さて、本葬のネタですこし足踏みしましたが、話を本筋、出棺の場面に戻しましょう。
【出棺】
葬式が最後に近付くと、祭壇から棺をおろし、棺の蓋をあけて「最期のお別れをします」。その六でも書きましたが、花を入れる「別れ花」に続き、そして、棺の蓋を釘で打ち付ける「釘打ちの義」を行います。
近親者が、小石で角や頭の方の釘を二度づつ打つもので、小石は三途の川の石を表していて、木槌や金槌は使わないそうです。
打ち付けるとはいっても、形式的なことで、ゴッツンコ!ゴッツンコ!する必要はありません。近親者一巡すると、ちゃんと葬儀会社の人が(ここは)金槌でフタをしてくれます。
釘打ちがすむと、いよいよ出棺です。
式場前にはちゃんと霊柩車がスタンバイしているはずです。
ところが、過疎の街や、葬式が重なる日などは、霊柩車が間に合わないこともあり、生放送の時間あわせさながらに、出棺の挨拶を引き延ばして、到着を待つこともあるそうです。
さらに、ヤな話で恐縮ですが、安い棺を使うと、出棺や「最期のお別れ」で重量が増した時など、底が抜けることがあるそうですから、あんまり檄安な棺はこのへんゴチューイを。
棺はこれまた近親者の男性で行うのが普通。ちなみの、喪主と、その他の遺族は位牌や遺影やその他モロモロ持っているので、手伝えません。
そして、棺を霊柩車にのせる時は、絶対足から中に入れることが決まりだそうです。
火葬上へ向う車は、霊柩車を先頭に以下、ハイヤーを使います。
霊柩車には、遺族や近親者は同乗しないのが普通だとかで、位牌をもった父も、遺影をもった母も、その他モロモロ(なんか飾り)をもった孫一同も、順番にハイヤーに乗り込み、一路火葬場を目指すのです。
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【霊柩車いろいろ】
葬儀会場から火葬場に棺を運ぶ時、当然のように使われるのが霊柩車です。
霊柩車には大きく分けて2種類。いわゆる「霊柩車」といわれる、彫金などがほどこしてある「宮型」と、大型乗用車やワゴン車を改造した「寝台車」タイプです。
宮型霊柩車のルーツは、大名行列をまねたという、お弔いの徒歩行列に始まります。裕福な人が、輿いろいろと屋根飾りをほどこしたのですが、この飾りが宮型の元になったようです。また、明治時代には大名行列の様式を取り入れて、葬儀屋が豪華な葬儀行列を完成させせたりもしました。
その宮型ですが、さらに白木や唐木のスッキリめのものと、金箔をほどこした黄金造りに分かれます。
白木の方は日に焼ける為、ニスをぬったり、年に1、2度は鉋をかける必要があり、メンテナンスも大変。
この白木の霊柩車、そもそものはじまりは、1960年代、ある宗教の教祖の葬儀用に特別注文を受け、一週間でつくりあげたこと。期間が限られていて、飾り立てるヒマがなかったことが幸いしたようです。
一般的に、関東の方が白木を好み、関西の方は金箔のものが好まれ、細工自体は関東の白木の方が派手目、改造面積が多いのは、名古屋や金沢、といわれています。
また、めずらしどころでは、富山の赤い霊柩車。未見ですが、四方を麒麟で守られた荘厳なものだそう。
金沢には平等院を模した、超豪華霊柩車が存在します!しかも内部までも金箔仕上げという、平等院というより、金閣寺もビックリ状態。
さて、寝台型霊柩車は宮型の反対、一見すると普通の車に見えるもの。バンを改造した洋型や、バスを改造したバス型などがあります。火葬場や葬儀場の付近では
「霊柩車が頻繁に出入りするのは気分が良くない」
「土地の値段が下がる」
などの反対意見があり、ハッキリと葬儀場・火葬場建設反対運動や、宮型車通行反対運動が起こっている地域もあるくらいです。
そんなわけで、宮型が走りづらくなりつつあるのが現状です。
寝台型は、そんな必要に迫られて産まれた車だといえるでしょう。
彦根には、バンを改造して、窓の内部から白木の彫刻が見えるようにした、宮型と寝台型をうまく折衷させたものも存在します。
パッと見はバン。しかも窓にブラインドをおろすと、完璧に普通のバンとして通用するのです。
★ウチの地区には、まだまだこんな変わり種霊柩車があるよー、という方ぜひ御一報ください。
ちなみに、歴代天皇で霊柩自動車を初めて使ったのは、昭和天皇(大正天皇以前は人力)。
しかも、宮型ではなく、なんと、日産プリンスロイヤルの改造車(洋型車)が使われました。
やっぱり、宮型は神仏混合とかで、神道の天皇家ではヤバいのでしょう。ここでも寝台型、大人気です。
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【霊柩車のお値段】
霊柩車による営業は、運輸省の認可制です。
普通の霊柩車は、改造された特種自動車ということ、しかも営業用の車ということで、8ナンバーの青いプレートであるのが一般的です。
搬送にも、きちんと運輸省の規定があり、少し古いデータですが、基本料金が9250円。それに10kmごとにメーターがあがる仕組み(税抜き)と、されています(すいません、資料が古いので、また調べておきます)。
だから、旅行先などで亡くなると大変。
自宅まで移動するのも、当然この料金が摘要されるわけですから、とんでもない金額になることも。こういう点からも、やっぱり、自宅の畳の上で死にたいもんです。
しかし、最近では荷物運搬用の4ナンバー、しかも営業者じゃない白プレートをつけた霊柩車も出回っています。
モグリの違法業者が、この車を使い、法外な値段をふっかけてくるというあくどいケースもあり注意したいのですが、一概にそうともいえません。
例外は搬送料金を受けとらない場合。搬送による営業ではないので、青プレートがいらず、これなら合法的なのです。
霊柩車を自社で持たない葬儀会社などが、車不足からこの白プレート霊柩車を導入しはじめています。特に最近は死亡率の上昇で、車が間に合わないこともあり、この白プレート、全国で増えているようです。
ただし、白ナンバー車ですから、「搬送料」名目の請求はできません(が、そのへんは他部門からゴニョゴニョすればいいはず)。
葬儀場から火葬場へ向う時だけでなく、病院から自宅に戻る時の寝台型車など、ナンバープレートを注目して、ヘンな請求をされないように気をつけたいところです。
★次回は火葬場編です。
<じいちゃんの骨ってデッカイ!>
<お骨はどこまで持って帰る?>
<個性の骨壷>など。乞う御期待!
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