ミスカトニック遺跡から『皇国』時代の剣が出土(5/6 12:33) ハイラント西方、ミスカトニック遺跡を調査中の帝国大学調査団は、約1000年前の物と見られる剣を発掘したと発表した。 ミスカトニック遺跡は、およそ400年前に編集された『皇国史』の記載によればカサリウス2世の埋葬された墳墓とされている。長年の調査にもかかわらずその実態は謎に包まれており、『皇国』研究家や歴史学者の間ではその調査を興味深く見守っていたわけだが、今回の発掘によって多くの謎が解き明かされるとみられている。 今回発掘された剣は刃渡り90センチの鋼製で、関係者の話によれば「今でも抜群の切れ味をほこるような」と評されるほどその発掘状態はよいという。出土した際、剣は棺の脇に仮面と添えられるように置かれており、カサリウス2世の特徴とされている「仮面」と「剣」の二つがそろって出土した格好になる。 歴史学者の間では、この発掘された剣がカサリウス2世の持っていたとされる「カイユースの剣」であるかどうかについての論議がすでに始まっており、もしこれが件の剣であるならば、歴史上極めて重要な発見となる。 (参考)カイユースの剣 『皇国』中期時代にアイゼンストゥルド公国(現ラステリア)で作られた剣。当時の刀鍛冶であったカイユースの名を冠した、歴史上極めて稀な例でもある。同様の例は大廈で未だ出土しない『虞王の剣』がある。『皇国』中期時代の多くの将軍や国王がこの剣を持っていたとされるが、そのほとんどが散逸し、現存する剣は皆無である。特徴として「持ち主の手になじむ」「まるで体の一部のように」との評が多くの歴史書に見られ、その実態は長年謎に包まれていた。 なお、カイユースとは個人の名ではなく代々受け継がれる刀鍛冶の称号であることから、同じ時代に存在した「カイユース」とは一人ではなく複数の職人の総称であり、彼らによって形成される工房的意味合いの物であったとする説も多い。(山協世界史事典より抜粋) |