或る晩のこと
 今日はとても暑い日だった。
僕はお風呂を浴びてさっぱりとした気分になってから、週末提出のレポ−トに取 り掛かっていた。 静かな夜の部屋に、キ−を叩く音とBGMの"タイスの瞑想曲"が低く流れてい た。
 ところがバイオリンソロの一番良い所で突然演奏が途切れた。僕は勿論その原 因は解っていたが あからさまにため息をつくと彼女がまた臍を曲げるので、心の中だけにとどめて 後を振り返りつつ 言ってみた。
 「アスカぁ、ひどいよ、一番いいとこで急に止めるなんて・・・」
 見るとアスカは風呂上がりで、真っ赤なバスタオルを一枚体に巻いただけのか っこうだ。
 「なによ、いいじゃない別に。それに何?アンタはチェロでしょう、こんなバ イオリンメインの 曲なんか聴いてどうすんのよ」
 アスカはいつもの"両手を腰にあててこちらを睨む"ポ−ズをしている。昔と違 うのは、あの人を 近づけないきつい眼をしていないところだ。台詞は昔と変わらないけれど眼は笑 っている。


僕たちは今も一緒に住んでいる。でも場所はミサトさんのマンションじゃない。 ミサトさんは僕た ちが第参新東京大学(通称”参大”)に合格したのと同時に加持さんと結婚し て、ネルフの後身の 組織(冬月さんが議長だ)の妻帯者用フラットに移った。僕たちもその時一緒に 冬月さんが用意 してくれた妻帯者用のフラットに移り住んだ、幸か不幸かミサトさんたちの隣だ ったけど。
 ここは2LDKの間取りは広めに取ってある平屋住居で、なんでも夫婦+子供 一人くらいまで の家族を収容することを想定して作られているそうだ。
 もちろん、冬月さんがフラットを用意してくれたり、ミサトさん達の隣だった りしたのは単なる 好意とか偶然だけじゃなくて、未だ”元EVAのパイロット"というのは何かと 要監視の存在なのだ ということは容易に想像がつく。それでも僕はアスカと一緒に居られるので、余 り気にしていない。


 僕は、少し苦笑いを浮かべながらアスカに向かって
 「別に、何時も何時もチェロの事を考えて音楽を聴いてる訳じゃないよ。いま はレポ−ト書きの BGMにしてるだけなんだから」
 「なに、レポ−トなんて出てたっけ?誰?」
 「教養課程の手塚・・・」
 「なによぉ、あいつのレポ−トなら週末迄でしょうが。まだまだ余裕あるじゃ ない」
 アスカが少し呆れたふうに僕に言う。
 僕は少し拗ねた振りをしてそっぽを向いて、ぼそっとつぶやく。
 「僕はアスカみたいに頭良くないもんね」
 するとアスカが後から抱き着いてきた。お風呂上がりということもあって、と てもいい匂いが僕の  鼻腔をくすぐる。
 「もぅ、解ったわよ。後で手伝ってあげるから・・・ね?」
 僕は、アスカの声の調子で言いたい事が解っているつもりだけど、少し意地悪 をしてみる。
 「レポ−トなんて物は、きちんと自分の手でやらないと意味ないだろ?」
 「だから一区切り付くまではとにかく続け・・・ぐぇ」
 アスカが後から首を締めてる。
 「シンジ!あんた女の子に言わせたいの!!解ってんでしょ!!!」
 「うぅ、わ、解ってるつもりだけど・・・」
  「宜しい!じゃ、この先どうすれば良いかも、勿論解ってるわよね!!」
 「う、うん」
 「じゃあ、やってみなさいよ」
 そう言って、アスカは締めていた腕を離す。
僕は体を少しずらして僕の肩口にあったアスカの顔の方を向いて唇に軽くキスを した。
そして、「アスカ、愛してるよ」と耳もとで囁く。アスカのほうも「シンジ、私 も・・・」 と赤くなりながらも言ってくれる。こういう時のアスカは とても可愛い。僕は、アスカの方に振り向きながら端末を遮断した・・・。


