朝、旅館の前の川の水音で目が覚める。降り続いた雨で水量がなかなかすごいことになっているので、普段は静か……だと思う川の流れの音がすごい。雨音をかき消すぐらい轟々としている。朝の露天風呂に入ると天井の明かり取りの隙間から雨水。こりゃー今日の雨もすごいことになるよなぁ、と心配に。
元々この手の集まりをするときには、旅館でだらだらした翌日にはいろいろとレジャーを楽しむことにしている。例えばラフティングだったり、たとえば蕎麦作りだったりさくらんぼ狩りだったり、と。今回も一応いろいろ考えてはいたわけではある。スキューバ体験だったりシーカヤックだったりあるいはあじさい祭りでもみに下田までいっちまうか! とか。
ま、すべて雨でおじゃんですが。なにせもう少し雨が穏やかでないと楽しみようがないので。なので予定を変更し、熱川から河津の温泉を回り、天城越えをして修善寺に出て帰り道、というコースに。雨は降っても車で移動だからこの辺は本と便利だ。
車で移動中、「なんで天城越え」って言うんだろうね、という会話に。最終的に達した飛んでも結論。
「伊豆の先っぽのどっかにある工場で働かされていた女工が逃げようとするんだけどだいたい追いつかれるのがこの天城。だから越えられない天城峠ってことで天城越え」
「伊豆の田舎から中央に出稼ぎに出た女子供が故郷を懐かしんで、でも帰りたい帰れない天城越え」
……なんだか女工哀史だの別の歌だのが混じってる気がする。どこかしらおかしいと思ってたのだけど、なにせ調べる術がない。帰ってからWikipediaでも見るか、ということでその場は決着。(帰宅後調べてアホかとうなってみる。「天城越え」は歌。そんでもって天城峠は伊豆の踊り子、ってことだ!)
このあたりの雨が一番ひどかった。ざーざー。折りたたみ傘じゃ結構びしょびしょに濡れる。本堂を見てそれほど時間もないので、帰る。ちなみにこれが初修善寺。何となくもったいない気もするけど、雨音だけでほとんど人の気配のない修善寺もそれはそれでいいものかもしれない。