その六 番外編:お葬式・ビックリドッキリトラブル集

 この番外編は「葬送狂騒曲」に寄せられた、おたよりコーナーです。
 いただいた体験談の中でも、はじめてお葬式を出した時のとまどいや、予想せぬトラブルに大慌て!という話題をセレクトして、お送りします!


 ★各項目の最後にあるブルーの文章は、山本のコメントです。

 ◆これもしきたり?◆
●お坊さんが立ち上がってとっても大きな声でお経を読みました。すごくびっくりしました。いろんな宗派があるんですね。
(とろさん)
子供と男性は、お経をあげている途中で席をたってもよかった。男の人は庭でたばこを吸ったりしてくつろいでいて、「なぜだ!」と思いました。
(wrongnumberさん)
● 広島県御調郡の父の実家(浄土真宗)の葬式では、参列者に教典(って言うのかな?お経が書いてある本)が配られます。
 そしてメインの御坊様の読まれるお経と一緒に、参列者がお経を読み上げるのですが、教典に書かれているお経を全部読むわけではなく、一部抜粋と言う形で読まれるので、ぼんやりしていたらどのページのどのあたりを読んでいるのか、うっかり見落としてしまいます。
 そんなときは周りの人に読んでいるページをこっそり聞いたり、横目で盗み見たりして確認します。
 ということで、お経を読んでいる間は、読むことに没頭しなくてはなりませんので、生前の故人の事を懐かしく思いだし、心を乱されるといったことが、あまりありません。
(ひさこさん)


----しきたりや、宗派の慣習でビックリ、というネタを三連発お届けしました。
 とくに、各地のしきたりについては、まだまだめずらしいものがたくさんありましたので、別ページに「全国風習選手権!」として、まとめてあります。興味のある方は、ぜひどうぞ。

 ◆あってはならない、なくてはならない◆
どこまで連絡すればいいのかがむずかしく、漏れがあって失礼をしたり、逆にどこから聞きつけたのか、以外な人が来てくださったり、てんやわんやでした。
 母が亡くなった当日、病院から自宅にもどったら、父と私の会社の総務の人々が
「なにか御手伝いすることはありますか」
と言ってすでに家の前で、待っていました。
 まだ、御葬式の予定も決まっていないうちから早過ぎる。これには、かなり驚きました。
(RIKIさん)
●まだ危篤状態であるにもかかわらず、葬式を自宅で行うために、親戚中そろって葬式が行われる家を掃除した。
 ふすまの張り替え。
 畳をひっくりかえす作業。
 本棚の整理。
 来客用の布団の準備。(干したり、繕ったり)
 お坊さま様の高級お茶、お菓子の用意。
 喪主の決定、挨拶人の決定。
 喪服・数珠の準備。
 女性に関していえば、葬式に着物ででるのか、でないのか。
などなど。
 中でも一番おどろいたのは、喪服の有無確認で、一年前から着物を準備していた人も。びっくりしたこと、この上ないです。まるで死ぬのを待っているみたいでした。
 ちなみに「喪服を一年まえから準備した」という人はうちの母です。
(ひさこさん)


----うむー。死ぬのを待ってるわけじゃないでしょうけれど、こういう準備はそれとなくしておかねばならないもの。
長患いの、高齢の親戚を持つ女性は、まず喪服をそれとなくチェックしているはずです。しかし、それが大人というもの。誰も責められません。いざという時、まともな喪服の一枚もなければ、責められるのが大人なんですから。


 ◆弔事と慶事のダブルパンチ!◆
● あれは、私が初めて結婚する時のことでした。
(実は私ったらバツ2です。現在バツ3目指して恋愛中です。)
 我が家は古い団地に「地主さんの次に古い一家」でした。
 当時、私ったらご近所中の祝福を受けて結婚式までの日を指折り数えており、団地の皆様も「あゆみちゃんも、いよいよあと○日でこの団地を去ってしまうのね。」と昔を思い出していた模様です。

