君もアルプスを目指せ!!(いや、山登りじゃなくて)
ALPS MDプリンタ(アルプスマイクロドライプリンタ)でデカールを作る。のページ。
●はじめに
デカールを作ると言っても、紙に印刷していたものをクリアデカール用紙に印刷して切り抜いて模型その他に貼る、と言うもので深く考える必要はありません。簡単なものから説明していきます。
ここで書いていることは、私が今まで何枚も失敗しつつ作ってみた中で、ある程度私個人としての作り方が確立できたかなと言う程度の物ですので、手間のかかるやり方をしていたり、間違いもあるかもしれません。この作り方が正しい、と言うわけではありませんのでその辺お間違い無きよう。いいアイデアあったら教えて下さいね。
●その他ご注意
・アプリケーションの使い方、用語などは詳しくは解説しません。
・私はMacOSしか使ったことがないので、Windows系での呼称等はわかりませんのでご了承下さい。
・プリンタドライバはMicroDry J1-6.2(Mac)を使用しています。
・プリンタの操作についてはプリンタのマニュアルを参照して下さい。
・デカール作成に当たってパソコンやプリンターに不具合が出ても当方は責任を負いません。
●用意するもの
アルプスマイクロドライプリンタ。MD-1000以降の特色ホワイトインクカセットが使用できる機種*1をお勧めします。
ここではMD-1000D(DはMac用)を使っています。最新機種はMD-5000で、その他の機種によっても多少使い方は違ってくると思われます。
クリアデカール。ウェーブ B5サイズ3枚入り 600円
モデラーズ
*図(プリンタ筐体の写真、クリアデカールの写真)
*1使用できない機種でむりやり使う技もあるようですがここでは扱いません。
●アプリケーション
ここでは主にアドビイラストレーターに代表されるドロー系のアプリケーションで版下を作ります。貼り込む模型に合わせて大きさを微調整する必要があるため、版下データの後加工が容易でデータの崩れ、容量の少ないドロー系の方が都合がいいのです。
フォトショップなどで使われるビットマップ画像などでもデカール製作は可能ですが高解像度で作らないとキレイに印刷出来ません(低解像度ではドットが目立ちます)。またその高解像度画像を扱うためのマシンパワーなども必要になることでしょう。この辺は私は詳しくないのでプリンタの解像度との兼ね合いや画像処理などはその手の本やWEBページなどで各自お勉強して下さい。
*図(ビットマップで作ったデカール例)
●インクカセットの特性
インクカセットのインクはエナメルうすめ液で溶けます。溶けるというよりはキレイさっぱり拭き取れるほどですので、市販のプラモデルについているデカールのように貼ったうえからエナメル塗料でウォッシングやスミ入れ、汚し塗装をすることは出来ません。ラッカー系うすめ液に対しては逆に大丈夫ですが自分で一度試してみることをお勧めします。また自作のキットに付けたり、人にあげたりする場合はそういった注意書きを書いておいたほうが良いでしょう。
●白下地印刷の必要性
カラーでデカールを作ってもかなり透明感があり透けますので濃い色の塗装面等に貼る事が考えられる場合は「白下地印刷」をしておく必要があります。ページ合成モードか白下地印刷を選択して印刷します。
●通常印刷と光沢仕上げ印刷の違い
通常印刷は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、のカセットを使い印刷します。プリンタ解像度は600dpiです(MD-1000の場合)。
光沢仕上げ印刷は、シアン、マゼンタ、イエロー、光沢仕上げ、のカセットを使い印刷します。プリンタ解像度は1200dpiが選択できます(MD-1000の場合)。ブラックはシアン、マゼンタ、イエローを重ねて印刷して表現します。3色でフルカラー印刷した後、光沢仕上げカセットを使って再度熱を加え光沢を出しているようです。
グラデーションなどを使った場合は光沢仕上げ印刷を使って1200dpiで印刷したほうがキレイに出ます。またデカール用紙への密着も光沢仕上げにより良くなるような気がします。
●ページ合成モード
