【2002年7月のバックナンバー】
■02.7.30:宙組新人公演
 いってまいりました、宙組新公。今回の新公演出は、本公演と同じくキムシン先生が担当してたのね。
 さてさて。今回新公初主演の遼河はるひ。いきなりで申し訳ないんですが、この方アゴが向かって左に傾き気味なんですね。今回中国ものでかぶり物も多いし、中詰めぐらいの赤い衣装の「幻想」の場面は仮面を被るので、顔の「ズレ」が余計目立つんですよ。可哀想ですが。まず気になった点。お芝居の方はといいますと、出だしは緊張からから声がうわずる感じでしたが、話が進むにつれてどんどん安定してきて、全般によく通る歌声を披露。ただ本役さんに比べると、(若さのせいか)声質や歌い方が、ほがらかで明朗で明るいんですね。希望に燃え燃えの。まさに若く明るい歌声に〜っつー感じ。そこが、放浪の王子っていうキャラクターにしては朗らかすぎるきらいも。この人には、もっとポップでおしゃれな(死語)現代物とかの方が合うのかなーと、思ってみてたら、ラスト近くの「宮殿」のシーンなんかで、トゥーランドットに問いかける
 「熱いか?」
 という台詞。その突き放した話し方が、なかなかクールで魅力的。最初から取っつきにくいクールなカラフ、っていう役作りでも面白かったかも。
 次にトゥーランドットの彩乃かなみ。丸くてぽちゃっとしてて(宝塚では、という意味で)、愛らしくて、ひたすら一生懸命なタマル的イメージが強くて、百八十度反対の、なおかつ本役さんの当たり役をどこまで消化できるか心配でした。さっそく配役表に目を通すと、ヒロイン経験の多さに裏打ちされているのか、なかなかしっかりした、自信の見え隠れするコメントが掲載されてます。期待半分、心配半分で観てみると……。
 開幕20分後、ピンクの超ロング衣装で堂々と登場した姿を見たとき、正直「やられた!」と思いましたよ。カツラ&白塗り&キツキツメイクのお陰で予想以上の大化けぶり。一種の悪役なので演じやすさも幸いしたのかも。かなりテンション高く、ノッてました。
 そうそう、肉感的な顔つきにつり上がった眉尻。このメイクだれかを思い出すと思ったら、「エリザベート」でトートをやったずんこさんの顔でした。あんな感じ?!
 ただ、おしむらくは気品に欠ける点。近づきがたいほどの気高さや恐ろしさが無いんです。
 あのものすごい衣装の数々も、登場の長い衣装、観音様みたいなピンクの衣装、オーラスの白の衣装と、頑張ってそこそこ合わせていたのですが、「幻想」の赤いクジャクの衣装。これはいけません。ハイウエスト切り替えがたたって、マタニティのようにも……(失礼)。謎かけの場面のアラビア風のピンクの衣装も、本役の時には、
「あの、トゥーランドットがあんな格好で踊ってるよ!!妖しい〜」
 だったんですが、彼女の場合、
 「こっちの方が動きやすそう……」
 とか思っちゃう。失礼ながら。
 これらの点は本役・花總まりと彼女との先天的なキャラクターの差なので、いたしかたないかと。
 しかし、歌の上手いことったら!歌唱力は間違いなく本役以上。普段は「姫」度が低いのですが、唄うと存在感を発揮。地声に近いトコロから、キーンと響く超高音まで自由自在。聞いていて劇団四季の歌唱団員かと思うほどでした。
 バラクの悠未ひろ。ワイルドだなぁー。盗賊そのもの。いかにも「脇役顔」につくってしまっているので、もう少し華やかさが欲しいところ。水槽格闘のシーンでは、敵を倒した後しきりに左脇腹を押さえながら
 「生きろよー!」
 をやったので(かろうじてバンザイポーズは出来た)、どこか負傷したのかしらんと心配です。
 新進娘役としてはかなり美味しいタマル役は音乃いづみ。やや面長でおでこがキュッと出てて、なおかつ鼻筋が通っているので、とても聡明な雰囲気。しかも中国もののせいか、眉毛をスッとつり上げ気味に描いてあることと&繊細な声質のせいで、妙に品のある奴隷でした。アデルマ役の美羽あさひと役を交換してもよかったのでは?
 あとは、今回ティムール王で老け役だった速水リキ。新人の老け役は限度があるので少々損な役所。やはり声の若さ軽さはあったものの、タマルが死ぬ場面での
 「かわいいタマルや」
 の、絞り出すような一言、これは良かったです。新人離れしていて、かなりググッときました。

