ネルフ本部内にある監獄の様な部屋に碇シンジはかれこれ2時間程閉じ込められていた。

 彼が現在発生している”問題”について思いを巡らしていると、葛城ミサトが赤木リツコを連れて監獄の様な部屋の中に入って来た。

「ミサトさん・・・・」

 シンジが呟くと、ミサトは余裕の無い表情で口を開いた。

「シンジ君・・・何でこんな事になったのか・・思い当たることある?」

 シンジはポツリポツリと話し出した。

 

見えざる侵入者
裏第12.5話

 

 多分、原因になったのは2日前に届いた小包みだと思う。宛先は間違いなく僕たちの暮らしているミサトさんのマンションに間違い無かった。でも差出人の名前の所はインクが滲んでて分からなかった。何か食べ物みたいだったんで、開けてみるとよくあるハムのギフトセットと言う奴だった。ただ、”惣流・アスカ・ラングレー様へ”と書かれたカードが入っていたけど、僕はあまり気にしてなかった。これで今日お肉を買いに行かなくて済むと・・・・・・・

 

 夕方になってミサトさんから仕事が忙しくて帰ってこれないという電話があって、ミサトさんの分まで焼いてしまったハムをどうしようかと考えていると、急に気持ち悪くなって僕も夕食を抜きにしたんだ・・・・・アスカは心配そうだったけど、直ぐ良くなると思ったらしく先食べてるわよと言うと、食べはじめたんだ。確かその日の夜だったと思う、何かアスカの部屋でうめき声みたいなのが聞こえたのは。

 

2日前 深夜−1日前 早朝

 

 深夜、深い眠りに就いていたアスカは何か違和感を感じて目を覚ました。

 何か身体の最深部で何かが蠢いているような感じがしたのだ。アスカは最初は気のせいと思っていたが、突然その”何か”はずるりと蠢いた。その瞬間アスカの脳髄に電流の様な感覚が走った。”何か”がアスカの身体の中で蠢く度にアスカの脳髄を強烈な快感と呼べる様な感覚が走っていった。

 ちょっ、ちょっと何なの?!この・・・感じ!?

 アスカがまともに思考できたのはここまでで、後は強烈な快感に溺れて行った。

 4時間ほどして、あまりにも強烈な快楽を長時間受け続けていたアスカの意識は朦朧としてろくな思考も出来なくなっていた。しかし、入り口の向こうからシンジの心配そうな声が聞こえて来ると、それまで快楽の狭間へと落ち込んでいた意識が急に冴え渡った。

「だ・大丈夫よ。それよりもシンジ、あんたの方は良い訳?」

 その声を聞いたシンジは「もうよくなったよ、それじゃあお休み」と言うと自分の部屋へと戻っていった。ため息をついたアスカは自分が汗まみれになっていたのに気がついた。

 気持ち悪い。

 と呟くと立ち上がって衣装ケースから別の、サルのイラストが書かれた新しいパジャマを取り出すと、着替える為に汗まみれになった紅いパジャマを脱いだ。その時、再びアスカを快感が襲った。思わずアスカはへたり込んでしまう。それをまっていたかのように、”何か”はこれまでにない勢いで、アスカの体内を蠢き続けた。

「・・・・・あっ・・・うんっ・・」

 隣で寝ているシンジに聞かせまいと、僅かに残った理性が抵抗するが。怒涛のように身体中を駆け巡る快感に、あっさりと陥落した。

 

監獄

 

「それで、シンジ君。貴方はそのギフトセットはどうしたの?」

 リツコの言葉に、シンジはためらう様な表情をミサトに向けると消え入りそうな声で呟いた。

「昨日・・・ミサトさんが残りをビールのおつまみに・・・・」

 蒼白になったミサトの方にリツコは顔を向けると冷静な声で宣告した。

「葛城三佐、あなたも拘束します」

 その言葉に過剰に反応したミサトは慌てて反論した。

「ちょっと!まだそのハムが原因って確定したわけじゃ!!」

 ミサトの言葉を突き放す様にリツコは言った。

「ええ、確定した訳ではないわ。でも、その可能性は非常に高く。アスカと同じ状態になる可能性が高いのであれば拘束するのもやむお得ません」

 

シンジの回想

  

 もうその日の朝からアスカはおかしかった。確かに外見はいつもどうりだったけど、その目がとろんとしていて、僕がよんでも気がつかないことが多かった。

 学校でもアスカはボーっとしていた。いぶかしんだ洞木さんが「大丈夫?アスカ」というと「何でもないの、ちょっと考えごとしてただけ」と言っていた。ただ僕にはその時のアスカの青いビー玉のような光を失った瞳が気になってしょうがなかった。

