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「じゃ、そろそろ戻るね」
CONANがローブを纏いつつKOHRANに告げた。
「え?もう行くの?まだそんなにゆっくりしてないじゃない。もぅ少し位、一緒にいてよ」
不満そうにCONANを見つめる。
「悪いけど、他人と会う約束があるんだ」
外套を手に取り、帽子を被る。
「他の女性のと会うなんて!ヤダ、ずっと一緒にいてくれないとヤダ!」
身を翻しかけたCONANのローブの裾を掴み、KOHRANはそっぽ向けて拗ねてみせる。いつもの別れ際の仕種。
「しかしそうもいかないんだ。今日は大事な用があって・・・」
「ヤダ!」
言いかけたCONANを遮るようにKOHRANが叫んだ。いつもと違った、思いつめた表情で、
「ヤダ!私、ずっと貴方からのメッセージを待ってたんだよ?なのに酷いよ!」
CONANの目の前に進み出て、潤みきった目で訴える。
「ずーっとICQでメッセージが来るの、待ってた。いつも、何時だって・・・。毎日のテレホタイムをずーっと・・・。
貴方は何をしてるんだろう?って貴方の事ばかり考えながらずっと待ってたんだよ。約束をしてくれないで、
でも私からは連絡できない・・・。気まぐれで構わない、ずっと、ずっと呼び出して欲しかったの!
なのにいつも貴方は・・・酷いよ・・・」
頬を一筋、伝って落ち、床で弾けて光りに変わる。
「いや、仕事が忙しくて・・・」
CONANの言葉を全て否定するように烈しく首を振り、
「貴方がまだあの女性を割り切れてないのは解る。私だって女よ、気付かないはず無いじゃない。それにあなたは私の事・・・。
それでも貴方の一部が私の全て・・・私、二番目でも良い、貴方に見ていて欲しかった・・・ずっと、ずっと愛されたかった!」
胸に握った拳を叩き付け、掴み、顔を埋めて泣き出した。
「なのに・・・なのにどうして・・・?酷いよ・・・」
言葉を失ったかのように立ち竦む。
「KOHRAN・・・」
KOHRANの肩がとても、とても小さく感じられた。
「ゴメン、気付いてないわけじゃなかったけどね。本当に仕事があったんだ。
何を言っても許されるはずの無い事だけど・・・。」
肩に手を置き、囁く様にして謝る。
「今度、一晩中君に付き合うよ。約束する。翌週あたり、ね。それで許してくれないか?」
KOHRANは顔を上げてCONANをしばらく見つめた後、コクリと肯いた。
「でもね・・・」
KOHRANはせがむ様に言葉を続ける。
「でも、今日は食事だけ、付き合って欲しい・・・」
CONANは時計を見やる。多少遅刻するが、仕方が無い。
「うん、いいよ。じゃ、早速食べさせてくれるかい?」
KOHRANはCONANの手を取り奥の部屋へ誘った。
奥の部屋のテーブルの上には既に用意がなされており、後は料理を出すだけであった。
「そこに座って・・・。今料理を持ってくるから」
ローブを脱いだあと、勧められるままに椅子に着く。
しばらくして料理をトレイに載せてKOHRANが戻ってきた。
「それじゃ、食べようか」
小さなグラスで形ばかりの乾杯をし、軽くワインを干す。空腹に焼けるかの如く沁みる。
「へぇ、上手そうなリブだな」
CONANは好みの料理に手を伸ばす。焼け具合といい、香りといい、申し分ない。
「うん、美味い。上出来じゃないか。上手になったな・・・ん?どうして食べないんだ?」
KOHRANはかすかに微笑んだまま、答えずにいる。
「・・・・・!!!!」
瞬時にCONANのカラダに激痛が走った。灼熱感が胸を焼く。
「な、何故・・・」
血を吐きながら床に倒れ伏すCONAN。テーブルクロスを掴んで立ち上がろうとしたが、
食器と共に床に引きずり落としただけであった。
「ごめんなさい、でもこうすれば貴方を誰にも取られずに済むもの・・・」
落ちた食器の破片の中で喘ぐように、
「・・・俺のポケットに・・・原料がある・・・解毒剤・・・を・・・」
しかしKOHRANは静かに首を振り、
「もぅ我慢できなかった・・・これで貴方はもぅどこへも行かない、
誰のものにもならない・・・ずっと、ずっと私だけのもの・・・」
CONANは答える代わりに大きく喀血した。
(そうか・・・震える小さな肩を抱けなかった時点で、全ての清算を求められても仕方ないんだったな・・・。)
「やっと、やっと一緒になれるんだよね・・・やっと私のものになったのね・・・」
それが最後に聞いた台詞であった・・・。


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