 ざっと思いつくままに書きましたが、あの大人数宝塚オペラを新人だけでやるってのは、大変だったでしょうね。スカスカに見えないよう、北京市民の群舞も、影コーラスも頑張っていました。


■02.7.29:「あかねさす紫の花」というタイトル
 いよいよ近づいてきました、春野寿美礼トップお披露目公演「あかねさす紫の花」in 博多座。私の観劇予定はお盆ごろなのですが、まだ新幹線チケットとってなかったりして少々焦り気味。早くとらねば……。
 例によって仕事で観にいかせていただくので、事前に予習をしておこうと、そろそろ「あかねさす−」の資料を引っ張り出してきました。もっとも、平成の再演雪組版が主ですが。
 それで改めて知ったのが、「あかねさす−」の対訳英語タイトルは
 「A Secret Romance Expressed Through Verse」
 っていうんですね(パンフレットによる)。直訳すると
 「詩歌を通じて表現された秘密の恋」
 うーん、それはそうなんだけど……。
 文字面の意味+万葉集の世界観という一種独特のタイトルだからなぁ、これは。直訳してもわけわかんないだろうから、説明的になるのもいたしかたなし。ここ数年の間では一番難しかった英訳ではなかろうかと(他のは直訳だったり、英語表記そのままだったり)。英訳者の苦渋がにじみ出ています。

 ところで、時々見逃した過去の作品ビデオなんかを探すために、オークションサイトも覗いてみたりしているのですが、その中で先日こんな出品物を発見。


 おそらく、パッケージの


 崩し文字の「花」を「光」と読んだ上のご認識ではないかと……。

 オークションでは、宝塚に詳しくない人でも出品しますので、たまにこうした珍イトルが出現することがままあります。
 思わず見落としそうだった、迷タイトル「琥珀色の雨にむれて」(←いやだ、こんなの……)。
 こんなのあったっけ?!と思ったら月組公演「チェーザレ・ボルジア」のことだった、「野望の軌跡 真琴つばさ パンフレット」(マミさん主演違うし……)などなど。
 突っ込みたい気持ちを押さえつつも、楽しませて頂いております。


■02.7.27:東京宝塚劇場公演中止……舞台事故に思う
 もうご存じの方も多いとは思いますが、東宝劇場で音響機器の故障が見つかり、観客を3時間待たせたものの、結局公演が中止になるという騒動がありました。
 公演中止と聞いたときは、舞台で事故でも起こったか、誰かが怪我でもしたのかと、正直ヒヤッとしました。人身事故でなくて本当に良かったです。

 舞台上での事故といえば、旧東宝劇場で「パパラギ」を観劇したとき、つり下げのセットが床面についても下がり続け、バキバキッ!!と音を立てて砕けたところに居合わせたことがありました。
 幸いこのときも怪我人は出ませんでしたが、生徒が被害にあった事故には、97年の花組公演「サザンクロス・レビュー」が記憶に新しいと思います。下がったセリが戻らず、花道を駆けてきたガイチ(初風緑)さんがよけきれず落下。救急車が発動し、大劇場は一時騒然となりました(友の会貸切公演だった)。
 幸いガイチさんの怪我は、全治二週間の肋骨骨折で済み、続くバウの舞台にも立てましたが、問題は身体の怪我より心の怪我だといえます。事故の後も舞台に立たねばならない生徒さんにとって舞台での事故は、心にトラウマを残さないかと心配です。

 また、歴史の中で風化してしまいましたが、宝塚の舞台事故を語る上で、香月弘美さんの事故も忘れてはいけません。香月さんは旧大劇場で昭和33年に上演された花組公演「春の踊り・花の中の子供たち」に出演中、衣装を装置に巻き込まれ、セリに身体を切断されて、お亡くなりになりました。
 古いことなので、私も情報でしか知らないのですが、この香月さんという方は、内重のぼるさん、扇千景大臣、滝川末子さん(二代目。現月組生徒瀧川末子さんのお母様)らと同期にあたる方で当時は月組に所属。この日は風邪で休演した同期生の代役として花組から舞台に立ち、セリ下がりの途中で被害にあったということです(これもやりきれない……)。
 旧大劇場は早がわり室から舞台に向かうまでの動線が、セリのそばに集中していたため、奈落にはいつも人がごったがえしていたと聞いていますが、現行の新大劇場の奈落は、せり上がる生徒と関係者以外は近づかず、人気が少くなっているそうです。この事故のこともいくらか影響しているのかもしれません。

