お客さまより・・・・
車種：Buell XB9S 02年式

簡単に概要を説明させていただくと、
1.シートに自由度が少ない。
2.なんとかタンデムシートに荷物が固定できるようにしたい。
この2点です。細かい内容はPDFで送って頂きました。

いろいろ細かい打ち合わせ、確認をしていくうち、私にとって初めての車種と言うことと、妥協せず自分に合ったシートを作りたいということで、スポンジテスト一回のコースを選んで頂きました。
途中、ツーリングバックの固定方法などでかなりプランを出させて頂いたりもしたのですが、タンデムスペースがあまりにも小さいと言うことで中途半端な固定しかできそうにないと言うことで気持ち良く見送って頂き、純粋にスポーツするということをメインに進めさせて頂きました。

左の図面は、テストシート用指示書です。


お客さまより・・・＜スポンジテストインプレ＞
シートの試乗、無事終わりました。そして、今日発送の手配取りました。感想は、素晴らしいの一言！まず、その柔らかさにビックリし、跨いでみた時のノーマルの時より3cmもあがっているはずなのに、角を落としてもらった事も影響してか両足ベッタリつくようになったのにビックリし、そして、何より自分が本来座っていたい位置に愛用しているウェストバックをしていても確実に楽に座れるという事。本番に近いシート生地だったら、きっともっと楽だったんだろうなあと。(滑りにくいパンツをはいて乗ったのですがそれでも滑ってしまいました)シート一つで、こうまで変わるのかと愕然としました。ただ一つ気になった所がありました。それは、返送したシートに×でテープを貼った位置、この辺が干渉するのか座り初めから、尾てい骨が痛くなります。意識して座りたい位置に落ち着いて乗っていてもやっぱり痛い…。滑りやすい生地だけとも思えないので、ひょっとしたらシートベースが干渉しているのかもしれませんが、改善したい部分はここだけでした。素人考えなのですが、足付き性は猛烈によくなっているのでこの部分のアンコを足してもいいのかなあと。実際手で押してみると微妙に堅いような印象があったのでこんな事を書いてしまうのですが…。良い方法がありましたら、検討してみて下さい。返送したシートに切り返し部分の指定をテープで指定しましたので、切り返しはそのようにお願いします。あとループ用の幅の指定がまだでした。(すっかり忘れてました)シートバックの固定用バンドの幅が25mmですので、30mm程度の幅があれば大丈夫だと思います。気になった1点をのぞけば、すべてOKですのでこのまま本番に進んでも大丈夫だと思うのですが、シートが土井さんの所に到着後、土井さんの判断でもう一度テストした方が良さそうと言う事でしたら何度でもやりますので、よろしくお願いします。右上のシートがスポンジセッティング確認用シートです。


ということで、レポートを頂いた箇所を修正し完成したのが、下記の写真です。
早速インプレと装着写真を送って頂きました。

天気も良かったので、早速走ってきました。
この前乗った時に感じたリアサスのセッティングをすこし軟らかめに変更して臨んだのですが、いやもう素晴らしいです！それしかありません。ヒップバックを装備して乗っていても、今までヒップバックが引っかかるような事があったのがそんな事もあったかな？みたいに何事も無かったように体重移動に集中できましたし、それと休憩ポイントまでそれなりに距離があったのですがやっぱりワイラックスは素晴らしいですね。疲れしらずでした。長距離になるとどうなるかは分かりませんがワイラックス大正解です。逆にまだ山が寒かったので、自分の足がつりそうになったという情けないようなハプニングがあった位です(苦笑)
その後、自分のショップにお披露目かねて行ったのですが、ショップの店長も、シートを自分の乗りやすい様に加工するって言うのはバイクを楽しく乗る上で凄い大事な事だから、これから乗るのがもっと楽しくなりますよと言うような話をしてくれました。

