイ。おまえは今日この時のためにいたんじゃない。 もちろん、私もだ」 「はーい、レイちゃん行きまーす」 こうして、ゲンドウとレイはひそかに修羅場からの脱出をするのでした。 その頃アスカちゃんはママの夢を見ていました。 まだ小さい頃のアスカちゃんとママ、それとシンジくんとユイさんが見えます。 どうやら、焼肉屋でみんなでお食事をしているようです。 ママ「さあ、アスカちゃん、焼けましたよ」 ユイ「シンちゃん、いっぱい食べましょうね」 アスカちゃんのママは特上骨つきカルビ、ユイさんは並ロースを頼んだようで す。 シンジ「ほほーい、モグモグモグ、おおーっ、しっとりとしてそれでいて(以下 略)」 シンちゃんは次々と肉を口にほうりこみます。 この頃のシンちゃんは分裂病入ってる今では 考えられない、わんぱくなお調子ものでした。 ユイ「それを言うならまったりでしょ、シンジ」 ママ「・・・あのお、それ、うちのなんですけど」 ママの顔はひきつっています。 そうです。シンちゃんの食べたお肉はママが頼んだ特上骨つきカルビでした。 ユイ「ホホホ、あらやだ。どうぞ、こっちのお肉を召し上がってください」 そう言って差し出された肉は安っぽい並ロースでした。 シンジ「おっ、悪いなキョウコ」 シンちゃんのセリフは偉そうでまったく反省の色は見られません。 ママ「・・・ちょっとトイレに・・・」 アスカちゃんのママはハンドバッグを持ってトイレに行きましたが なかなか帰ってきません。 ユイ「おそいわねえ、キョウコさん」 アスカ「あたし、見てくる」 そこでアスカちゃんは見てはいけないものを見てしまったのです。 トイレの個室(何故か鍵は空いていた)ではママがおさるさんの ぬいぐるみを何度も何度も殴りつけていました。 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! うわーん!いつものママじゃない いつものママじゃないよお そう、それからわたしは変わった わたしはママの人形じゃない 自分で考え、自分で生きるの 何故、そう飛躍するのかはアスカちゃんの精神構造のなせる技でしょう。 ちなみにママは健在です。 寝ているアスカちゃんの周りを大勢の自衛隊のみなさんがとりかこんでいまし た。 「見ろよ、かわいい子がこんなところで寝てるぞ」 「いたずらしちゃおうか?ヒヒヒ」 「やめろよ、おめえロリコンかよ」 ギラン アスカちゃんは見開いた目を一瞬光らせたと思ったらムクリと起き上がりまし た。 そして、おもむろに大きくて重たいテーブルを持ち上げると自衛隊のみなさんの 頭上に 放り投げました。 グシャリと嫌な音がして、5人の自衛隊員がつぶされました。 「あたしには完璧な美貌とリオン・ラファーレ師匠直伝の螳螂拳があえるんだか ら! もう、誰もあたしを傷つけさせない。死ねやてめーら!!」 「す、すいませんでした。かんべんしてください」 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! ドカバキグシャベチャベキーン 体重が自分の倍ぐらいある大男をアスカちゃんは次々と半殺しにしていきます。 こうなるともう、誰にも止められません。 「乳揉ませろ!させてくれないと暴れるぞお!」 マヤ「キャー!もう暴れてるじゃないですかあ」 これを見たリツコさんは懐からリブレットXXXを取り出し、素早くキーを叩き ました。 「技術開発部奥義サイバーファング!」 実体化したポリゴンの獣がさかりのついた自衛隊のおじさんに飛びかかります。 ウギャー! 5000ポイントのダメージです。 「ありがとうございます、先輩。助かりました」 「いいのよ礼なんて。今の状況をどう思う?」 「決してよくはありませんね。こちらはもう半分以上がダウンしちゃってます」 「まずいわねえ、全滅しかねないわ。助けでも呼ばないと」 ガシャーン そう言っていた矢先、会場のガラス張りになっている一面をつきやぶって 9つのハンググライダーが入ってきました。 9つのハンググライダーは天井の高い会場を円を描いて旋回しています。 突然のでき事に皆唖然とし、にわかにシーンとなりました。 アスカ「エヴァシリーズのパイロット!?何故?」 ハンググライダーに乗って来たのは量産型エヴァの外人パイロット達でした。 一応、数の少ない方からアンディ、ダグ、クレア、キム、イワン、ナンシー 、アブドル、ボビー 、クリシュナという名前がついています。皆14歳です。 その時、シンジくんは音響室にいました。 逃げるのはやめ、 マイクを使ってみんなに乱闘をやめるよう呼びかけようとしていたのです。 えらいぞ、シンジくん。 「ええっと、このスイッチを押すのかな?」 カチッ スイッチを押すと何故か『魂のルフラン』ではなく、 ランバダが大音量で響き渡りました。 「オーッ!イッツ、ランバダ」 これを聞いて、ナンシーとボビーが真っ先にハンググライダーから降りてきて ランバダを踊りだしました。 それをきっかけに誰もが次々と踊り始めます。 もともと皆、酔っ払っているので何がなんだかわからないまま踊りだします。 圧倒的に男が多いので、野郎同士で密着して腰を振って踊るというたいへん 暑苦しい光景が展開されますが、おかまいなしです。 老いも若きも、男も女も、ネルフ職員も自衛隊の皆さんも、 倒れていた者も起き上がって、手と手を取り合いランバダを踊る。 いつの間にか逃げていたはずのレイとゲンドウも踊りに加わっています。 そんな光景を見ていたシンジは、まるで天国のようだと思い。 「僕はここにいたい」 「僕はここにいてもいいんだ」 そう、悟ると踊りの輪に加わっていくのでした。 「おーい、アスカ、一緒に踊ろうよ」 そう、これも一つの可能性 ランバダによる補完 ランバダにより一つになった人々の心 これも一つの終局の形 -Fin-
管理人(以外)のコメント
ゲンドウ「うむ、問題ない」
冬月 「どこがだっ!!」
ゲンドウ「ナニを怒っているのだ、冬月」
冬月 「決まっているではないか! 私の出番がない・・・・いや、そうではない。他の職員を置いてさっさと逃げて、おまえはどうするのだ!!」
ゲンドウ「私とレイさえいれば、かまわんよ」
冬月 「その台詞、ユイ君の前で言えるかな?」
ゲンドウ「ぬ・・・・」
冬月 「そろそろここに現れる頃だ。私は帰るから、ユイ君によろしくな」
ゲンドウ「・・・・冬月先生、あとは頼みます(ダッシュ!!)」
冬月 「に、にげるなぁ!!」