 歌劇団は、不慮の死という点で共通している北原遥子さん(昭和60年日航機墜落事故で死亡)には哀悼の意を表し、なにかと話題にすることも多かったように思います。しかし、香月さんの事件は、その古さもありますが、夢を生み出す劇場に相応しくないイメージを背負っているせいか、今現在はほとんど表に出てきません。
 宝塚歌劇もショービジネス、イメージビジネスである以上、歌劇団の方針は間違っているとは言えません。しかし二度とこのような事故が繰り返されない為にも、劇団内部では忘れずに語り継がれていると信じたいです。
 現在、東京の東岳寺というお寺に、香月さんに捧げる柳原白蓮の歌碑が、ひっそりと建っています。現在も一般の人間が彼女と、その痛ましい事故をしのぶことができる、数少ない縁(よすが)です。


■02.7.26:スカイステージ「'98TCAスペシャル タカラジェンヌ!」

▲久しぶりに男役描いた。
 晩御飯つくりながらつけっぱなしだった'98TCAスペシャル「タカラジェンヌ!」。なつかしー。これは私が運良く生で見ることができた、数少ないTCAのうちのひとつだったりします。
 この回から5組体制がスタートしたことにちなんで、組別のカラーを目立たせた公演だったんでしたっけ。でもそんな細かい設定(失礼)は吹き飛んでしまいますよ、ミキ(真矢みき)さんのこのスターっぷりの前には。
 この公演が彼女の最後のTCA、加えてトップの中でもいちばんの「長老」ということもあって、各組トップ娘役が絡む見せ場も登場。昔からTCAは長老トップにオール娘役をつけるというサービス場面をつくりますね。ま、そんなことはともかく。ミキさんですよ。ミキさん。一幕の終場「情熱の花」のトップ娘役総揚げ場面では、5人の娘役を次々相手にして、まったく違和感もなく、かつ印象が薄れないってのはたいしたものです。
 同様にこれが最後のTCAになるマリコ(麻路さき)さんも、二幕でオールトップ娘役と共演していますが、こちらはあくまでも「デュエット」といった雰囲気。これがミキさんになると、とたんに「はべらす」という表現がぴったりくるのだから、あら不思議。
 おまけに、一幕ラストは他の4トップが出てきて総踊りになりますが、これも「5組トップ勢揃い!」というよりも「真矢みきと楽しい仲間たち」状態。まさにトップ オブ トップスですよ。主役級の男役・娘役が束で掛かってきても、全部自分の世界に引き寄せ、場面を掌握してしまうスターらしいスターでした。
 トド(轟悠)さんのように、専科移動して宝塚を支えてほしかったという気も、なきにしもあらずです。

 ……けど、今月のTCA放送のほとんどに出ているトップ・花總まりの存在にも、改めて驚き。


■02.7.25:スカイステージ「望郷は海を越えて」

▲リュドミラ役のあきのちゃん。オトキチ(大峯麻友)ともどもすごい親子だ。
 実はひっそりと→のラインナップに、イラストコーナーがオープンしています。大昔、別名義でやってたサイトの企画の流用だったりしますが、掲載内容は描き下ろしっす。リクエスト等も受け付けておりますので、よろしければどうぞ。