ということで、メールの往復が８０回を超えるやり取りと途中休憩がありましたので約５か月に渡りシートが完成したわけです。メールの半分は、シートの話だけでなくバイクやその周辺の井戸端会議でした・・・。満足頂けるシートが完成し私の方も一安心といったところです。その後のビューエルのミーティングでも乗って行って頂きメンバーのみなさんにも紹介して頂きました。


最近HPも開設され、そちらでも紹介して頂いています。FLASHを使ったかっこいいページです。
魅惑の海外大型バイクの試乗記は気になるコーナーです。

http://kaba-xb9s.hp.infoseek.co.jp/

忘れていました、猫対策のシートのカバーも一緒にオーダー頂きました！まさに黄色天国です。

　今回のカスタムを定点観測で送って頂きました。
　上から　ノーマル ＞ テストシート ＞ 完成！ ＞ シートカバー（まさに使わない時活躍してくれています！）

ちょっとうまくいき過ぎたか、レポートを良いように書いてもらい過ぎかですが、少なくとも楽しんで頂けたようで、良かったです。
初めてのXB9Sで、このバイクはかなりシートがコンパクトで窮屈なポジションになってしまうということで最初はどうなるかなあ（ちょっと不安）と思っていましたが、良い結果が出て本当に工場に感謝です。

お客さまより・・・・要約
XB9Sのノーマルシートではなくストリートファイター シート（画像）のカスタムの依頼です。ノーマルより2.5cm高く、ヒップポイントも2.5cm後ろということになっています。感じとしてはシート高は上がっていますが、ストッパーの位置はそんなに変わらないような気もします。このストリートファイター シートを購入したものの、しっくりこない部分があったのでそれらを修正したいと考えています。
※しっくりこない部分
シート高はノーマルの方が良かった。お股に当たる部分が丸っこい感じがしてお尻の真ん中が当たる感じ。停車時、足を下ろしたときに内股が当たって真っ直ぐ足を下ろしにくい。シートが重い。
※気に入っている部分
お尻のストッパーが低いので窮屈に感じない。ヒップポイントもちょっとだけ後ろになった感じがする。
※改善したい部分
シート高を現在の高さとノーマルシートの高さの間ぐらいまで下げる。足を下ろしたときに当たる内股の部分をカット、尚且つお尻が乗る座面は地面と並行にフラットで広くする。上から見ると富士山みたいな形の座面。ライダーとパッセンジャーの間のヒップストッパーの段差は現在の高さを維持する。このシートでタンデムはしないのでパッセンジャーの座面はデザインを優先し少しアールをつけて（ノーマルシートの感じ）尚且つ薄く前下がりにする。スポンジは薄くてもお尻が痛くならない素材を考えて下さい（座面がフラットで広ければお尻が痛くならない感じはします）。
表皮は新品なのでそのまま使えるかなと思うのですが、形状が変わってスポンジにぴったりしない場合は表皮素材選びと縫い合わせのデザインを改めて一緒に考えさせてください（せっかく作るならオリジナルにしたいですよね！）。
>座面に合わせてタンデム部分も同じだけ低くすればよいのでしょうか？かなりタンデムの角度が急角度と考えればよいのでしょうか？
前文でも書きましたが、ライダーとパッセンジャーの間のヒップストッパーの段差は現在の高さを維持し、パッセンジャーの座面はデザインを優先し少しアールをつけて（ノーマルシートの感じ）尚且つ薄く前下がりでお願いします。
>工程や作業上無理な場合が発生した場合はよく似た生地で貼り替えになります。ご理解下さい。
表皮を作り直す場合は前文のとおり、せっかくですので改めて生地の素材や縫い合わせのデザインを一緒に考えさせてください。