 僕がアスカを抱き上げると、アスカは僕の首に腕を回して唇を求めてきた。そ れに応えながら いつの間にか、軽く感じるようになったアスカを大事に抱えて二人の寝室迄運 ぶ。
 寝室には華美ではないけど、それなりの装飾を施したダブルベッドがある。換 えたてのシ−ツ の上にアスカを静かに寝かせる。アスカが潤んだ眼で僕の事を見上げている。サ イドボ−ド上の スタンドから淡い光がアスカの体を照らしていた。
 僕が「いい?」と眼で合図すると、アスカが頷いた。アスカの体を覆っていた 赤い、深紅のバス タオルを優しく開く。アスカの奇麗な体の線が白熱球の黄色い光に照らされて幻 想的な雰囲気を 醸し出す。何時見てもアスカの体は奇麗だ。僕が少し無言で見つめていると、
 「なによ、今更珍しいわけじゃないでしょ。何かじっと見られると恥ずかしい じゃないの」
 「いや、アスカって何時見てもきれいだなぁって思ってさ」
赤い顔を益々赤くして
 「なによ、当然でしょ。なんたって惣流・アスカ・ラングレ−の裸なんだか ら・・・」
てれかくしに堅い口調でいうアスカがなんだか愛しい。
 「それよりも人を裸にしといて、自分はなにやってんのよ」
僕はまだパジャマを着たままだった。自分の格好のまぬけさに気が付いて、僕も あわてて脱ぎだす。 それをアスカはベッドに寝転んで見るとは無しに見ている。自分で言うのも何だ けど、几帳面にも 僕のパジャマは畳まれてベッドの下に置かれた。
 裸になった僕は、アスカの視線を一瞬股間に感じた。けど次の瞬間にはアスカ は僕の眼を見つめて いた。
 「シンジ・・・」いいながらアスカが両手を伸ばしてきた。僕はアスカの上に 重なって、キスをし ながら、左手は髪の毛を、右手は乳房を愛撫していた。二人のキスの音と、心臓 の音がこの寝室を支 配していた。他の音はしなかったし、しても気にならなかった。キスを終えて少 し顔を離し見つめ合 った。「ねぇシンジ、あたしの髪の毛、好き?」アスカが猫撫で声で僕に聞く。 「うん、いい匂いが するし、手触りもいいし。僕はアスカの髪の毛大好きだよ」いいながらも右手で 固くなりだした乳首 を転がしてみる。途端に、アスカの息が荒くなる。「あぁシンジ、シンジぃ、好 き」今度は体をずら して左胸の天辺に吸い付く。左の乳首を舌で転がしながら左手はアスカのお腹を 触る。アスカの肌は すべすべしていて、柔らかい、それでいてサラッとした手触りで凄く気持良い。 其のまま左手をだん だんと、下腹部の方へと下ろしていく。アスカの淡い茂みに触れた。もうそこは しとどに濡れそぼっ ていた。
 「アスカ、もうこんなに濡れてるよ・・・」僕はしっとり濡れた指先をアスカ の目の前に差し出す。
 「もう、シンジの意地悪。そんなこといわないでよぉ」アスカは顔を覆って小 さな声で言う。
僕はそんなアスカを可愛く感じながら、秘唇の周辺を指でなぞる。じらすように 中心には触れずに周り からゆっくりともてあそぶ。アスカの息が益々荒くなる、青い眼は宙をさまよ う。それを見ながら僕は アスカの中心を指で刺激する。「あぁシンジぃ、いいよぉ」形の良い乳房を波打 たせながら、アスカは 恍惚とした声でもらす。その声に僕自身も刺激されて、益々激しくアスカを愛撫 する。アスカが乱れた 息で目じりに涙を浮かべながら、感極まったように言う
 「ねぇ、シンジぃ。もう欲しいの」
 その声に一層興奮した僕だけど、挿入する前に枕元から殺精子剤の入ったカプ セルを取り出しアスカの 奥に挿入した。僕はそのあとで「じゃ、いくよ。アスカ」と声をかけた。アスカ の無言の頷きを確認して から、ゆっくりと奥まで僕は入り込んだ。「あぁ、シンジ」「アスカ・・・」僕 たちはどちらともなく キスをかわして、少しばかりの間挿入の余韻を楽しんだ。
 唇を離したのが合図だったかのように僕はゆっくりと腰を動かしはじめた。ア スカは僕の事をしっかり と抱きしめている。僕が深く突く度にアスカの口から抑えた嬌声が漏れる。僕の 両手はアスカの乳房を荒 々しく揉みしだく。アスカの眼が僕の眼と合う。僕はアスカの眼を見つめながら 「アスカ、愛してる。 世界の誰よりも」こんな時にしか言えない言葉を出す、普段の状態なら恥ずかし くて言えないことを。 アスカも「シンジぃ、ひぃ、シンジぃ、私も大好き」と応えてくれる。見つめ合 いながら動いているうち に僕の限界が近づいてくる。アスカも解ってるようで「シンジぃ、最後は一緒 に、ね」僕は無言で頷いて 動きを速くする。もう限界だ・・・。
 「ア、アスカぁ!!」
 「シンジぃ!!」
僕がアスカの中に放つのと同時にアスカも絶頂に達したみたいだ。僕の物はまだ アスカの中で痙攣し続け ている。僕はアスカの上に覆い被さるよう倒れ込んで、荒い息をしている。アス カもおんなじだ。僕たちは 微笑み合ってキスを交わした。何となくアスカと一体になれたみたいで、この終 わった後の余韻が僕は好き だ。