 さて、今日は何回目になるでしょうか、タカ(和央ようか)ちゃんお披露目&皆殺し公演「望郷は海を越えて」が放送されていました。
 ドラマとしては骨太で力強く、見所の多い公演なのですが、いかんせんお披露目演目なのか、これはという悲惨きわまりない内容がケチをつけます。さすが皆殺しの谷先生。
 「お披露目だから……」「サヨナラだから……」という、宝塚のお家芸的楽屋落ち的演出は、劇団のプロ化を目指す動きからか、このところめっきり減りましたが、お披露目を目玉に客を呼ぶのであれば、もうすこし、こう……やっぱりねぇ。
 さて、生徒に目をむけると、じゅり(樹里咲穂)ちゃんといい、わたる(湖月わたる)ちゃんといい、実に適材適所でいい演技をしています。芝居の体当たりぶりに迷いがないというか。そういえば、このころはまだ新専科制度導入前で宙組の組子だったんですよね。人材整理の点では新専科制度の果たした意味は大きいのでしょうけれど、芝居の完成度やファンの見応えなどを考えると、組制度の価値の大きさも痛感してしまいます。
 季節巡って、いま大劇場の「鳳凰伝」では、スター専科メンバーがまるで出ない状態で、今また最高のキャスティング、適材適所ぶりをみせているだけに、なおさらです。
 そうそう、娘役ではあきの(稜あきの)ちゃんが、少しの出番をきちっと押さえて好演しています。混血娘ということで、イヤミにならない程度になまった日本語とか、焦ったり困ったりしたときの手の動きとか、見せ方のほどの良さが印象的です。しかし演技の幅の広い人でした。やばい役から、こういうけなげな役まで、サヨナラになった伯爵夫人は、「社交界に出没してうまく立ち回る、怪しげな叶姉妹のような存在」(演出家弁)だそうですが、もうお手の物。どの演技も、今も目にうかびます。
 聞くところによると、彼女は密かに体力に恵まれた方で、声のでかさ、力の強さ等々ファンもびっくりだったとか。どんなに酷使してもめったにのどもつぶしませんでしたし、そういう点でも彼女は天性の舞台女優だったのかもしれません。もう芸能活動はされないそうですが、残念と思うと同時に、潔い決断にあっぱれという気持ちもあります。


■02.7.24:スカイステージ「紫禁城の落日」

▲婉容役のシギ(毬藻えり)さん。とにかく綺麗な方でした…‥。
 スカイステージ放送の「紫禁城の落日」。ソースがNHKの流用というのはいただけないが(阪急のカメラアングルの方がファンの目線に近いので)、ノーカットでまぁ綺麗なので良しとしましょう。
 最近、作家の横溝正史を指して「昭和をゴシック・ホラーにした男」という表現をした推理小説家がいましたが、その表現を借りるなら、植田紳爾は「昭和をグランドロマンにした男」とでもなりましょうか。現代史を扱いながら非常に大時代的でクラシカルな作品です。
 ベルリンの壁崩壊を描いた「国境のない地図」では平成(この場合20世紀をといった方がいいかもしれない)のグランドロマン化にチャレンジしましたが、芝居のスケールは「紫禁城−」には今一歩およばずといったところ(これはこれで、ちゃんと「グランドロマン化」していたのですが)。旧大劇場の電飾にムラのある大階段も、昭和のノスタルジックな雰囲気に誘ってくれました。
 けど、ラストエンペラーの話って、純粋にストーリーだけを追うと決して締まりのある話ではないんですよね。それを見せ方で盛り上げて盛り上げて、グランドフィナーレまでもっていく、この手腕にはしびれます。さすがの植田歌舞伎です。
 そして本編以上にウマいといわれているのが(ひでぇ)、1本立てにつくショー。植田先生の大階段前フィナーレときたら、その大胆さとエンタテイメント性の高さは他の演出家の追随を許しません。ベルばらはフランスだから国歌とシャンソンだ!とか、風共はアメリカだからジャズだ!とか、「紫禁城の落日」に至っては同時代つながりで、オールディーズとジャズもってきたんだから驚いた。でまた、ベタなんだけどこれがイイのよ。繊細な小池修一郎先生には真似できないウルトラC技(でも一本立てのショーになると……)。他の先生でも、せいぜい龍が踊ったりする程度でしょう。
 もっとも、植田先生が演出家としてのクオリティを保っていたのはこの作品までだと思っております。この後理事に就任しますが、やはり兼任は難しかったのでしょう、質の低下は明らかです。「虹のナターシャ」など、今となっては何だったのか……。未だにユキ(高嶺ふぶき)ファンの間では、彼女の数少ない主演作のひとつにされて恨みに思ってる人も少なくないとか。
 ちなみにハナ(花總まり)ファンの間では彼女のサヨナラまでに「虹のナターシャ」後編が回ってくるのが恐怖であるとかないとか……。