ストリートファイター シートの生地を利用して自分好みのシートにして欲しい！という憎い作戦です。確かにシート前方に有るビューエルの刺繍は生かしたいアイテムです。

ということで、完成したのですが・・・


お客さまより・・・・
本日取り付けたところ、写真を見ていただいたら分かると思いますが、最初の生地をギューッとひっぱて貼り付けたことでシートベース自体が反り上がってしまっているようです。参考までにノーマルの写真も添付しましたがノーマルはタンクのラインとピッタリ合っていることが分かると思います。という事で本日夕方いろいろシートに貼り付けて返送いたしました。
今後の希望といろいろ貼り付けたところの説明を書いておきます。
＜生地について＞
張り替えましょう（結局トホホ・・）。デザインは現在のイメージを残しつつ、紙テープに赤ラインの書いてあるラインを縫い合わせの目安にしてください。それぞれの生地の部分に番号を振ってあります。シートベースが柔らかいようなので、反り上がらないようシート形状に合わせた生地作りをお願いします。
生地１：刺繍の生地が利用できれば残してください。生地が小さくなってバランスが悪いようであれば生地の流用は諦めます。諦める場合は生地３と同様の生地を使用してください。
生地２：現在の生地のようなカーボン調で滑りにくい生地にしてください。良い物がなければスエード調で一番滑りにくい生地（以前のＭ２のような生地）にしてください。
生地３：現在の生地よりも黒がハッキリしたややツヤのある生地にしてください。
生地１と生地２の合わせ：現在の縫い合わせのラインを目安にしてください。合わせはダブルステッチ（でしたっけ？）はどうでしょうか？
生地２と生地３の合わせ：左右の合わせのスタートは現在のラインを目安にし、テープに赤いラインで示したようにシートストッパーの辺りまで弧を描くように後ろまで伸ばしてください。ここの縫い合わせもダブルステッチ（？）が希望です。
＜スポンジの形について＞
前の方：足を下ろしたときに内股のスポンジがまだ当たるかんじがするので、テープで指示したラインより足元の内股部分のスポンジ（紙テープをベタベタ張って指示してあるところ）はほぼなくなるぐらいまでストンとザックリ削ぎ落として下さい。
シート高：ステップを９Ｒ用の高いタイプの交換することになり現在のシート高では足全体が窮屈になってしまったので、シート高自体をもう２ｃｍほど高くして下さい（結局スポンジ盛りになってしまいました）。足つきについては「前の方」の削ぎ落としで稼ぎたいです。
シートストッパー：現在の位置より紙テープで指示した位置までグッと後ろにして下さい。段差はシート高が高くなるのでそんなに気にならなくなるのではと思っています。ワイラックス：もちろん仕込んで下さい。こんなところでしょうか？あとは何じゃこりゃと思うぐらいシートに貼り付けた紙テープをご確認ください。お手数ですがもう少しお付き合いよろしくお願いします。

ということで、工場がかなり微妙なところでがんばってくれたのですが、前の生地を使うと言う制約がかなり足を引っ張り、車体にうまく装着できないという結果に終わりました。従って、ワイラックスの効果も確認して頂けませんでした。アアーーー

気を取り直して、再チャレンジです。
というよりも、新しい仕事として再スタートです。上記の問題をクリアするよう、下図のような加工指示書で工場へシートを出荷！
後は、寝て待つだけです。

