番外編:お茶目な社長見聞録

ここでは、本編完結直前を記念(?)して、
愛すべきキャラクターだった(おいおい、すでに過去形か?)
社長と愛人の楽しいエピソードをお届けいたします。


●社長と内定
社長は世のワンマン会社とたがわず、青田買いが大好き。気に入った(女子?)学生には、人事経路を無視して採用過程の途中でも内定宣言をだしまくる。
とある女子学生の面接の時も、面接の最中にもかかわらず
「アナタ、内定です。ウチに是非きてほしい」
と爆弾発言。
オドロキの女子学生はうれしさのあまりその場で泣きだし、トナリでは、女子社員の採用には、ことさら厳しい目をむける愛人本部長(人事部長も兼任)が
なに言い出すんじゃい
という顔で社長ににらみを入れていた。


●社長と役職名
ウチの社長は役員・本部長などの呼び名の外にも、カタカナ名前の役職名を作り正式に使用する人だった。
とにかく“なんちゃらリーダー”“なんとかマネージャー”的な凝りに凝った役職名を増殖させまくり、社員の半数は肩書きもちになってしまった。そうなると、だれがだれより上役になるのか、一見しただけではさっぱりわからず、おまけに人事異動が年2回。おぼえたころには新しい役職名が古くなってしまっていた。
N・Iから査定が入る直前、なんらかのリストラ的対処をしたようにみせかけるため、にわかにこの状態を整理。最盛期で10種類ちかくあった呼び名を「マネージャー」「リーダー」等シンプルなもの5種ほどにへらした。
が、こんどはいたるところで「オレとアイツが同じ役職?」という状況が多発。しかし、不満が爆発する暇なく、大量解雇・倒産の流れに飲みこまれていった。
ちなみに、カタカナ好きの社長自身、「プレジデント」なる肩書きをご愛用だった。



●社長と一大事
倒産からさかのぼること数年前、ウチの会社は悲願の自社ビルを手にいれた。移転前夜は引っ越し準備におおわらわ。徹夜を覚悟で会社に残る社員を尻目に、社長は
「おつかれさん。おつかれさん。」
を連呼して一足先に帰宅した。移転式典を前に、自宅で喜びをかみしめるのだろうと思っていたのも束の間、こんどは一本の電話が鳴り響いた。電話の主は社長の奥さん。
「お世話になります、主人の母が危篤なんです。主人おりますでしょうか!」
これには一同絶句。一転、家に帰ってたんじゃないのか!どこだ!さがせ〜!!!という騒ぎになり、引っ越し準備もそこそこに、急遽社員・役員で大捜索網をしくことに。
移転先はもとより、関係の会社、出入りの業者、取引先・・・・考えられるところは全て探したが、どこにも社長の姿は見つからない!
「残るは・・・・ただ一つ。」
場合が場合だけに、やむなし、と見た役員の・K氏(くわしくは本編を参照のこと)と某氏は車を愛人本部長のマンションに回した。
「たのむからここにだけはいないでくれ!」
と念じながら愛人のマンション前に到着。しばらくまっていると、願いも空しくなんとそこに社長の車が帰ってくるきた!!御丁寧にも社長の車は、マンションの入り口に横付けすると、助手席のドアが開き、中から濡れた髪の愛人がおりてきたのです!
「自分の母親が危篤の時に、愛人と・・・」
我が社長の、あまりの情けない姿を目のあたりにし、ショックにクラクラしながらも、K氏と某氏は社長に現状を報告すべく果敢に車から飛び出した。
一方、愛人との逢引を押さえられた社長は、何としてもここで捕まるわけにはいかない!とばかりに(事情も知らずに)、急いで車を急発車、アクセル全開でその場を走り去ってしまった。
「社長・・・・・」
これには残された二人も、ただただ呆然。しかし、事態は急を要しています。当然二人も車にもどり、追跡を再開!深夜の街中を社長と役員の車がカーチェイスするハメに。
数十分の追跡の結果、信号で引っかかっていた社長の車をようやくGET。
事態を知らせようと車にかけよるK氏。もう逃げられないと観念した社長、スモークの窓ガラスをあけつつ一言、
「ああ、K君。どうしたっ、こんなところで?
精一杯偶然をよそおう、けなげな社長の姿でありました。

のちに、社長はこの事件を回想して、社員にこう語っている。
「ワシも、会社を建ててから十数年。仕事仕事でとうとう母親の死に目にもあわれへんかった・・・・」





●社長と海外
かつてヒット商品のおかげと、バブルの余韻とで、社員旅行がバリ島という年があった。
全社員を3班に分け、時期をずらして出発。1班・3班のメンバーはなの支障もなく日程を消化したが 、問題は社長と同行した2班。
満員の観光バスの中で、バザールで買った強烈な臭いのドリアン
「おいしいから、みんな食え」
の一言のもと、一噛りづつ前から回食するハメに。人が噛ったものに口をつける不快さはいうにおよばず、ドリアン独特の臭いのきつさに乗り物酔いするものが後を絶たなかったという。



●社長と酒1
社長は酒が入ると、御陽気になり饒舌になる。
社内の宴会の時も、問わず語りで
「ワシは、体つきは細くても胸は、こう・・・
 まぁ、そういうのが好みなんや。」
と、おっちゃん特有の話題に御満悦。
当然トナリには「うっふん」の笑みをたたえた、細いからだに放漫なバストの本部長が、お酌のタイミングを待っている。



●社長と酒2
社長は酒が入ると、御陽気になり饒舌になる。
社員の披露宴の宴席でも、問わず語りで
「ワシが新婚旅行にいったとき、
 家内の父がいつまでもいつまでも、
 飛行機が消えるまで、手を振っていてなぁ。
 それを見たとき、ワシは
 『ああ、この女を一生幸せにしなければ!』
 と、心に誓ったんや。」
それを聞かされた社員は心の中で
してへんやんけ!!
と、ツッコミをいれたという。
当然その社長のトナリには・・・(以下、1と同文)






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