■02.7.21:白羽ゆり

▲ごめん、なるちゃん切っちゃって。
 今週のタカラヅカ・ニュースは、冒頭成瀬こうきのディナーショーがばんばん流れてます。事実上のサヨナラショーなんだよなぁ、これ……。新公時代は、目のしたの影のせいで「なんて老けた新人(失礼)」とかって思ったこともありましたが、ここ最近はスッキリした印象になってきて、華やかさも身に付いてきて、これからと思っていた矢先の退団発表。今の先の見えない専科制度の下ではやむなしとも思えますが。
 さて、このディナーショーには雪組娘役が四人、脇を固めております。澪うらら、麻樹ゆめみ、汐夏ゆりさ、白羽ゆりの面々。中でも急上昇中の白羽ゆりが、いい雰囲気出しているのをチェック。華もある上、大人びた声と雰囲気が「バロンの末裔」の歌とマッチング。元来、きりりとした顔立ちの人なので、役の幅を狭めそうな子だなぁと思っていたのですが、こうしてショーをみると実にムードがあることを発見。  かつての新公「愛 燃える」では、踊り子暗殺者の役をもらってましたが、その見せ場暗殺に失敗するシーンの演技が、やたらくっきり印象に残ってます。暗殺未遂で兵隊に引っ立てられるときの台詞、
 「ちくしょ〜!」
 が、本役・紺野まひると若干ニュアンスが違うんですよね。まひるちゃんは、この後もスキをついて何度でも狙ってやるという、ゲリラ的しぶとさを秘めた「ちくしょ〜!」でしたが、となみちゃんの「ちくしょ〜!!」は、一回こっきりのチャンスにかけて失敗したら死あるのみ、というぎりぎりの緊張感の上にあった、魂の叫びでした。
 もっとも、通常公演は毎日続くけど、新公はこれ一回こっきりという、バックボーンにも影響されていたのかもしれませんが。
 どっちにしても、彼女の「ちくしょ〜!!」の鬼気迫り方は、なかなかのものだったと。今後おっかけたい娘役のひとりです。


■02.7.21:「イッツ・ア・ラブストーリー」

▲秋のシーンの森奈みはる
 BSハイビジョンで放送してた花組公演「ベイ・シティ・ブルース」と「イッツ・ア・ラブストーリー」を録画。「ベイ-」の方はその昔「花の指定席」でやってたのを録ってたんですが、これがカットしまくりのブツブツ。華陽子退団でポジションが上がった詩乃優花のソロ歌場面など、娘役ファン必見の場面も丸カットでかなり不満だったので、いまさらの放送でしたがばっちり録画。しかしハイビジョンはきれいやねー。はぁぁ。
 さて「イッツ・ア・ラブストーリー」。実はこっちが本命だったりして。こっちはノーカットのビデオを持ってたんですが、引っ越しやナニやの間に、実家にあるのかうちにあるのか、行方不明になってしまい、悔しい思いをしてた一本です。テーマソングが強烈に好きなんです。ええ、ものすごく。ヅカベストテーマを決めたら5本に入れるでしょう。
 テーマソングだけじゃなく、名シーンが多いのもこのショーの特徴。安寿ミラ&森奈みはるの秋のデュエットは、踊れる二人の柔軟性をとくと見せてくれました。みはるちゃんが足を180度開脚したとき、ピンクの衣装の裾に花がばーっと広がって見えるのがもう綺麗で綺麗で。
 衣装といえば、色々物議をかもした作品でもありましたね。美月亜優の雪の貴婦人は、輪っかのドレスである上に数mの裾付き。基本的に出るだけというまさに衣装優先(出るだけってのも難しいだけど)。しかもこれはまだ序章にすぎず、パレードに至っては、ぐんちゃん(月影瞳)が、大階段サイズに広がったデカスカートのドレスを着用しエトワールをつとめました。衣装ほど歌にインパクトが無かったのは残念でしたが、裾持ちに男役6人を従えるその姿は、宝塚エトワール史(あるのか?)に堂々名を残しました。最近ではぐんちゃんのサヨナラ記念バウ公演「OVER THE MOON」に再登場しています。
 現在公演中の「鳳凰伝」でハナ(花總まり)ちゃんの衣装の裾が10mで裾持ち6人(娘役)だと話題になってますが、その元祖的ショーであったのだなぁ。


■02.7.20:ページデザイン&タイトル変更
 立ち上げたばかりのコーナーなんですが、もうデザインを一新しました。書いてる文章にあわせてコミカルでポップな雰囲気にしあげてたんですが、やっぱヅカですよ。エレガンスーでソフィスティケイトされたとこもほしいかと。やっぱヅカに紫はよく似合いますですよ。

 さて、スカイステージ、「鳳凰伝」関係の番組もバンバン流れてますね。ステージインフォとか、座談会とか。原稿書くのにずいぶん助かりましたよ。座談会なんかのスターや演出家の発言ももちろんなんですが、一日何度も流れるダイジェスト映像。これがなかなかいい仕事してくれまして、これのお陰で一回しか観てない舞台でも、印象が薄れず、観劇直後のフレッシュな記憶を保つことができました。
 でも自分がまだ舞台を観てなかったら、ダイジェストをみるたびに、
 「あー!早く観て〜!」
 って身もだえるんでしょうね。特に遠方の方とか。私も、過去に経験あるから分かります。私もあの拍手の中にはいりてー!一緒に手拍子してー!って身もだえながら「花の指定席」観てたクチですから。はい。


