電圧チェック

完成後の電圧確認の手順について説明します。

アース母線の導通チェック

配線が終わったらアンプを逆さにしたりして,シャーシからハンダくずなどをきれいに取り去ります。 剥いだ被膜などはその都度捨てれば問題ないのですが,こういったものがアンプの隅などにのこっているとトラブルの原因になります。とくにヒーターのねじった配線が束になっているあたりが要注意です。

何度も目視して配線に問題もなく,ゴミもないと判断したら,テスターでアース母線とシャーシの導通をチェックします。
信号系,電源系のアース母線にシャーシとの導通がなければ,それぞれねじ止めをしてください。導通があった場合は,どこかでショートしています。その場所を探してショートしないようにしてください。一番怪しいのはスピーカー端子や入力端子のとりつけですが,これはそれぞれの端子を取り付けた段階で確実に導通チェックしていれば防ぐことができます。

DC点火のヒーター電圧

DC点火のヒーター電圧を測定します。
交流点火の真空管,整流管ははずしておいてください。テスターをソケットの端子にあてておいて,電源スイッチをオンにするので,テスターのリード棒がどこかにあたってショートしないように注意してください。 クリップ付のコードがあると便利です。
ヒーターの電圧は0.数ボルトの誤差がありますがあまり神経質になる必要はありません。誤差が0.5Vくらいなら大丈夫です。
電圧が大幅に異なっている場合の調整については後の章で説明します。

AC点火のヒーター電圧

真空管を付けずに測定してください。
グリッド側にヒーターのマイナスが接続されているか確認してください。
なお,直流と同じく,トランスの性能や回路によってはヒーター電圧は1V以上も高くなることがあります。

カソード電圧

整流管もふくめすべての真空管をさしてください。
テスターの黒のリード棒をスピーカー端子に付けて,測定すると楽です。
はじめの自作アンプの場合,緊張でリード棒が震えることもあると思います。そういう場合は,クリップ付のケーブルで,ある電圧を測定するたびに,電源をオフにしながら測定してもかまいません。
なお,整流管が83のような水銀入りの場合は,B電源のスイッチをオフにしたまま,主電源のスイッチをオンにし,3分ほどしてB電源をオンにしてください。83の場合は水銀がポッと輝きます。まれに水銀が内部のヒーターに触れてスパークすることもあります。とても驚くと思いますが,アンプはこわれませんので大丈夫です。

プレート電圧

カソード電圧を測った後はプレート電圧も測定してください。カソード電圧は高電圧なので,怖いと感じたら無理して測定する必要はありません。カソード電圧が回路図どおりに出ていればプレート電圧も問題ないからです。
なお,カソード電圧,プレート電圧は記録しておきましょう。

出力電圧

スピーカー端子のプラスとマイナス間の交流電圧を測定します。パワーアンプの場合は,ボリュームを絞ってください。入力端子にショートピンを指しておくのがベストです。ない場合は,写真のようにプラスとマイナスをショートしてもOKです。 アンプの電源をオンにすると交流の電圧が表示されます。数十ミリボルトです。数ボルトが表示されると問題ありです。 数十ミリボルトの場合は,ハムバラを回すと,大きくなったり小さくなったりします。DC点火のハムバラは回してもほとんど変化はありません。各ハムバラを回して一番電圧が小さくなるポイントを探します。 次に,ジャンクのフルレンジなどをスピーカー端子へ接続します。電圧はさらに下がると思います。 スピーカーからのブーンという音を聞きながらハムバラを調整します。電圧の一番小さくなるポイントと耳で聞こえるハム音が一番小さくなるポイントはずれています。また,ハムが一番小さくなるポイントはアンプを鳴らしているうちにずれてくる場合もあります。

イコライザー素子

前にも説明しましたが,位置を変えてノイズが最小となるポジションを探します。
ハムを最小にしてから,ジャンクのスピーカーの音を聴きながら調整します。
位置を動かすにはボム手袋や,ショートしないようにビニールテープをまいたラジオペンチなどを使います。
通電しているアンプ内部の作業になり,緊張しますが,ノイズ削減の効果は絶大です。

音色の調整

コンデンサーの章に書いたことを再度引用します。
カソードのコンデンサーの値を変化させると再生音が変化します。
容量を増やすと,再生音の低域が増えます。
容量を減らすと,再生音の低域がへり,高域が出てくるようになります。
ただし,変化させる容量は,22μF,33μF,47μF,100μFのなどです。最初は回路図指定の物を使用して,聞きながら変化させてください。
なお,5691のカソードコンデンサーは回路図によっては220μFのものもありますが,100μFで固定してください。


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