その八 番外編:笑っちゃいけない爆笑体験談

 この番外編は「葬送狂騒曲」に寄せられた、おたよりコーナーです。
 人間は、禁止された事ほどやりたくなってしまう、あまのじゃくな生き物です。
 見てはいけないと言われて見てしまう。笑っちゃいけないと戒めても、ついつい笑っちゃう。
 そんなおかしくて困ってしまった、お葬式爆笑体験談集です。

 ★各項目の最後にあるブルーの文章は、山本のコメントです。

★CONTENTS★
【やはり定番】
【会場にて】
【どうせこの世は】
【祭壇の前で仁王立ち!】
【ご家族パワー全開ネタ】 NEW!


 ◆やはり定番◆
●足が痺れて、喪主の頭に手を置いてそのまま倒れました。葬式の定番を自分がやってしまった。
(オカノさん)
● 5年位前、母方の祖母の葬儀中に足がしびれたのでその場を抜け出そうとして、柱時計に頭をぶつけ、大笑いされました。
(漆田恵司さん)
● 叔父が、神主だったので、神前式の御葬式に参列したことがあります。
 御焼香の代わりに祭壇の前で、玉串をささげて、2礼2拝1礼をするのですが、かしわ手を打つとき音を立ててはいけないそうです。
 あらかじめ、ノリト(?)をあげている神主さんから、説明があったのですが、遅刻してきた人が、知らずに、思いっきり、「ぱんっぱんっ」とやってしまい、笑いをとっていました。
(RIKIさん)


----仏式の足痺れと、神式の柏手は、和風葬儀トラブルの両巨頭でしょう(ウソ)。最近は椅子に座らせてくれる会場も増えてますし、“足痺れで転倒”という行為も“バナナの皮で転倒”くらい、有名無実なアクシデントになっていくのかも。

 ◆会場にて◆
●お坊さんのことを、「おっさま」と祖父母の方は言うみたいで、皆が「おっさま、おっさま」って質問してるのを見て、なんだか吹き出しそうになって必死にこらえた覚えがあります。

 通夜のとき、ひととおりお経を読み終えた、おっさまが、チラっと後ろのご焼香をしてる所を見ると、まだまだ列があって、あわててお経の本の途中をパタッと開き、いい加減な所から再びお経が始まりだしました。この時は親戚一同笑いをかみしめるのに必死でした。
(わちゃんさん)

----実は、わたしの田舎でもお坊様のことをよぶ独特な言い回しがあります。それは「おっさん」!(くれぐれもアクセントを「さ」にもってこないように!それだとただのオッサンになってしまうから。お坊様、という意味の時は「お」にアクセント)
 わちゃんさんの「おっさま」と同じことですね。敬称が違うだけで。

●葬儀場で親戚の葬儀で受付をしていたときに、中年男性が二人連れで来られました。その二人は香典を持ってきませんでしたが、記帳をされたので、香典返しをお渡ししました。受付を済ませると、お焼香をあげに会場に入ろうとしていましたが、
「お香典も持たずに来る人も珍しいなぁ」
と、気になって、その二人を目で追っていました。
 すると、会場の入口に故人の生前の写真を並べていたのを見つけ、写真を見るやいなや、男性二人は驚いた表情で顔を見合わせています。
 案の定、葬儀場の階を間違えたらしく、二人はばつの悪そうな表情を浮かべながら、私の方をちらちら伺いはじめました。やがてその片方がやて来て、
「お香典も用意しないでお返しを頂くわけにはいきませんので」
と一言話してカウンターの上にお返しを返した後、ぴゅっと走り去っていきました。  笑ってはいけない葬式ですが、従兄弟と二人でその夜の線香番の時に酒を飲みながら故人の前で笑っちゃったのを覚えています。
(あめおとこさん)


----セレモニー型の葬儀形式が増え、新たに出てきたトラブルといえばこれ。あめおとこさんのところでは、御香典が絡んでいなかった上、むこうもすぐ気付いたので、大事には至りませんでしたが、葬儀後香典をチェックしていたら、誰も知らない謎の香典が出てきた、なんてことも珍しくありません。遺族にしてもホント困ります。