そしていよいよ結婚式当日!!
なんと、裏のじーさんが死にました。

 裏のじーさん宅も「団地古いぞベスト5」にランクされるツワモノ!!  さてさて、困ったのはご近所の皆様。
 こりゃー「おめでとう」が先か「ご愁傷様」が先か??礼儀としてはどっち??あああ。

 そこで「団地古いぞナンバー2」のオクサマ(ちょいとウルサイ)が、団地中に御触れを出したそうです。

「ちださん宅は滅多にないオメデタイ日である。
 裏のじーさんのコトは耳に入れないように!!!
 じーさんは死んだら死んだまま。
 ちださん宅はお式の準備でお出かけになる。
 うかうかしていたら、お祝いを言いそびれるわよ〜〜〜〜。
 んだから、まずはちださん宅にお祝いを言って、
 その足で裏のじーさん宅にお悔やみが吉。」

 忘れもしない10月17日(大安吉日)。ナンバー2オクサマの助言を皆様素直に受け入れたものだから団地民ヘンテコデーだったそうです(おかげさまで、我が家では後々になってから聞いたのですが)。
 ご近所の皆様は満面の笑顔で我が家に来て

「このたびはおめでとうございます♪」

その後、30歩歩くあいだに顔面の筋肉を動かしなおして寂しげに

「このたびはご愁傷様でした・・・・。」

皆様「間違えたら一大事!」と口の中でブツブツ復唱しながら歩いたそうです。んで、我が家が式場に出かけたのを見計らってから皆様一斉に黒いお洋服なんぞに着替えて、おもむろにじーさん宅葬式の手伝いに臨んだそうです。

 その後、団地内で流行ったのは、裏が「祝儀用」表が「不祝儀用」と使い分けられる“ふくさ”。確かに便利である。

 この団地内「ちょーめでたい&ちょーかなしい(平均すりゃ一緒)」は今でも語り継がれております。
 しかし・・・私が一番困ってしまうのは、裏のじーさん宅の皆様にお会いするたび

「あゆみちゃんもズーット結婚していれば、
 今年で○年目だわねぇ。
 うちのじーさん○回忌だから・・・。」

と言われちまうこと。
(ちだあゆみさん)


---- 私めの体験として、お葬式ダブルパンチの話をアップしたところ、ちださんから、さらに上いくダブルパンチ話を送っていただきました!お葬式と結婚式のダブルパンチです!こりゃすごいっ!
 さらに、何がいい味だしてるかって、ナンバー2オクサマの、「じーさんは死んだら死んだまま」発言!そりゃもっとも。こうなってしまった以上、悪いけど、おじいちゃんはもう逃げも隠れもできませんから、タイムスケジュールに押される方を優先するオクサマの案は、まさしく名案。

 そういえば、こんな話がありました。私の母方の祖父祖母が住んでいる、ものすごい過疎の村があるのですが、そこも世のためしに漏れず、住人はほとんど老人ばかり。
 私の祖父の裏手に住む、おじいさんのところも、そんな老人家庭の一つ。都会で家庭を持っている息子や娘も、盆暮れ正月には帰ってくるのですが、なかなか全家庭が揃うことは少なく、いつも兄がきても弟が、弟がきてても姉が、といったような状態。
 ところがある年、めずらしく兄弟全員、孫全員が揃って帰省し、おじいちゃんを囲んで正月を迎えることができました。
「こんなことも、あるもんなぁ」
一同驚きつつ上機嫌。もちろん、一番機嫌がよかったのはおじいちゃんです。
 その夜です。このおじいちゃんが亡くなったのは。
 時まさに1月1日、正月元旦。お風呂で脳溢血でした。偶然にも一族郎党全員にみとられて、あの世へいったとのこと。
 この話を聞いた遠縁・近隣住人は、そろってまたもこう言いました。
「こんなことも、あるもんなぁ」
 おまけに、こんな日でも、過疎の山奥の村でも、葬儀屋さんはすっとんできてくれて、一同この仕事の大変さを痛感したのだとか。