■02.7.19:宙組「鳳凰伝」劇評執筆中……
 火曜日に観た「鳳凰伝」の新聞原稿を書く。
 んあ〜〜〜〜!書きたいことがいっぱいあって、おさまりきらん!文字数限られてるのに、アレもコレもと紹介したいポイント続出。
 それをうまく調整して、言いたいことを伝えるのが仕事なのですが……。脇の脇、舞台の隅々まで、まさに宙組を生かし切ったイイ作品だっただけに、気づいた点は削りたくないんですよね。
 しかし書く方としては、こういう迷いはありがたいことでして、×××&×××とか、××の××××みたいに、悪くはないけど取り立てて誉めるトコない作品とか、誉めるところを探すのに頭かかえちゃう駄作とかに当たったときは、ほんと、別の意味で悩んでしまいます。
 それに比べれば「これを伝えねば!」と思わせてくれる点が、ひとつでも多いなんて、ありがたいし、うれしいし。
 やっぱり舞台を見続けるってことは、こういう瞬間を感じたいからなんですよね。


■02.7.18:スカイステージ「マニフィーク・タカラヅカ」

▲「黒ダイヤ」の風花舞……のつもり
 今日の環境映像は「'95TCAスペシャル マニフィーク・タカラヅカ」。ご存じのように第一部は震災で東京公演のみだった「EXOTICA!」の再編集版なんですけど、今みてもセクシーといおうか、なんとも豪華に色っぽい場面が多いショーであることを再確認。
 このショーのテーマであるアジアンテイストっては、当時新鮮だったけれど、本格派であるところの「アジアン・サンライズ」を最近みちゃった後なので、さすがに古く見えてしまいます(これはこれでイイ味だけどね)。
 マミ(真琴つばさ)&ユウコ(風花舞)の「黒ダイヤの男」、彩輝の妙にカワイヤラシイ華やかな娘役とか、大階段前のユリ(天海祐希)&ヨシコ(麻乃佳世)の「金の奴隷」等々、艶っぽさだけは今も健在。というか、今以上ですよ!(あと、ミニチャイナのロケットとか……)。
 なかでも「金の奴隷」は今でも「鼻血もの」として思い出す人の多いこと。本来色気の多いとは言えない、むしろさっぱりナチュラル系のユリ・ヨシコに、ここまでの色気とドラマ性・ストーリー性を持たせたのですから、ほんとうにスゴいです(むしろ、さっぱり系だからこそアノ程度の色気で済んでるのかも)。

 最近のショーは、中詰めで手拍子もらって、アップビートで踊り抜ける、トライアスロンみたいなのばっかりで(それはそれでスゴいことだし、今の方が確実にパワフルさは上なんですが)、その分色気は減ってます。
 私自身が娘役フリークなので、娘役が存在感を発揮する色っぽい演出に惹かれるのかもしれませんが、それでもあえていいたい。みなさん最近ショーみて「ドキッ」としたことありますか?!

 95年といえば、作家が世代交代していく直前の時期だったんじゃないかと。「EXOTICA!」の演出は(女役を描くのがウマい)酒井澄夫先生です。
 現在活躍中の若手層であるところの、木村信司先生がこの前々年に、中村一徳先生がこの翌年に大劇場デビューしてます。木村先生が鳳凰伝で一発ブチ上げるまで9年かかったことを思うと、男役10年、演出家も10年と言えましょうか。


■02.7.16:宙組「鳳凰伝」観劇

▲大劇場売店恒例の演目菓子。森村ポスターそのままのパッケージの「鳳凰伝桃まんじゅう」(笑)
 いってきました!いってきましたよ!「鳳凰伝」!
 いやー、すごかった、良かった。間違いなく木村先生の代表作です、あれは。いやいや、今年のベスト歌劇かも(海外物の「エリザベート」は除く)。
 昔に上演したバージョンとかは知らないのですが、それでも宝塚のトゥーランドットものの決定版だと思われ。とにかく「大作をみた〜!」という満足感を与えてくれる作品です。それだけでも料金払う価値はあると思います。最近こういう気分にさせてくれる作品てとんと無かったものねぇ。
 改めて雑感と、劇評原稿は仕上げるとして、今日は簡単な感想を。