 ◆どうせこの世は◆
●これは友人の父上が亡くなったときのエピソードです。
 友人は長男で喪主のため、お寺さん、葬儀屋さんとの打ち合わせ、焼香客の対応 と大変、あわただしい時間を過ごしてました。
 癌で長いこと入院してたので覚悟はできていたらしく、それ程愁傷してはいなか ったのですが、ようやくお葬式が終わり、友人もちょと感傷的になりました。  そして出棺。友人が自分の車で親戚をのせて火葬場に向かうことになり、車のエンジンをかけると・・・。

「♪どうせこの世はホンダラダッタ、ホイホイ・・」

 カーステレオから、植木等の脳天気な歌が!
 それは私がその1ヶ月前に友人にダビングしてあげたクレージーキャッツのテープだったのです!
 親戚一同、目が点になり、友人は思わず吹き出したそうです。
 友人は喪主だった為、お父さんが危篤になってからはとにかく忙しく、車に乗れない日々が続いており、自分の車にクレージーキャッツのテープがセットされていたのをすっかり忘れてたのでした。
(GOKさん)


----まだ、式場のBGM間違いでない分、被害は少ないかもしれませんが、同じクレイジーキャッツでも、他にいろいろあったでしょうに(「♪黙って俺に…」「♪ごまをすりましょ…」「♪サラリーマンは…」などなど)、やるにことかいてと申しましょうか、ミラクル・セレクトと申しましょうか。よりにもよって「どうせこの世は…」が出るとは!
 ある意味、人生の終幕を彩るに相応しい曲ともとれます。
 私だったら、ムードたっぷりのお葬式音楽よりも、こっちで送ってほしいっすね。いや、ほんとに。

 ◆祭壇の前で仁王立ち!◆
●父が亡くなってからもう15年以上が過ぎましたが、あんな悲しいことありませ んでした。
 父ととても仲良しだった母、27歳独身の性格の悪い姉、25歳独身プー太郎の 私、という残された女3人は、突然の一家の主の死にオロオロしながら、通夜・ 葬儀の嵐の中で主人公を演じることになったのでした。
 通夜の席では、オンオンと泣くばかりの母と姉。
 私は人間の基本が「ええかっこしい」なタイプなので、ふたりがうるさく泣く横で、弔問客ひとりひとりに
「父が生存中はお世話になりました。これから、母と力を合わせてがんばりま す!」
と「涙をこらえて気丈に挨拶するしっかりものの次女」の役割を、ちょっぴり自己陶酔しながら演じていました
 姉はその性格の悪さゆえに、親戚中からバッシングされていましたが、私は「おねえちゃんと違ってあいそのいいええ子」で通っていたのです。この、親戚一同が集う大イベントで、私の「ええかっこしい」パワーは全開です。

 通夜が明けて、葬儀も終わり、いよいよ出棺。
 今や半狂乱の母が、棺にとりすがって

「いやや、私も、私もはいる〜」

と泣き崩れるのを、親戚一同が泣きながら押さえます。
 今にして思えば、もちろん本気でいっしょに焼かれる気はなかったと思うのですが。昔のインド人か、あんたは。
 母もやはり、かなり自己陶酔するタイプのようです。

 私も負けてはいられません
出棺の際、遺影を持つ大役をおおせつかったのを良いことに、霊柩車の横で立ち 止まり、遺影をわざとらしく家の方に向けて持ち上げ、

「お父ちゃん、これが家や。よう、見ときや。お別れやで」

と絶叫し、このクライマックス場面にふさわしい盛りあげ方で、またも親戚中の涙を誘ったのでした。

 骨上げが終わり、父は小さな白い箱に入って自宅に戻ってきました。
 ここへ来て、私も涙が止まりません。葬式後、シンプルに片付いた祭壇の前に座 って泣きつづけていました。こんなに目から水分を出し続けているのになぜ、と思いながらトイレに行きました。
 トイレから帰って、しばらく祭壇の前で仁王立ちになって、