 ◆それは誤解よ!◆
●母の通夜・葬儀告別式を通して、私が数人の弔問客から言われた言葉が「おめでとう」でした。

 母は約半年の入院闘病の後亡くなったのですが、亡くなる数週間前から治療にモルヒネが使われており、その幻覚症状で、数人の見舞い客に「娘が結婚した」と言いふらかしてくれたのです。
 しかも、その話は「○○町に住んでいる」と地名が具体的なものや、「子供が今度私立○○小学校を受験する」といったものまで様々でした。

 さらに、それらの情報を断片的にきいたのが、主に、母の同級生達だったため、お通夜の席でにわか同窓会と化したおばちゃん達は、お互いの情報を交換し組み合わせて、すっかり私の結婚ストーリーが完成
 その話が、まことしやかに広まるというとんでもないことに。おばちゃん達が、寄って来ては

「このたびは急なことで…云々」

の後、必ず

「結婚してたんですってね。
 御祝いが遅れてごめんなさいね。
 私も先日最後にお見舞いに行ったとき、
 お母様から聞いてびっくりしたのよ」


…って、こっちがびっくりしたっちゅーねん!恐るべしモルヒネ…。
(RIKIさん)


----普通ならば、深刻になる御母堂様のお話を、こんなにもカラリと送ってくださった、RIKIさんにまず感謝します。
 しかし、モルヒネの幻覚症状って、本当にこんなに強力なものだったのですね。ちょっと驚きました。が、それ以上に驚いたのは、やはりオバサマネットワーク。情報収集・構築にかけては、やはりピカイチでしょう!

 ◆キレた!◆
● かわいがってもらった祖母の葬式。それは大混乱でした。
 特に仲の悪い親戚にはほとほと困った。
 私は葬式場の大部屋に泊まったのですが、修学旅行じゃあるまいし、みんな整然とするのは無理があるようです。
 年寄りはとにかく朝が早い!大部屋なのに、自分の家のごとく振舞い、

「ういーーーんういーーーん」

朝5時にひげそり。

 私は切れた。若かったせいもあるでしょうが、私の周りには、仕事を終えまっすぐ直行した親戚が寝不足のまま寝ていたので、かわいそうに思い、にらみつけても効かないので思いきって、

「ジジイ、うるせぇ」

と耳元まで行き、つぶやいてやったのです。
 すると、私の親に告げ口され、親戚中でもめました。さすがに親は怒りはしなかったが、きっと、つらかったでしょう。パパ、ごめん。

 あと、大部屋はイやだと、ホテルを取れと言う奴らも。ホテル取らされたのですが、そのお金はこっちが出しました。自分の妹の葬式にまで、なぜこのようなことをするのでしょう。お前が金出せ、と思いました。
(河村さん)


---- そーなんですよ。お葬式は眠い!参列者や弔問客ならともかく、遺族ってやつは急の出来事だわ、眠れないわ、朝早いわで、とにかく慢性的に睡眠不足なんですよね。
 ジジイ発言には、正直ちょっとギョッとしましたが、まさしく正論。わかる、わかります。そのとおり。よくぞ言ってくれました。
 あと、お葬式出すお家も普通の家なんですから、ホテル取れとか無理はいわないでほしいっすねー。うちも取りました。いや、うちの場合は「取ってくれ」とは言われませんでしたけど、みなさん日帰りじゃなく、必然的に部屋も足りないとくれば、そうするよりほかないんですよね。ふうー。

 ◆移動で迷子◆
● 私は数年前母をなくしました、そのときの御葬式でのできごとを、紹介したいと思います。
 当時の私と夫(当時は彼氏)の関係は、ふたりが付き合っていることは両親とも知ってはいましたが、母が入退院をくりかえしていたこともあり、表立って、結婚話が出ていたわけではなく…という微妙な関係にありました。
 で、そんな彼が御葬式には参列してくれることになりました。

