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発表!人事異動
愛人本部長以下、本社の女子社員がクリスマス商戦を果敢に戦っていたころ、本社はいったいどのような状況だったのでしょう。
少しさかのぼって、社長の営業戦略を追ってみましょう。
まず、売上は平素よりましなものの(シーズンだからね)、一向に向上しない経営状態に、社長はまったくもって頭を悩ませていました。
まず、商品力の弱さを補おうとしたのか、社長自ら、商品開発に強引に入り込み、廉価で粗悪な生地のプリントブランドを開発します。
とはいえ、社長のデザインセンスは、「0」に限りなく近かったので、プリント模様は、今だにエスニックか小花がメイン。 おまけに原価を、死ぬほどおさえてあるので、生地は春夏秋冬単一の薄手の綿、型紙は単一。これでは、冬は寒くて、夏は暑くて、おまけに長袖しかありません。このおそるべき商品を生産ラインに優先的にねじ込み、量産体制にはいります。
これだけでも、デザイナー連中の反感はかなりのものでしたが、商品原価を抑えようとする社長は、メーカーにもかかわらず、とうとう他社のパジャマを買い付けに走ってしまいます。
買ってきたのは、新ブランドと同じく、これまた安いだけがとりえの商品。(光にかざすと、向こうの景色がみえるほど生地が薄い。しかもゴワゴワしている。)
これで社のデザイナー室を敵に回してしまいました。
おまけに、これらの商品を率先して直営店に卸していくのですから、たまったもんではありません。お客は、少々生地が悪くても、つけられた値段の安さにとびつき、自社の3000〜5000円の商品は残っていきます。
このように、意図したところとうらはらに(?)どんどん売れ残る自社商品見て、社長がいった言葉は・・・
「自社商品が全然売れず、ワゴンセールばかりが出ていくではないか!
営業や、販売は、いったい何をしている!!
みんな、自社商品に愛情はないのか?!
悲しくないのか?」
社長自ら自社の首をしめてしまった状況下で、このハッパのかけ方は、ハッキリいって拷問です。
しかも社長、この商品を開発した責任まで、他人に転換しはじめます。
「こんなマーケティングもニーズも
読めていないような商品、
作ったのはだれだ?!」(ほかならぬアンタだよ!!!)
自社商品に注力する一方でこの価格破壊。二つを同じ店で展開しまう、おバカな販売経路。とうぜん、2種類の商品が共倒れになってしまうのは必須です。この矛盾のとばっちりは、すべて営業にかかっていきました。
当時、営業あがりの社長は、営業部門の本部長も自ら兼任していました。(なんでも自分でやりすぎ!まぁ、ワンマン経営の常識ですが・・・)
社長は、毎日のように泣き、わめき、脅し、吠え・・・・とあらゆる手段で営業社員にプレッシャーをかけ続けました。しかし営業成績は下がる一方。
この末期的状況に、さすがの社長もほとほと困り果てたのでしょう。これを打破する解決策として、社長の手腕が発揮されるときが、またもや訪れたのです。
社長は、ある日の朝礼で、唐突に人事異動を発表します。
「え〜わが社創立以来、
長く営業部本部長というポストにおりましたが、
もう、社長が現場にでて、
あれこれ指する時代ではありません。
もっと、現場の声に近い、若手にこそ、ふさわしい。
そういうわけで、ここにいる営業部のK君に
本部長を譲ることにする。」
なんと社長は、取締役のなかでも最も若かった営業部のマネージャー、K氏に、営業本部長の席と責任を一気に押し付けて、自分はスタコラ逃げてしまったのでした。
さあ、この日の社内はえらいこっちゃです。社長がさじを投げた!というウワサで営業部はもちきりになり、ベテラン取締役の偉いさんたちは、このごぼう抜きの人事に、少なからぬ不満をもらし・・・。
そして、いきなり渦中の人となったK氏はといえば・・・なんと会社を早退!
おどろくべきことに、社長はK氏になんの打診もなく、いきなりに全社に発表してしまったのです。
本人も初耳の人事という天変地異に、入社以来休暇をとることすら稀だったK氏、ショックで発熱。営業本部長になったその日に、早退してしまいました。まさに、てんやわんやの大騒ぎ。
こうして上層部の不安定さが、本格的に露出してきた年末、会社崩壊の足音を敏感に感じ取った人達は、締日にあわせて大量に辞めていきました。
私たち販売促進部でも、とうとう退職者がでました。ストレスの発散のように社の秘密と歴史を語ってくれた先輩が、がまんの限界を感じ、先の予定もたたぬまま退職届を提出。さすがに部署内でも、だれも引き留めようとはしませんでした。
しかし、本人はこの理不尽からの解放を心のそこから喜び、退職の挨拶は笑顔満ち満ちておりました。(こんなにうれしそうな退職挨拶はなかった・・と、各部門でいわれたらしい)
これで販売促進部は、リーダー・チーフ・私のたったの3名となってしまいました。
そしてこれ以後、毎月の締日には、2ケタ単位で人が辞めていくことになります。
とにかくこの1年は、揺れに揺れたまんま、暮れていったのでありました。
さあ!新年!
社長の年賀の辞は???
今日のひとこと:
敵を欺くには
まず、味方から・・・て、
コレはやりすぎ。
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