数日後・・・完成です。

お客さまより・・・
大変です！！だ・だ・大成功です！！！！！！
びっくりしました？？でも、本当に今回は特にcarlsbadに出して大正解！！見た目と跨いだだけインプレをまずはお送りしておきます。
後日、画像を添付しますが、まず外観！シートを付け替えるとXB9Sが高級なバイクに大変身！私のXB9Sへの悩みの一つに値段のわりに安っぽい・・・というのがあったのですが、絶妙にリヤ周りに厚みが出て、ベルトを外したことでスタイルも伸びやか、尚且つ生地の選択と縫い合わせの形が良かったですねー、バイク自体の質感がグンとUP！UP!しました。座り心地は最初、角を落としすぎてお尻が辛いかなと思ったのですが、お尻をグリグリしながらステップに足乗せたり足付き確認したりしているうちに、ワイラックス効果ですねーじんわりお尻がシートと一体化してきて座面がタイトなのにもかかわらず、お尻に部分的な痛みがなくシートとお尻が合体できそうな感じでした（これは分かりづらい表現かも・・）。
着座位置の感じも大変goodです。シートストッパーの位置が予定よりもやや前よりになったため、座る前は形状的に窮屈かなとも思ったのですが、これもワイラックス効果でしょうか、座っているうちにシートストッパーが沈み込みながらパシッとお尻と合体（本当にそんな感じです）しベストポジション！！という感じです。ステップとの関係もシート高が上がったことで膝に余裕ができペダル操作にも窮屈さがなくなるのではと期待しています。足付きはカスタム前のストリートファイターシートでは足を下ろすと内股がポコっと当たり足をガニマタにしないと地面に下ろせない感じがしていました。カスタム後は両足を付くとやや踵が浮くようにはなりましたが、しっかり角を落としてもらっているのでほんの少しお尻をずらすとベッタリ片足を付くことができ、シート高がかなり上がっているのにノーマルシートと比較しても足付きの不安は皆無という感じです。という訳で「跨いだだけでこんなに書くなー」と言われそうですが、すっごく、とっても、とっても気に入りました。私自身、結構ひねくれ者なので「ここがもうちょっとなー」などと思うことが多いタイプ（すみません）なのですが、今回は大変、大変、満足しています。とにかく、自分のXB9Sが一段と好きになりました。ありがとうございました！！ライディングインプレは後日、送信いたします。お楽しみにー！実は私が一番楽しみだったりして・・・！

数日後・・・現実は厳しい(そういつもいつもうまくいくはずが・・・)
本日、仕事に合間ができたのと、天気もほどほど良かったので、やっと乗ることができました。
そして、ワイラックスのすわり心地は大変良いです。あれだけ両サイドを削ぎ落としていてもお尻への痛み感じません。んが、しかし、やはりお尻のストッパーの位置が前過ぎますね。乗っていて前のめりになってしまいます。あと、座面も走っていると前下がりのようでどんどん前乗りになってしましました。フロントに加重がかかるのでさらに前乗り・・・という感じでした。うーむ残念・・跨いだだけではしゃいでいてはいけませんね・・・ワイラックスでもこの辺りは補ってくれないようです。ということで、大変お手数ですが、修正お願いします。ライディングシーズン到来間
近なので、トントンとご対応いただければ幸いです。以前と同様、シートに紙テープ指示してあります。ヒップポイントの位置、ストッパーの位置、それと前下がりを解消するためにお股より前の方をさらに少々あんこもり（地面に対してフラットにして下さい、シート高は高くなっても両サイドの削ぎ落としがしっかりしてあるので、ある程度高くなっても支障はなさそうです）、の３ポイントです。シートは明日、クロネコ便で発送します。よろしくお願いいたします。

ということで、再度修正をし今度こそと思い納品させて頂きました。

と、いうことで、なんとか及第点を頂けました。

やはり、一回でうまくいかないこともあります！

いろいろありましたが、この辺が、体合わせができないので限界かと思います。が、通販でもここまでは、できると前向きにお考え下さい。確かに私のところは地方の工場と契約しています関係上、実質多少送料のご負担もお願いしなければなりませんが、お忙しい方でも、自宅でセットアップができると発想の転換をして頂けば、そう悪い環境でもありません。事実工場を目の前にしてしまうと、即決しないといけない雰囲気になってしまいがちですが、私のところでは、預けたらあとは、お客さまのご都合で進行しますので、余計な気遣いは全く不要です。自分が納得できるまで走り込んで頂けますので、まさにテストライダーとシート担当のメカニックとの関係です。思う存分この企画をお楽しみ下さい。