【風と共に去りぬ】
2001年6月9日〜7月1日/星組・全国ツアー公演/神奈川県立県民ホール

 蒸し暑い中、横浜にはせ参じ「風」を鑑賞。仕事でいったのだけれど、仕事優先というより、ただただ星の「風共」を観たいがために、共同通信さんに、
 「風共の原稿書いてみたい、書いてみたい!」
 とねだりまくった結果とも。ただ、ごり押しだったのでお席は1階最後列のミキサーさんの隣。でもいいの!観られるのと観られないのでは、雲泥の差なのだから!

【共同通信社 配信原稿】

 宝塚歌劇には“代表作”とされる作品がいくつかある。代名詞は言うまでもなく「ベルサイユのばら」だが、その「ベルばら」に続けと一九七七(昭和五十二)年に歌劇団が世に問うた大作が「風と共に去りぬ」だ。星組全国ツアーの再演を、神奈川県民ホールで見る機会を得た。
 今日では当たり前となった男役スターの“ひげ”は、実はこの作品が最初。賛否両論飛び交う中で、榛名由梨が意を決して付けたひげは、男役の美を損なわぬどころか、いや増す効果があると証明したのだった。
 そのレット・バトラーに扮(ふん)する稔幸は、四月にバトラーと比肩する大役「ベルばら」のオスカルを経験。今回のツアーを挟み、十一月からの宝塚大劇場で再びオスカルをやって退団する。
 性別も性格も正反対の二役を交互に演じる稔は、両役の根底に共通する“男役の美学”を貫くことで、秒読みに入った男役生活そのものを昇華させているように思えた。
 宝塚版「風と共に去りぬ」最大の特徴は、スカーレット・オハラを二役に分離したことである。現実のスカーレットと、内面を告白する“分身”としてのスカーレット。後者は他人の目には映らないという設定だ。娘役と男役がこの二役を分けあう場合が多く、過去には両者の身長差が10cmもあったという笑話も。
 今回の星奈優里―朝澄けいのスカーレットは身長差も少なく、キャリアが近いことも幸いし、二人一役の違和感はない。特に星奈は「ベルばら」の王妃アントワネットを演じた経験を生かし、さすがのヒロインぶりを発揮。ダンスの上手だけあり、ちょっとした動作の美しさにも目を引き付けられた。
 宝塚の地方公演は「大劇場にかかれば大入り間違いなし」という大作が巡ることが多い。しかも今回は退団直前、円熟の域に達したトップコンビが演じるバトラーとスカーレット。この貴重な名残の熱演を共有できるのは、普段、気軽に劇場に足を運べぬ地方ファンの特権というものであろうか。(ライター・山本ちず)
(了)

【雑感】
 宝塚は地方公演に「風共」もってくるのが、ホントに好きですねぇ。いったい何回目よ、これ。そのたびに本拠地ファン、東京ファンは、国内行脚の旅に出ることになるのですが……。子供の頃、地方ファンをやっていた時は、
 「あんたら、劇場でいつでも観られるやん!攻めてくんな!」
 って気持ちでいっぱいだったっけ。近くで公演してくれたことないけど。その辺を思い出して、掲載原稿は結びの文を「地方ファンの特権というものであろうか」って疑問文にしてたりして。

  • レット・バトラー(稔幸)……
     最初に聞いたとき、「オスカルもやんのに、バトラーも?!」と思ったものだが、前例はあるのよね。同様に両方やったということで、平成の榛名由梨状態。
     しかし、ノルさんはオスカル役者というよりも、バトラー役者だな。断然バトラーの方がくっきり描き出せている。

  • スカーレット・オハラ(星奈優里)……
     このひとの、これが観たかったが為に、横浜までおっかけていったようなもの。こう思った、こう期待した通りの、美しくて勝ち気で、妖艶なスカーレットを魅せてくれた!

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