 ワイルドな王子のタカ(和央ようか)ちゃんは、まさにはまり役ですね。女性に対する包容力と程の良い強引さ、目下の者への愛情、そして水との男の友情と、タカファンじゃないにもかかわらず、しびれさせられました。男役とはこうなのよ、こう!
 そして、今年トップ生活9年目のハナ(花總まり)ちゃん。もうすでにありとあらゆるヒロイン像をやりつくした感のある彼女ですが、ここにきてまたもや新境地です。前評判どおり、これは今、彼女にしか出来ない役です。というか、彼女がやってしまったがために、もう誰も出来ないといった方がいいかも。やはり彼女の表現力・演技力・気品は並み大抵じゃありませんでした。ただし、ショーの方は役柄ではなく、彼女個人の持ち味に寄る所が大きいので、正直既視感の方が多かったです。にしても、彼女のカツラのクリエイティビリティには感心。
 二番手どころの水夏希。上手いです。そして大立ち回りで目をひきます。ただ、前評判をとっている“水の水落ち”ですが、結構コンパクト(に見える)水槽でした。スーパー歌舞伎の滝つぼとかを想像すると、ひどく肩透かしになるので御注意を。基本的にセリのサイズなので。水落ちより銀橋での立ち回りの方が「おおっ!」と来ました(バウのパイなげに続き、よごれものに手をだしますね歌劇団)。あ、水槽がちゃちいと言ってるだけで、おミズさんの演技はパーフェクトですよ!最後の「生きろー!!」の大絶叫は、同じフレーズをキャッチコピーにした某宮崎アニメ以上の共感を誘います。
 そして美声の彩乃かなみ。いつでもトップ狙える力量です。演出の力もあるのですが、カラフの命を守る為自ら死を選ぶシーンに非常に説得力があります。ヒロインが主役を守る為身体をはるなんてことは、宝塚では見飽きた展開です。でも今回は、同様にカラフに想いをよせるアデルマ(ふづき美世)との対比・対立の意味も持たせたことで、場面がぐっとが締まりました。この調子で新人公演がんばってくれ!(大変だろうけど)

 あとは……全体的に適材適所なので基本的に悪い所は無いですね。これは凄いことかも(あの貴柳みどりですら、びっくりの起用方だ!)。北京市民の郡部の使い方など、かつて「扉のこちら」をつくった木村先生の手腕が生きている上、さらにパワーと工夫も加わってえらいことになってます。思わず宝塚歌劇を観ていることを忘れそうになりました。

 あ、ショーは、「鳳凰伝」のとばっちり(?)で、ただでさえ短い上にアップテンポで踊り抜けるような構成なので、「アッ!」という間に終ります。で、終っても「鳳凰伝」の興奮が続いていて、ぽや〜んとする、そういう劇後になるかと思われます。無理して二本立てにしなくても、大作1本でいける作品なのに。観る方の都合だけでなく、出演者もこれはきつかろうと思われます。

 大劇場では、まだまだチケットは余ってる上(これはこれで問題だよ)、夏休みでツアーが大量に組まれています。ツアーあるところに、余剰チケットあり。当日券も期待できそうなので、東京の方も遠征して観るべし、観るべし!


■02.7.15:宙組「鳳凰伝」

▲もっと衣装豪華なんだけど、描くのめんどくて省略
 スカイステージのニュース内でやっとこさ、「鳳凰伝」のダイジェストが流れました……って、みじか!初日の模様っつっても、プラハもスラップももっと長かったででしょうに、短い上にほとんど「ショー・ストッパー」だし。
 ま、初日から4日目。編集も間に合わないのでしょう(出し惜しみもあるかも)。一瞬でも観られただけで御の字です。
 ちらと観ただけですが、どうしても「愛 燃える」を連想しちゃいますね。でもスケールのデカさもなんとなく分かるので(音楽とか重厚だし)、単なる模倣じゃなく、「愛-」を肥やしにしたって感じでしょうか。
 焦らなくても、明日仕事で観に行けるんですけどね。期待しすぎるとがっくりくるかもしれないので、程々、程々と言い聞かせてます。