 アスカが身じろぎをした。僕はアスカから自分を引き抜いて、となりに横たわ った、少し未練はあったけ ど。すると、アスカが僕の腕にぎゅっと、抱き着いてきた。「シンジ、良かった よ」まだ余韻が残っている のだろう、上気した顔で僕に囁いてくれた。「僕も良かったよ、アスカ」照れな がら囁き返す。
「ね、シンジ」
「何?アスカ」
「私ね、シンジの赤ちゃん欲しいな・・・ダメ?」
はぁ、アスカも僕の返事は解ってるんだろうに・・・。
「まだ、ダメ」
「少なくとも大学を終了するまでは子供は作らないって、冬月さんや他のみんな と約束しただろ」
アスカはちょっと拗ねて
「覚えてるわよ、そんなことは。ちょっと言ってみただけじゃない」
僕はアスカをこっちに向かせてキスをした。キスが終わってからアスカを正面か ら見詰めながら
「ねぇアスカ。もう少し待ってよ。僕がアスカと僕達の子供を守る自信が付いた ら、その時は・・・ね」
「うん・・・待ってるから・・・早く自信付けてよね」
「うん、僕一生懸命頑張るよ。だからアスカも協力してよね」僕は微笑みながら アスカに言う。
「あったり前じゃない、なんたってこの惣流・アスカ・ラングレ−のお眼鏡に適 った唯一の男なんだから」
アスカは笑いながら僕に言う。「この私がばっちりコ−チしてあげるわよ」
「これからも宜しく、アスカ」
アスカは笑って「これからも、ビシビシ行くわよ。シンジ!」と威勢よく言って から「シンジ、ずっと一緒 にいてね・・・」と小さな声で呟いた。
僕は返事をする代わりにアスカをぎゅっと抱きしめた。それだけでアスカは解っ てくれたと思う、僕の心を。


 月光が二人を包む。二人の男女は運命のくびきから漸く脱して、平穏な日々を 送れるようになった。 願わくばこの二人に祝福あれ。


 ども、作者のpzkpfw3(Panzer Kampf Wagen3)です。いきなり初作品が18禁です (^_^;)。書いた動機は どうもアスカ×シンジの同人誌等って、アスカがシンジを加持さんの代わりの生 体バイブにしちゃう のとか、病院で自我を失って寝てるアスカをシンジ(orその他の人)が犯しまくる とか、嬉しくないネタ が多いんで、自分で一つラブラブな奴を書いてみるか・・・と身の程もわきまえ ず書いてみた訳です。 煩悩100%で書きなぐったので当然いっぱつもんです。続きはありません。アスカ 様にどんな評価を されるかちょっと恐いです。んじゃこれで。此処までめげずに読んで頂いた方、 居られましたら伏して 御礼申し上げます。


 あはは、改訂版です(^_^;)ポリポリ。タグを付け替えました。前のは読みにく くてすいませんでした。 自分で掲載していただいたのを見て、顔から血が引きました、ホントに・・・。 内容がヘッポコな上 に、あれではねぇ。内容にも手を入れたくなりましたが、潔くないので我慢しま した。それに文才が ないくせにいじくり回してもねぇ(泣)。此処まで目を通して頂いた奇特な方、 有難う御座いますぅ。
 

pzkpfw3さんへの感想はこ・ち・ら♪   


管理人(その他)のコメント

カヲル 「pzkpfw3さん、ようこそ。この分譲住宅へようこそ。僕は待っていたよ・・・・って。このpzkpfw3ってなにかな?」

レイ  「ドイツのことは弐号機パイロットに聞かないと分からないわ。どうせ、戦車か何かでしょう」

カヲル 「どうしたんだい? 今日はやけにつっかかるね。それに、アスカ君は?」

レイ  「恥ずかしい、とか言って出てこないわ。どうしてかしらね」

カヲル 「どうしてかしらね、って・・・・いや、これを本人が読むのは恥ずかしいだろうね、確かに・・・・で、君がそのかわりかい?」

レイ  「そうよ。私は代わり。ダミー。作られた命。必要ないと捨てられるもの」

カヲル 「何を・・・・言っているんだい? いつもの君らしくない。感情が高ぶっているよ」

レイ  「気にしないで。気のせいだから」

ケンスケ「おーい!!」

カヲル 「おや、珍しいゲストが来たね」

ケンスケ「ふうふう。歌舞伎町でなに話しているんだ? それに綾波、僕にたっての用事って、なに?」

レイ  「これの使い方を、教えてもらいたいの・・・・」

ケンスケ「教えてって・・・・こ、これはドイツ軍4号戦車!! 一体綾波、何に使うんだ?」

カヲル 「それ以前に、なんでこんなものを綾波レイ、君が持っているんだ・・・・」

レイ  「気にしないで。ちょっと、撃ってみたいだけだから」

カヲル 「・・・・・(目標はアスカ君・・・・・か・・・・)・・・・」


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