ページ合成モードとは、一枚の紙に複数枚数のデータファイルをズレ無く重ねて印刷することです。フルカラー印刷と特色(白やメタリックカラー)を同じ紙に印刷したいときなどに使います。詳しくはプリンタのマニュアルをお読み下さい。
瞳デカールで白目部分もデカール化するときには白目の版下は画面上では黒で描き、プリンタドライバに指示することになりますのでフルカラーの版下とファイルを分けて作らなければいけません。白目版下と瞳フルカラー版下の二枚の版下を一枚のデカール用紙に印刷するためページ合成モードを使います。
■1■ フォントを利用して文字デカールを作る
ワープロソフトにて必要な文字を入力、大きさ、色などを指定。この時ビットマップフォント(ドット文字)ではなくトゥルータイプフォント等、ベクトルデータ系のフォントを指定すること。
*図1(ワープロ画面&印刷したデカール)
白文字デカールを作る
黒で文字データを作る>特色印刷を選び、特色ホワイトを選択>印刷でOK。
*図2(プリンタドライバ画面)
■2■ ロゴ、マークを作る
ドロー系アプリケーションでデータを作ります。自分でデザインしたものならそのまま作成、ビットマップデータで下絵を描いたり、紙に下絵を描いてデジタルデータに置き換え下絵として使うなどします。
既製のマークなどはビットマップ画像を下地としてトレスするのが良いでしょう。
必要な大きさに拡大縮小して印刷します。
*図3(下地を使ってトレス中画面-ネルフロゴ?)
■3■ 瞳デカールを作る。(模型のディテールに合わせたデカールもこの応用で作れると思います。)
瞳のディテール部分にマスキングテープを貼る。凹部分にもつまようじなどでキッチリ密着させまる。
輪郭やまつげ、瞳を書き込む。瞳の焦点を合わせる為に両目同時に行うのが良いでしょう。
マスキングテープを剥がし平らに貼り直す。この時に大きさ合わせの為に寸法線を書き込んでおきます。これがあると、後の大きさ合わせが非常に楽になります。
*図4(原型にマスキングテープを貼り込んで書いてる図)
*図5(書いたものを紙に貼って寸法線を引いた図)
スキャナーで、取り込みます。解像度300dpi位で大きく取り込むとトレスしやすいです。スキャンするのが一番ですが、デジカメで撮影してもOKでしょう。その際は歪まないよう注意すること。
*図6(取り込んだ画像)
取り込んだ画像を整理して下絵にしてドローでなぞります。下絵はそのままの色ではなく白黒2値にすると見やすいと思いますがこの辺は好みで。ベジェ曲線の扱いは最初は戸惑うかもしれませんが何度もやってれば慣れます。円から歪めてみたりするのが楽かもしれません。
*図7(下絵画像&ドローでなぞり中画面)
寸法線をガイドに全体を縮小して大きさを模型原寸大にし、印刷して貼り込んでみます。一回で大きさがピッタリ決まることはめったにないので貼ったものを見ながら目分量で形調整。目線などもチェックします。これを何度か繰り返します。
*図8(縮小したドロー版下画面)
*図9(貼ってみた画像)
大きさが決まったら、必要数無駄なく並べます。
*図10(色付けして並べた画面)
*白目部分を付けることも可能ですが、あまりインクを重ねるとひっかき傷が出来たり、印刷ミスが出やすいので私はあまり使いません。この場合は模型の瞳部分に先に白を塗ってもらうことになります。
白目もデカールにする場合は、手順としては白目部分&白下地用の版下を別に作り、先に白で印刷してページ合成します。版下をズレなく作るにはフルカラー瞳用版下を複製して加工するのが良いでしょう。
フルカラー瞳用版下に白目部分&白下地用の版下用データを作る>複製>白目部分&白下地用の版下からフルカラー瞳用版下のデータを消す>フルカラー瞳用版下から白目部分&白下地用のデータを消す>二枚の版下が完成>ページ合成モードで印刷。
*図11(カラー用版下の画面&白用版下の画面)
版下が用意できたら、光沢仕上げ印刷します。
*図12(完成)
参考ファイル
*図13(アスカ&レイのデカール&カラー版下&黒版下&白版下)
瞳およびネルフ赤ロゴ部分のフルカラー用版下と白インク用の版下と黒インク用の版下の3枚をページ合成しています。