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演出:石田昌也 宙組/宝塚大劇場/03.2 出演:和央ようか・花總まり・伊織直加・水夏希 ほか ジャンヌ・ダルクのイメージや、原作の重厚さなどの既成概念を打ち破る、ライトな石田作品 |
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石田作品といえど、原作のあるフランス100年戦争もの、ジャンヌ・ダルクもの、このあたりで宝塚的王道作品を出すんじゃないか……そんなぬるい期待を打ちやぶってくれました。石田ワールド炸裂。 ライトさと、少々のお下劣さ(これが特色でもあるのだけれど)がとにかく目につきやすい作品ではありますが、原作の根底にある心温まるものというか、殺伐とした傭兵ピエールがときおり触れる人の暖かさ、そんなものはしっかり描き出せていたように思えます。 「なんだこれ!」と思うところは多いとは思いますが、私は好きです。 また、舞台背景になった国や時代の「空気」を描くのが苦手な石田先生ですが、こんかいは衣装やセットが大掛かりということもあってか、100年戦争時代のフランスの香りがしていたように思えます。
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例えばピエールを演じる和央ようかは盗賊まがいの傭兵役。ジャンヌとの出会ったのも追いはぎだ。服だけでなく中身も頂こうとするが、救国の乙女の迫力に飲まれ「フランスが勝利するまで」のお預けにもちこまれる。そもそもこういう会話自体宝塚らしからぬものなのだが、さらにピエールはジャンヌに再会するたびに念を押す。「忘れてねぇだろうな?あの時の約束」。ご丁寧にニヤリの笑顔まで付けて。このニヤリこそが石田テイスト。ここで和央の凛々しい男役を期待したファンは呆然とする。 ジャンヌを演じる花總まりに至ってはもっと凄い。彼女は宝塚きっての正統派お姫様娘役だ。その彼女がジャンヌ・ダルクに扮すると聞けば、神々しい聖女ぶりを期待するところが、服はボロボロ髪はボサボサで登場。浮き世離れしすぎて周囲とテンポがズレており、その滑稽さは劇中の台詞を借りるなら「ただのボケ女」に見えるほどだ。もっともそこがチャーミングで愛すべき存在なのであるが、ファンの期待を裏切ったことは間違いない。事実、幕が降り場内のライトが照らされた時に目にしたのは、何人もの観客のポカンとした顔であった。 石田作品は原作ファン・宝塚ファンに驚きを与える一方で、宝塚にを知らない観客が予備知識なしに楽むことができる面白さを持っている。ファンの驚く顔も石田氏には勲章といえる。併演は「満天星大夜總会」。三月三一日まで。東京公演は五月九日から。(ライター・山本ちず) |
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