「お父ちゃん、なんで死んでもたんや」

とまた涙。
 ふと気づくと、いつのまにか横に親戚のおばちゃんが立っていて、

「××ちゃん(私のこと)、パンツ見えてるで・・・

とささやくではありませんか。
「げっ!」
 軽い生地のフレアースカートにはきかえていた私は、トイレに行ったときにスカートの裾をパンツのゴムにはさんだまま出てきて、そのまま気づかずに祭壇の前に戻って、仁王立ち。
 親戚一同に向かって黒のストッキングとその下の白いパンツを丸出しにしていたのです。

 葬儀の間に築き上げた「気丈でしっかりもののやさしい次女」のイメージは、この「パンツ丸出し事件」でかなりのダメージを受けてしまったことは、親戚のおっちゃんたちの固まり笑いを見ても、まちがいありません。
(前田ぽからさん)


----前田さんは、名古屋在住の方ですが、れっきとした大阪出身。
 自らツッコミつつもボケ、なおかつ、体をはって笑いを提供してくださるという、この根性!
 どれをとってもサイコーです。あやかりたい、いやいや、みならわなければ。
 しかし、大阪人のあみだしたボケ&ツッコミの呼吸というのは、自己や物事を客観視するのにもってこいだと思うのですが。
 涙にくれているのに、「こんなに水分を出し続けているのに」と、トイレにいっく自分をツッコむ。泣き崩れる母に「インド人か」と内心ツッコミを入れる。
 冷静な視点が無いとできない作業です。やっぱり、大阪人ってすごいです。

 ◆ご家族パワー全開ネタ◆
【気が抜けて…】NEW!
 実はワタクシ、平日は派遣OLで土日はコンパニオンをしています。
 お仕事はお着物で宴会サポートと冠婚葬祭。特に法事の多いこと多いこと!コレがまた笑えたりします。
 先日もお葬式〜法事とつつがなく無事に終わったご遺族様方がホッとしてしまったのか、お位牌&遺骨を置き去りにしてお帰りになりました
 誰か一人くらい気づけよぉぉぉぉ!!
(ちだあゆみさん)
【暴露される秘密】
お葬式に場所が必要だったため、自分たちの机もどかされてしまった。(当時小学生)隠していた物(親に内緒で買っていたもの)が見つかってしまって迷惑した。
(ちゃろさん)
【女系家族】
祖父は、亡くなる数年前、祖母と次女(出戻り)と孫(女)と共に、故郷の九州から千葉に引越しました。
 通夜の準備の時、祖母・次女・孫に、私の家族、母(未亡人)、4人姉妹と、計8人の女性陣しか集まらず、葬儀屋男一名が驚いていました。
 この8人と葬儀屋で、巨体の祖父を布団から棺に移したり、棺を車に乗せたりして大変!!でも、シュールなコメディみたいで面白かったです。
 葬式の時は、次女の子(男)と、私の夫が登場し、ようやく男2人になりました。無口男2人はヤカマシ女パワーに圧倒されていました。
(ayaranさん)
【殺生禁止】
小学4年頃。祖父の葬儀後の会食中,部屋(自宅)にゴキブリが出た。殺生はいけない、とのことで、叔父が掃除機で吸い込んだ。立派な殺生だろうと後で思った。
(321さん)
【葬儀のメッカ】
都内にある、某お寺の傍に住んでいたせいか、たまにある芸能人のお葬式の時、よくTV局のスタッフが屋上を借りに来ました。(笑)
 不謹慎とは思いつつも、TV局がくれる番宣グッズ等々に負け、何度か屋上を貸したことがあります。
(働くひま人さん)

※このコラムでは、お葬式に関するみなさまのご意見・体験談などを募集しています。
 ウチの地方ではこんなお葬式のしきたりがある!ウチの葬式でこんなことがあった!自分ならこんな葬式で逝きたい!など、お葬式に関することなら、どんなことでも結構です。どんどんメールでお寄せください。お待ちしています。

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