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「今日は、何の用だ?」
激しく降りしきる雨の音しか聞こえなかった部屋に、初めて声が流れた。
「何の用か、早く言え」
ぶっきらぼうに言うCONANに対し、差し向かいに座ったREMは言いづらそうに沈黙していたが、突然息を吸い込み、
「実は・・・お父さん、娘さんを僕に下さい!」
一気に吐き出すように言うと、俯いてしまう。
CONANは何も答えず椅子に座り直し、aliceの顔を見やる。そこには「嫁の貰い手はあるんだろうか?」と
父親を心配させたじゃじゃ馬娘の面影はなく、軽く俯き加減で頬を染め、何時の間にか美しくなった娘がいた。
「・・・alice、そうなのか?」
俯いたままのaliceは顔を上げることなく、
「ごめんなさい」
と申し訳なさそうに、静かに答えた。
いくつもの想い出がCONANの中を過ぎったのであろう。思わず声を震わせてかぶりを振った。
「な・・・た、たわけ!誰が貴様のような何処の馬の骨とも分からんような奴に、大事な娘がやれるか!」
テーブルがひっくり返り、あたりにグラスの破片が飛び散った。
「お、お父さん!」
「えぇい、貴様のような奴に『お父さん』と呼ばれる筋合いなどないわ!」
裂帛の気合とも言うべき怒号で数々の敵を戦慄かせたCONANの一喝が響き渡る。
「そもそもFEMCに入ることを許したのが間違いであったわ!」
一度は怯みかけたREMは勇気を奮って跪き、額を地面に擦りつけ、
「お嬢さんを、お嬢さんを僕に下さい!」
大きな声で叫び返す。そこには最早FEMCのギルドマスターの姿はなく、必死になった青年の姿があるだけであった。
「例え土下座しようと・・・・」
そこまで言いかけてaliceを見たCONANは、その溢れ流す涙に『真実』を見て取ると、
「・・・・・・・・・・」 どれくらい黙り込んでいただろう?目を閉じ深く息をして、そして小さな声で、
「分かった娘はくれてやる、そのかわり一度で良い、可愛い娘を奪って行く君を殴らせろ!」

拳を撫でながら、
「好きにしろ」
そう呟いて許可をしたのは、やはり娘を一番信じていたからか。
「ぱぱ・・・」
「お義父さん・・・」
CONANは二人に背中を向けたまま、最後にたった一言
「幸せになれ」
不器用な父親は最大級の祝辞を言った後、外の風景を眺めた。
何時の間にか雨は止んでいた。


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