 家に帰るとアスカは「気分が悪い」と言って部屋に引きこもってしまった。

 夜になってミサトさんが帰ってきても、アスカは部屋から出てこなかった。ミサトさんはあまり気にしてないようで、昨日の残りのハムをおつまみにしてビールを飲んでいた。

 

監獄

 

 どこかに連れられていったミサトさんが僕の入っている向かいの独房に入れられたあとしばらくして、再びリツコさんがやってきた。リツコさんは深刻そうな顔をして口を開いた。

「二人の検査結果が出たわ。シンジ君は異常なし・・・・。ミサト、あなたは・・・中枢神経系に何か寄生虫の様なものが取り付いているわ。それをMAGIで解析した所・・・パターン青。使徒。と確認されたわ。その使徒は恐らく人間に中枢神経系に寄生して、24時間で成体になるわ、成体になると・・・・宿主の身体を乗っ取ってしまう。そう言うことよ」

「リツコ!対策は無いの?そいつを殺す方法は!!?」

 リツコさんは悲しそうな表情を浮かべながら言った。

「あるにはあるわ。先程アスカの方はかたがついたわ」

「どうやったの!?」

「ターミナルドグマに侵入した時を見計らって・・・・銃火器を用いて・・・アスカの・・・宿主の身体を完全破壊・・・・ミサト・・・あなたはせめて私の手で葬ってあげるわ。恨んでも構わない・・・・」

 というとリツコさんは白衣のポケットから拳銃をい取り出すとミサトさんの方に構えた。

「ちょっと!!リツ」

 とミサトさんが言いかけた瞬間銃声がしてミサトさんの頭に小さな穴があいて、後ろの壁に血と脳漿が混じったものをまきちらす。リツコさんは容赦なく引き金をひき続けた。弾丸が切れると、予備の弾倉を入れて。ミサトさんの残骸の中をのたくっている何かに銃口を向けると全弾を撃ち尽くした。

 そして再び弾倉を入れると、血と脳漿が降りかかった顔を向けて言った。

「シンジ君、一つ言っておくと、その小包みは内容は違えどネルフの女子職員全てに届けられていたのよ。勿論。私の所にもね・・・・・」

 と言うとリツコさんは銃口を自分のこめかみに押し付けて引き金を引いた。僕の顔にリツコさんの血と脳漿と脳の破片みたいなものが降り注いだ。しかし僕は何も思わなかった。ただ心が空虚だった。二人の大切な人をうしなったからかもしれない。しかしそんな事僕にはどうでも良かった。ただ、リツコさんの残骸のなかをのたうちまわっている寄生生物の身体が人間の胎児と同じ姿なのが納得いかなかった。ただ、心にむなしい風が吹いていた。

 

 

作者あとがき

 

構成無茶苦茶。ラスト意味不明。こんなもの書いてて良いのか!?おれ。

あ、どうも皆様。分譲住宅の2大巨悪の片割れ12式臼砲です。何か頭が混乱している時に書いたので自分でも良く分かりません。

まあエヴァキャラによるコメントが恐いので私逃げ出さなきゃな。

ああ。そろそろ”這い寄る混沌”が出る小説も書きたいと思っている今日このごろです。じゃあ私はルルイエでネクロノミコンを読む為の旅に出ます(毒)。

 


 ゲンドウ教入信希望者及び12式臼砲さんへの感想はこ・ち・ら♪   


管理人(その他)のコメント

カヲル「血沸き肉踊るスプラッタ・・・・」

アスカ「ち・が・うっ!! 脳症飛び散り血が散乱するスプラッタよ!」

カヲル「あれ? 君は使徒として処理されたんじゃ」

アスカ「されるかあああああ!!」

 めきょっ!!

カヲル「・・・痛いなあ、僕だからいいものの、普通の人ならそのマサカリの一撃で脳症飛び散ってるよ」

アスカ「はん、あんたってつくづく使徒ね。しかしっ!! 12式臼砲!! あんたアタシを殺す話がよっぽど好きなようね!!」

カヲル「彼は僕の友達だから」

アスカ「どーいういみよ」

カヲル「僕とシンジ君が一つになるためには君が邪魔なのさ」

アスカ「それでアタシを抹殺しようと?」

カヲル「まあ、そういうことだね」

アスカ「じゃあ、アタシ、アンタも12式も憎たらしいから抹殺してあげるわ。この世から綺麗さっぱりとね」

カヲル「綺麗さっぱりとって・・・・なにかね、その怪しいマークの入った爆弾は」

アスカ「ぬふふふふっ。アメリカから密かに調達した50メガトンの核爆弾よ。これでアンタと黄昏支部を焼き払って・・・・」

カヲル「・・・・(汗)」


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