■02.7.14:宙組「鳳凰伝」のウワサ
 12日よりその幕が上がっている宙組「鳳凰伝」。仕事での観劇日は16日なので、それまでに出来る限りの情報を得ておこうと、あちこちで初日の感想を聞いてみると、これがまた、おおむね好評。豪華、重厚、水落ち、適材適所と、みなさん言葉を尽くして誉めてます。アンチ木村派も「木村センセにしては良くできてる」と誉めたり、「もう飽きた」と毒舌をつくすアンチ女帝派さえ「トゥーランドットはあの人だから出来た」と認めるに至り、「これはホンモノかも?!」と期待がかなりふくらんでいます。
 スカイステージでも初日挨拶の模様が登場。しかし、挨拶の場面だけの放送なので、すごいと評判の大がかりなセットも、豪華な衣装もまだ未確認。ただ、組長のタキ(出雲綾)ちゃんの美声は、挨拶でも映えるなぁと今更ながら感心。


■02.7.12:東京「SLAPSTICK」千秋楽

▲にてね〜、けど一応きりやん……
 こないだバウで初日を観たとおもったら(チケットを譲っていただいた。多謝!)、もう東京千秋楽?!ということで、スカイステージのニュースに入ってきた千秋楽挨拶を観る。
 霧矢大夢の挨拶を最初・最後と観て、やっと気が付いた。わたしゃ笑わせてくれる生徒がツボみたいです。そういや、最初に大はまりしたウタコ(剣幸)さんも一流のコメディエンヌだったっけ。よ〜し、きりやん応援しちゃうぞー。
 だいたい、今全盛のきゃしゃなアイドル系男役って綺麗だなぁと思うけど、ややものたりないときもあったのよ。その点、きりやんは笑いを取れる関西人特有の気質に加え、もちっとした顔つき・体つきでファンの視線もどーんと受け止めてくれて劇後の満腹感もたっぷり。
 そう思って、昔の劇評やメモなんかを改めてみると、あちこちで霧矢賛美をしていた記録が。気づくの遅すぎ、アタシ!


■02.7.10:ビデオ鑑賞「ヘミングウェイ・レヴュー」

▲「アフリカ」の星奈優里嬢。もう踊る踊る!
 スカイステージで録画しておいた星組公演「ヘミングウェイ・レヴュー」を鑑賞。懐かしいなー。コレ東京でも観たのよ。東京にいく用事があったので、仕事の後一泊のばしてさ。
 当時は第二期大ハマりしていたあやちゃん(白城あやか)退団後でがっくりきてたもんだから、ちゃんと観たのにハートにいまひとつ響かなかったのを覚えています(というか、併演の「皇帝」がスゴすぎて、魂ぬけてしまったとも)。
 でも今こうして観てみると、いいショーですねぇぇぇ(←すげぇ、今更)。娘役フリークとしてはゆりちゃん(星奈優里)に釘付けですよ。娘役トップ就任2作目だったにもかかわらず、マリコさん(麻路さき)との間にいい空気があるし、ダンスにもドラマ性がある。長く脇をしてたから、死神アグネスとかイキイキしちゃって。私は歌よりもダンスよりも、芝居っ気を重要視しがちなんですが、やっぱ踊れるコンビというのは素晴らしい。ショーの完成度まで変えちゃう勢いがあります。

 踊れるといえば、雪の新トップ(内定)コンビ、朝海ひかる&舞風りらもダンス優先態勢の模様。さてどう化けるか。色気のあるコンビになってほしいものです。


■02.7.9:雪組千秋楽

▲退団挨拶のまひる嬢。頭の飾りとかテキトーでスマソ。
 スカイステージ、なにがありがたいって、サヨナラショーの様子をダイジェストでもやってくれるとこですよ。それも速攻。
 昔は歌劇かグラフが出るまで、口コミで聞くしかなかったし、動画を観ようと思ったらビデオが出るまで待たなきゃいけなかったわけですよ。それがもう、もう、もう!
 娘役フリークスとしては、トップ娘役でも同時退団で無い限り、そのサヨナラショーは映像ソースとして残らないのを歯がゆく思ってましたが、これからはそういうことも無くなりそうです。

 さて、ぶんちゃんのサヨナラショー。「悲劇こそ、豪華にやらないとダメ、悲しいの〜とメソメソ地味にやったら面白くもなんともない」というのは、今渦中の人・植田理事長の弁(ベルばらに寄せて)ですが、ぶんちゃんのサヨナラもまたしかり。明るいだけに、逆にぐっときます。一緒に退団するなるちゃんもソロをもらってましたが、懐かしの月組公演「バロンの末裔」から「I Wish」。すでに成瀬ファンの間では、リバイバルブームになっているとか。

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●絵と文:山本ちず●