 しかし、立場があまりに微妙で、おまけに彼にとっては顔見知りがひとりもいないという、気の毒っちゃー気の毒な状態

 さて、最初の問題は、出棺に際して起こりました。
 出棺のとき、親戚の男性陣が棺を運ぶのですが、母は女系家族だったため、血縁の男性が非常に少なかったのです。
 そこで、彼にも手伝ってもらって、どうにか出棺をすませたのえdすが、親戚から、
「あの男性は誰?」
と聞かれます。
 そこで、とりあえず、彼を紹介しようと思ったら、彼が…いないのです!
 当時は今みたいにケータイなどという便利なものなく、公衆電話でを探して連絡をとると、裏で祭壇を解体するのを見ていたというのです。
「さすがプロだよねー。めっちゃ手際いいよー。」
そーじゃねーだろっ!

 次に問題が起こったのは、葬儀場から火葬場へ向う時のこと。
 葬儀場から火葬場に向う車の配車はあらかじめ決めてあり、葬儀屋さんで用意してもらったマイクロバスの他に、自家用車で来ている方のうち数人に協力をお願いして、フロントガラスに葬儀用のシールを貼って、隊列(?)に加わってもらいました。
 その中に、私の父の車を運転する彼の姿もありました。彼の運転する車は行きがけは、空のまま火葬場まで行き、帰りに人を乗せるための予備車両の予定だったので、隊列の一番最後でした。

 ところが…。途中の信号で彼だけが、ひっかかり、隊列からはぐれてしまったのです。
 彼は、その後やっとの思いで、葬儀場へひき返したのですが…。
 今思えば、地理に疎いだけでなく、方向音痴の彼をひとりで車に乗せたのは、私の大きなミスでした。

 その後、重ねて私が親戚の前でどんなに冷や汗をかいたかは、ご想像にお任せします。

「教訓」…葬儀場と火葬場が離れているとき、移動のドライバーは地元の人に頼みましょう。
(RIKIさん)


---- いやーハラハラドキドキのお葬式でしたね。旦那さんも「微妙な立場」の中、ほんとにごくろうさまでした、と言わせて下さい。
 しかも、不馴れな町で隊列からはぐれるとは。まるで群れからはぐれた「雲居の雁」のような心細さだったのでは(おーう。我れながらブンガク的な表現だっ)?いや、それより先に、まず焦りますね。この事態では。
 しかし、夫まはた妻の実家のお葬式、っていうのは、身の置きどころがなかなか難しいんですよね(知らない土地ですし、なおさら)。そのあたり、あらためて実感するメールでした。

 ◆入らない!◆
●死んだのは、前の前のダンナのオトート。身長186センチ。宮城県の火葬場にはデカイヒトは入らないらしい・・・。で、棺おけも火葬場サイズである。
「へ?この棺おけったらカナリ小さいぞ!」皆の衆がそう思ったに違いない。いやぁ、葬儀屋さんはエライ!おもむろに遺体の足を曲げました。死語硬直は終わってたとしてもアノ音・・・。忘れません。
「バキッッ!!バキバキバキ!」
その後、亡くなった義オトートは棺おけに半アグラをかく姿勢で無事に火葬されたのでした。メデタシメデタシ。
(ちだあゆみさん)


----棺桶に入らない御遺体を、ちょっと負荷をかけて納める、というのは、他の地方にもあるようで、これをやっている方の葬儀屋さんも、「聞こえちゃったよね…?今の音?」てな具合に、内心冷や汗ダラダラもんだそうですよ。どっちにしても気まずい一瞬ですよねぇ。

※このコラムでは、お葬式に関するみなさまのご意見・体験談などを募集しています。
 ウチの地方ではこんなお葬式のしきたりがある!ウチの葬式でこんなことがあった!自分ならこんな葬式で逝きたい!など、お葬式に関することなら、どんなことでも結構です。どんどんメールでお寄せください。お待ちしています。

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